パパがつけた
キミの名前
とっても喜んでくれて
僕はとっても嬉しいよ
読んでも書いても
ニコニコ微笑んで
僕らの想い込めた
名はキミに耀いた
お絵描きと一緒に
一杯書いてくれる
可愛い平仮名は
たどたどしいけど
初々しく
人生の第一歩
現しているね
上手く字を書きたい
キミの想いで
手は真っ黒だね.....
嗚呼、僕も小さな頃に
一生懸命
上手く名前を書きたい
一心で書き取りの練習
一杯したんだ.....
勿論さ
小さな頃は
達筆な大人に
憧れたからね.....
読み方は解らないけれど
見よう見まねで必死に
書き写して何だか
お兄さん気分に浸れたよ.....
そんな幼いある日
押し入れの隅で見つけた
古い便箋の束.....
万年筆で書かれた
母宛の父からの手紙
まるで巻物に書かれた様な
ぐにゃぐにゃで
誰も読めないような文字
中身も難しい漢字ばかりだった.....
その衝撃の日以来
謎の束に圧倒されて
片っ端から漢字覚えて
字が上手く成りたい
そう想って真剣に
書き取りノートに
ずっと夢中だった
それがいつしか
戀文だと知った
思春期の僕は.....
あの達筆な戀文に
母の心が傾いたから
僕は存在したんだ.....
こんな厳しいだけの
父に確かに戀心溢れた
若き日があったんだ
心が込もっていたから
基督者の母は
結婚を決意した
事実が.....
僕にはとっても
切な過ぎて
重過ぎたよ.....
でも.....
全ての生きる苦しみから
解き放たれた
天国の父はせめて
達筆な若き日の戀文
もう一度読み返して
若い姿に戻って
若い姿の母に
ずっと
ときめいて
文月の戀文
夢色の万年筆で
綴って欲しいな.....
「このお手紙、
可愛いね⭐」
我が子はパパを
冷やかしてるのかな..... !
僕の似顔絵の入った
ママからのラブレター
それに、僕の.....
達筆とはお世辞にも
言えない
恥ずかしい手紙.....
でもね
僕の物語のファンの
ママに一生懸命
心を込めて書いた
幻想的で浪漫溢れる
戀文は誰にも負けない
確信があったから
キミのママとパパは
直ぐに結ばれたんだよ
.....
嗚呼、古の戀人達は
ほんの数行で
愛しさ戀しさ
完璧に込めて
時空を越えて
戀心煌めかせ
命短い時代に
戀に全人生を
費やす悲壮な
決意は僕らに
教えてくれる
戀心はどんな力も
断ち切れないのさ
だから僕は.....
文月から始めた
創作に僕の想い
命懸けてママに
切なく響かせて
夜毎左手は
戀心の全て
僕の体から
昇華させて
綴り続けた
一文字
一文字
心を込めて
丁寧にね.....
ぐにゃぐにゃの文字
キミは楽しく
漢字を真似て
楽しんでいるね
嗚呼、きっと僕を
戀色文学少年にしたのは.....
あの戀文の束に
決まってんじゃん.....
キミのお祖父さんの様に
達筆に成ってね.....
必死に正直な気持ち
大好きな人に綴った
戀色文学少年の想い
きっと
父も僕も
同じだね.....
今宵蘇る
あの日の
火照り.....
戀色文月に
僕は.....
最高の我が身
綴ってみせる
(C)詩月ひかる
追記
皆様こんにちは
連日の暑さに
へとへとな
詩月ひかるです
7月は色々
ロマン溢れていて
文学少年としての
思い出が色々蘇り
僕の身も心も幾らでも
初々しくしてくれます
矢張り僕はメールより
手書きの文が大好きです
文月だからこそ
一文字一文字
丁寧に綴って
同じ部屋に暮らす
妻にもう一度
戀文を送ります
世の中が歪み
どんなに汚れても
僕らは生きて行きます
何色にも
染まらずに.....
最後までお読み下さり
とても幸せです
ありがとうございました(^ー^)
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