東京ゴールド?
ゼスプリによく似た先っぽがトンガったキウイだ。
この東京ゼスプリ・・・じゃなかった、東京ゴールド。
2年後開催の東京五輪の金メダルにあやかった意味の命名もあるみたいだが。

 

 ともあれ、東京都で発見・命名されたキウイの新品種だ。
その品種登録の経緯は変わっている。
東京郊外の農家にて、家庭果樹用としてキウイの苗木をどっかかから購入した。
家庭用として植えて育てていたら、変わった果実の実が成った。



 ゼスプリに似ていて果肉は黄色だが、ゼスプリの品種そのものではない。
果実の形状からして、ゼスプリの果実のタネからの実生ではないか?、とオレは思うが、苗木屋の管理不徹底から生じた偶然の産物だから、交配や遺伝系統はハッキリしていない。

 ともあれ、東京の果樹試験場がその樹を経過観察して、めでたく登録となって、東京ゴールドと名付けられた。
東京で果樹の新品種登録は珍しい。
通常、県で新品種開発がされると、その県内での普及や振興のために、新品種は県外への苗木販売が禁止されてしまったりする。

 が、東京都は都内の農家限定だと数が少な過ぎると思ったかどうだか知らないが、東京ゴールドの苗木は県外の人でも買えるようになっている。
で、オレがコレを買ってみようと検討しているところさ。

「東京ゴールド」の登録経緯については、
農産物直売所 ファームショップ中村園
というサイトの
「東京ゴールド」について
というページの下半分に詳しく載ってる。
http://goldkiwi.tokyo/free/tokyo-gold

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 キウイフルーツ【東京ゴールド】栽培ガイドブック
というPDF資料(tebiki_kaju_0910.pdf)がネット上にあるのを見つけた。
発行は平成30年8月という。
今から一か月前に出来たばかりの資料だ。

 オレが注目したのは、「一文字短梢仕立て」のところだ。



 ブドウの短梢剪定に似てる・・・。
短梢剪定にすると、キウイのモジャモジャ棚が、すっきりと樹を小さくできるからな。
キウイの棚のジャングル化はもうすさまじいことで、それはキウイ栽培の大きな問題点でもあるからな。


 オレはキウイの新しく伸びた枝を1mくらいずつ毎年の剪定では残すようにしていたが、やっぱり面倒だからな。
この面倒な【キウイの剪定】が、思いっきり切り詰めて簡略化できるのは魅力的だ。



 

 ただし!、短梢剪定ができる品種は限られる。
花が付き易い品種であることが条件で、普通のキウイ品種ではムリだわな。
長く正常に伸びた枝じゃないと花芽がつかないから。
ただし、この東京ゴールドは、あまりにも花がごちゃごちゃ着き過ぎる品種なのだという。
 

 鉢植えにも向きそうだな。
切り詰めても花が確保できそうだからだ。
 


 キウイの摘蕾という作業があってな。
キウイは大きな中心花がついて、その脇に小さな花が付く。
キウイは大玉の方が食べ易いから、大きな花が咲く中心花だけ残して、両脇の小さな花はむしり取るのだが、この作業が面倒くさいのなんのって。

 だから、東京ゴールドでは花が着き過ぎるのでは手に負えないのだが、でもな!、強剪定で枝を大幅に切り詰められるのならどうだ?。
枝数そのものが少ないのだから、摘蕾や摘果の箇所そのものを減らせる・・・。
どうやら、イケそうだ!、とオレは判断したわけよ。
栽培導入してみようってね。

 苗木代はクソ高い!。
安くても3000円はする。
しかもだ。
4倍体とかで、オレがようやく育てた紅キウイは2倍体だそうで、専用の4倍体オス品種の孫悟空とやらも、これまた買わなくちゃならない。

 苗木の送料も高いから、全て込みで7000円ぐらいもかかってしまう・・。
比較として、紅キウイと対比してみよう。
他のキウイと比べなくても、ヨソと比べないまま、東京ゴールドの良さを評価すればという意見もあるかもしれんが、今オレが持っている紅キウイには欠点があるし(長年栽培した香緑からようやく更新したばっかりだが。)、その欠点を克服するためには、新品種「東京っゴールド」と比較して良いとなれば、高いカネを出すだけの気持ちにもなるし、悪い点があるからその点を改良した新品種は気になるし、それに比較したことで(今まで当たり前だと思っていた)長所にも初めて気付くもんだぜ。


 果樹園日記で、オレがかつて書いたキウイの記事も読んでみたら、果実が小さいだの果実の毛が邪魔だの、不平不満がごちゃごちゃ書いてあったわ。
小さい果実というのは、小さいジャガイモと同じで皮を剥くのが面倒くさい。

 東京ゴールドの果実の大きさは、中サイズでやや大、といったところか。
ヘイワードが100(g)とすれば、紅キウイが50、香緑が80から90ぐらいで、東京ゴールドは推測するに60から70グラムといったところだろうか。
摘果だの環状剥皮だの植物ホルモン処理すれば100グラム以上になるというが、手間が増えることではあるな。

 特にあまり手間をかけずにいれば、まあ、60グラム台というか、紅キウイよりは大きめのようだ。
紅キウイの欠点は、紅妃だかレインボーレッドだか元品種はよくわからぬが(紅キウイというラベル名で購入)、果実が小さいことで、味だの毛無しだの結実性は満足している。

 果実がやや大きい、といった程度では、利点はその点ではあまり大きくないが、第一、キウイ栽培であまりにも面倒な要素である【棚作り】がラクになるのは大いに有力な点だ。
短梢栽培できるなら、すげーラクだからな。

 棚作りは、木や竹で作ると、数年で腐ってしまってな・・・。
垣根栽培にしても、そもそも長いツル性の枝を残す、というのが面倒でさ。
つーか、短梢栽培オレやったことねーや。
ブドウ栽培したことほとんどねえし(ヒムロッドシードレスを試作したが今年、幹に害虫が入ってしまって駄目にしてしまった)。

 あと、東京ゴールドは、東京オリンピックの金メダルを連想させるから、時事ネタとしてもオレとしても世の中の時流には乗るようにしたい。
オレはオレで他のことは関係ない!とゆー独自路線を言い張ると、あとで痛い目に遭わされるのには懲りているのでね。
寄らば果樹の陰、多くの人が植えている人気品種と同じものを自分も植える、という同一歩調をとることは、果樹の栽培ではとても大事なコトだったりする。

 東京原産?の品種ではあるが、今年(2018)の夏はあまりにもあまりにも暑すぎた。
暑いと熟すのが早まってしまい、熟した時期の気温が高いと腐り易くなるから、10月下旬ごろ収穫の品種ではあるが、東京の気候よりは北関東の気候の方が適しているんじゃないかなあ、とは思う。

 宣伝やブランド力は、東京の威力で凄そうだから、果実を売るのにはすごくイイかも。
スパルタンの果実販売の大成功を再び、というのはオレは考えているわけよ。
オリンピックの話題なら、スパルタよりはゴールド(金)の方がいいだろうしな。