この日はインド最終日である。日付が変わって明日午前1時のフライトまで時間があるため、デリーの観光をすることにした。ラール・キラーが8月中旬まで閉鎖しており、訪れることができないことが残念であったが、その代わりにラージガートや国立ガンジー博物館、国立博物館を観光することにした。
メトロで国立ガンジー博物館を訪れ、じっくりと見学した。ガンジーの生い立ちから最期までを写真を見ながら詳しく知ることができ、「非暴力・不服従」をスローガンにインド独立に向けて活動したガンジーの生き様を学ぶことができた。多様な宗教や文化をもつインドにおいて、全ての人々を受け入れ、イギリスの植民地支配に対して独自の手段で対抗したガンジーの偉大さを改めて感じた。
その直後にガンジーが火葬されたラージガートを訪れた。インドでは珍しく、心の安らぐような場所だった。ここを訪れる誰もが敬意を表しているように感じた。自分も目を閉じ、静かに頭を下げた。
ラージガートを後にし、次はオートリキシャーで国立博物館へ向かった。
国立博物館は、貴重な仏像や彫刻、絵画などを見学することができた。全てをじっくり見ることはできなかったが、日本では見ることができないような展示品や、教科書で見たことのあるような展示品の数々に思わず心を奪われ、時間を忘れるほどであった。インドの多様な文化や宗教を学ぶことができた。
帰りは今回の旅で最後になるであろうカレーを食べた。辛さが控えめなベジカレーで、とても美味しかった。
宿に戻り、荷物をまとめて帰りの準備をした。その後、近くの屋台でチャイを飲みながら、無駄に騒がしいインドの通りを眺めた。ついに旅が終わるということを実感した。インドを去ることへの寂しい思いと、日本に帰る安心感で複雑な感情だった。
宿を出発する時間になり、宿の仲間たちと別れの挨拶を交わし、メトロの駅へ向かった。空港へ到着し、無事に出国の準備を済ませ、ついに帰るときがきた。飛行機の上から見えるデリーの夜景は輝いていた。数々の良い思い出や苦い思い出を回想し、すべての出会いに感謝した。悪い人もいたが、良い人の方が多かったと思う。言葉の壁はあったものの、インドの人々はとてもフレンドリーで親切だった。
今回のインドの旅で人生観が変わったかどうかはわからない。少しは自分の中の価値観や視野が広くなっただろうか。いずれにせよ、この旅を通じて異なる文化や宗教、インドの社会、人の温かさなど、たくさんのものを知り、触れることができた。初めて外国を旅したこの経験は、一生忘れられないものになるに違いない。
「また来るかもしれない」
心の中でそっとつぶやき、静かに目を閉じた。











