「 ごはん大好き!」 ~NEO~ -2ページ目

きみの未来はいつも陽ざしの中



「 ごはん大好き!」 ~NEO~


  

  きみに 出会わなかったら


  ふと 見上げる 街の景色も


  こんなふうじゃ なかったのかも しれないね



  きみと つながっている 昨日も今日も そして明日も


  心の中では 春の風が やわらかく うたっているよ


  あの日 きみに はじめて会った日の 春の風



  底なしのエネルギーと おどろくほど まっすぐな目


  それが きみのすべて


  それが すべてのきみは ただただ 清らかな たましいで



  かなわないな と つぶやいてしまう


  きみを 守っているつもりで いたのに


  きみに 守られていたんだと 気づいたよ



  きみを包む 陽ざしの匂い


  ありふれた日々の ありえないくらい幸福 の匂い


  胸いっぱい 吸い込んでみた




  雨の朝や 薄曇りの午後 光がみえない真夜中には


  目をとじて 耳をすまして 


  胸の中の おひさまの匂いに 会いにゆこう 


    


  


  

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「 ごはん大好き!」 ~NEO~



     

     いつもの散歩の とちゅうで


     ボクは たびたび 


     「トイ・プードルの 大きいほう ですか」


     と きかれる



     「いえいえ」 と こたえる ママくん



     すると


     「あー ふつうの トイ・プードルが


     おおっき~く なったのかな」


     と きかれる



     「いえいえ」 と 笑いながら こたえる ママくん



     「なんていう 犬しゅ なんですか」


     と やっと きいてくれる



     「コッカー・スパニエル って いいます」


     と ママくん



     「あー ディズニー映画 わんわん物語 に 出ていた


     アメリカン・コッカーですね」 


     と まだ ちょっと不思議そうだけど ニコニコ しながらいう


     それから


     「だけど かなり 大きくないですか」


     と また きいてくる



     この 大きい という言葉は


     ボクの時間を ピタリと 止める


     心臓に かなり わるいのだ



     ボクの 心の中のことなど 


     これっぽっちも 案じていそうにない


     ママくんが のんきな声で いう


     「あのアメリカンコッカー じゃなくて イングリッシュのほう・・」


     

     「あ、そっかー そういえば むかし 


     うちの近所で 同じわんちゃん 飼ってた


     そうそう イングリッシュ・コッカー ですよね」


     あー 納得! という表情で


     ボクの頭をナデナデして ふっきれた笑顔で去っていく



     いちばん最初に それ 気づいてくれ と思うボク



     かわいい トイ・プードルと まちがわれるのは


     大歓迎 なんだけど


     大っきい! と つくのは こまるのだ



     大きいって つまり ボクにいう場合だけど


     ほんとは ぽっちゃり って 言いたいけど


     えんりょして いるんだよね



     

     先週の日曜日 ボクは 6才になった


     「今日は とくべつ だからね」 と


     真っ赤にうれたイチゴや ふわふわのパン


     それから いい匂いのチーズ をもらえた



     そのせいか マンホールなんかを よけるとき


     キレが わるくなった 気がしている


     だけどね


     太っちゃったって ママくんたちに 気づかれるのは


     ボクにとって とんでもなく まずいことに なるんだ


     

     

     これから


     散歩道で 会う みなさま



     ボクを 見かけたら


     「最近 やせました?」 とか


     「気のせいか 小さくなった気がしますね」 とか


     言って もらえません・・・ よね






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ボクたちの小さな午後 Ⅱ  ~それぞれの青~


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 ホトホト ホトホト シューっと お湯を沸かした ママくん


 青いカップは 心の波を静かにしてくれるねーと にこにこ してる



 ボクは そんなことより ボクのおやつの方が 


 ひゃくばい 気になるけど


 ごきげんママくんが 「青の詩だよー」とか いいながら


 ノートに えんぴつで さらさら 書きおえるのを 待つことにした



 なんてたって ボクのおやつは ママくんのごきげん しだい なのだ



  

     

    『 それぞれの青 

 


     笑っているように 咲いた

              アネモネの青



     クロッカスという 名前の

              音の余韻の青



     その色に 自然に咲くことはないから という

              薔薇の きぜんとした誇りの青



     

     駄菓子屋さんで みつけた こんぺいとうの

              なつかしく 甘やかな青



     ふぅーっと ふかれて いいかげんな形をした

              きままにふわりな シャボン玉の青



     雨上がりの ブランコに むすばれたままの

              忘れられた ハンカチーフの青




     几帳面なセンセイの 小さなため息の青



     少女の声と 大人びた横顔を持った友だちの ワンピースの青



     真新しい制服に 少しとまどっている草食男子の青  



     ベンチに腰掛けている おじいさんの まぶたの中の青



        

     それぞれの青に ひとつひとつの 物語があり



     それぞれの青が みな こころの奥に住んでいる






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悲しみは あの青に溶けてゆく


「 ごはん大好き!」 ~NEO~


     

     ふと 見上げた 空の青に


     もしかしたら 手が届きそうな気がして


     力いっぱい 大地をけって ジャンプしてみた



     ボクが生まれる前から そこに あった 青


     ボクがいなくなっても そこに あるだろう 青



     何度も 何度も ジャンプしてみたけれど


     まったく かすりもしない あの青


     ボクに 近づいて 来てはくれない あの青




     だれにでも なんにでも  すべてに 


     わけへだてなく あますことなく 平等な青




     あきれるくらい すこやかな 空の青に


     ボクの小さな悲しみは あらがいようもなく 溶けてゆく







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ボクたちの小さな午後



「 ごはん大好き!」 ~NEO~


    

  ボクのママは すきなお茶の時間を とても大切にしている

  

  お気に入りの茶器や茶葉を うたうように楽しげに 準備しながら


  ホトホト ホトホト シューっと 熱いお湯を沸かす



  ボクにも すこしだけ おやつを くれる


  この お茶の時間に ママは いろんな おはなしをする


  今日は まじめに


  「コドクと荷物と だいじょうぶ」の おはなしを していた


  むずかしくて (というよりボクは いつだって ダイジョーブだから) 


  ほとんど わからなかったけど フセして聞いた




  ボクたちは ほんの ちっぽけな生きものだけど


  ほんの ちっぽけなわりには


  大きな 現実の荷物を だれでも 背負っているんだって



  日々の荷物を 楽しめるように なるために


  すきな時間を 持つのが いいって ママはいう


  すきな1行を 読むだけの 短い時間でもいいから って

  


  コドクとは 上手につきあっていくしかない・・ね


  温かくて 心地よい コドクだったり


  ときには 心が止まりそうな ひんやりしたコドクだったり


  

  どちらにしても


  生きているあいだ 生きているものたちは


  コドクとか 現実の荷物と 上手につきあっていくのが いいよね

  


  元気いっぱいに見える 林檎や蜜柑も


  林檎色や 蜜柑色の コドクを どこかに かかえているのよ


  熱い紅茶を ふうふう しながら そんなことを話すママ 


  

  だとすると リンゴやみかんを 食べるボクやママは


  リンゴやみかんの コドクも 食べているんだね


  梨や桃の 悩みも 食べているんだね




  だからね


  だいじょうぶ だいじょうぶ きっと うまく いくから


  そう 思えるための時間は なにより 大切なものなの


  だいじょうぶ だいじょうぶ かならず うまく いくから


  そう 思うことができたら たいていのことは うまくいくから







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