本州北上の旅 ~4日目~
August 14, 2010
Route:
気仙沼→釜石
気仙沼の朝。
携帯で天気予報をチェック、午後に雨のマークが並ぶ。
やや不安な四日目のスタートだ。
昨日の晩、オーダーストップ後だったのにも関わらず迎え入れてくれた「浜の家」。
東北の温かさがお店一杯に広がっていた。

昨日に引き続き今日も国道45号を北上する。
峠の上から太平洋を望む。
峠を何度となく越え、正午前に世界三大漁場の一つである三陸漁場をもつ岩手県の港町「大船渡市」に入る。
少し早いが「すごう」というお店で鮪の中落ち丼を食する。
丼の上を覆い尽くすように鮪が乗っておりボリューム満点。
店を出てから数分後、予報通り雨が降ってきた。
一気に路面の色がどす黒く変わっていく。
予想していた以上に雨足が強い。
体中水浸しになりながら峠を越えていく。
トンネルが何度となく現れる。
トラックが水しぶきを上げながら僕の横を通り抜ける。
気の抜けない走りが続く。
長いトンネルを進み、出口が見えた、、
と、横にそれた瞬間、タイヤがとられ身体が宙に投げ出された。
その瞬間を今でも鮮明に覚えている。
投げ出され目の前に壁が迫ってくる瞬間を。
すぐさま立ち上がり痛みの感じるところを摩り、手足を動かしてみる。
身体に大きな問題がないことを確認、我に返る。
落ち着きを取り戻して辺りを見渡す。
自転車が横たわり、テールランプのカバーが外れ中の電池が外に飛び出していた。
倒れた自転車を起こし再び走行するも、雨足は一層強くなり土砂降りとなる。
雨風に曝され寒さで身体が震えだす。
これ以上の走行は危険だ。
そう思い、急遽手前の「釜石市」の宿に駆け込んだ。
暖かいシャワーを浴び、暖かいお茶を飲み、極度な緊張と恐怖が一気に溶けて身体中に気力が蘇ってくる。
左肩の部分が擦り切れたサイクルウェアを見つめながら、事故の恐ろしさを振り返る。
ヘルメットも衝撃で形が歪んでいた。
危ないと思ったら無理せず諦める勇気こそが大事。
登山をやってきて学んだこと。
今日走れなかった分は明日取り戻そう。
明日の晴れを期待しつつ、早々とベッドに潜り込んだ。
本日の走行距離
78.25km







