体がふらついたりめまいがする、なんとなく疲れやすいと感じることが多い...それはひょっとすると、低血圧の症状かもしれませんね。


低血圧は男性よりは20~30代の女性に多い症状で、患者数は1,600万人程度、およそ100人に2~7人程度の割合とされます。

体型的には「痩せ型で、なで肩・筋肉質」の人に低血圧が多いといわれます。

低血圧においては、高血圧のように国際的に決められた数値基準のようなものはありませんが、一般に最大血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下の場合が「低血圧」とされています。通常、最低血圧(拡張期血圧)は考慮にいれません。

そもそも「血圧」とは、血液が流れるときに血管を内側から押す圧力のことを指しますが、血管が拡がったり血のめぐりが悪くなることで血圧が下がってしまう状態が、この「低血圧」になります。


低血圧の一般的症状として、めまいやふらつき・耳鳴り・食欲不振・倦怠感・手足の冷えやむくみなどがあげられます。


しかし低血圧だからといって、これらの症状がいつもセットで現れる…というわけではありません。


単に血圧が低いだけで不快な症状を伴っていない場合は、低血圧症とは呼ばれませんし、それに対する特段の治療も成されることはありません(ちなみにめまいや立ちくらみは、単なる「貧血」で起きることも多いです。血液内のヘモグロビンの不足によって起きる「貧血」は「低血圧」とはまったく別のものですので、注意しましょう)。


低血圧の人は一般に長寿の傾向があるといわれるくらいで、高血圧の場合に比べ深刻さの度合いもぐっと低くなることもあってか、体質だから…とあまり気にとめず、日常生活を過ごされる方も多いようです。



低血圧の種類ですが、そのほとんどが「本態性(ほんたいせい)低血圧」と呼ばれる、特にはっきりとした原因が見当たらないいわば「体質としての低血圧」です。

血圧は遺伝による影響が強いことから、親が低血圧の人は低血圧になる可能性が高くなる、といわれます。


「本態性低血圧」の場合は、無理に血圧を高くするための治療や投薬などは、よほど重症の場合を除いて通常は行われません。

疲れやめまいなどの低血圧の症状を減らす方向で、「生活習慣の改善」と「体力づくり」に関わる指導が成されていくことになります。



具体的には自律神経を整え血管の拡張・収縮がスムーズに行われるようにするため、昼夜の生活リズムを規則正しくするよう努めます。

日中は外出して適度に日光を浴び、夜更かしなどを避けるのがよいとされます。


また、生活において強い精神的ストレスを受け続けることは低血圧の症状を増長・悪化させることから、これも避けたいところです。

タバコ・コーヒーなどの嗜好品も量を控えるようにし、血圧を下げやすくする「アルコール(飲酒)のとり過ぎ」や「食べすぎ」も、なるべく避けるようにします。