築年数が増えるにつれて、住宅の価格はどのように変動するでしょうか。2015年~2021年3月の実際の不動産の取引情報を用いて築年数による、価格の変動を分析してみました。
マンションと戸建てでどっちの方が築年数による減価償却が大きいか。結論から述べますとマンションの方の価格減少率が大きい結果になりました。
マンションの場合は築年数が1年増えるにつれて床面積1㎡あたり平均的に約1.2万円減価され、戸建ての場合は床面積1㎡あたり約0.4万円が減価されることが確認できます。しかし、マンションの方が平均的な価格が高いため、スケールを合わせて確認する必要があります。築年0年の価格を100%とおき、減価率を確認しました。
マンションの場合は築年毎に約1.9%減少し、戸建て場合は1.6%減少されます。また、築50年後にはマンションは元の価格の約30%まで減少し、戸建ては元の価格より約45%まで減少することがわかる。戸建ての価格の減少率が低い理由は元の価格で地価(減価償却がない)の割合がマンションより高いためであると推測できます。
ただ、グラフを見るとわかるように減価償却される比率は築年数毎に違いがあることが確認できます。マンションの場合、築年数0年~3年と15年~25年の間急激に価格が減少することがわかります。また、マンションと戸建てともに25年以上の場合は目立つ減少はみられないことがわかります。
もし、不動産の投資を行う場合、マンションは築3年のものを買い15年になる前まで売却するか、25年以上の物件を購入するかで実際の減価償却を抑えることができると思われる。戸建ての場合はマンションよりは築年毎の減少率の変動は少ないが、築25年以上の物件を買うと、実際の減価償却が少ないと考えられます。
マンションの場合、一人暮らし用のマンションもあり、家族用のマンションもあります。その違いによって、減価率の差はあるのでしょうか。一人暮らし用を40㎡以下とし、2~3人家族用は40 ~ 80㎡、4人~家族用は80㎡以上と仮置きし、分析を行いました。
面白い結果に、小型マンションの場合は築年数~18年までは価格減少率が低く、築年数18~25年に激しく減少することが確認できます。小型のマンションに投資を行う人が多いと思いますが、その場合、築年数18~25年の物件は買った瞬間からの減価が激しくなる可能性が高いと思われます。