そもそも何故1ヲタクがライブ運営をすることになったのか。

当時の私は、必死に現場通いをしていた推しメンの卒業と同時に良いヲタ卒をさせていただきました。もう一生懸命にチェキとかとることもないだろうと思っていたや矢先に過去の推しメンがフリーで復活しました。
思い出のつまった四谷LIMに出演者一人に昔の客4人。誰が見ても成立してませんよね。
経費はどうなっているのか、もしかして一人で負担しているのか?
ならば共演者を探しにいこう、せめて自分で負担しなくていいようにしてあげよう、LIMに活気をとりもどそう。
そこにあったのは「漢がすたる」という思いでした。
こうして先ずは私で会場を貸してもらいに行き、当時の通り名から「TJ兄貴漢祭り」が始まりました。
タイトルがあまりにも独りよがりなので、やがて昔から使ってる晴家というHNから晴家一門会を名乗ることにしました。
どちらもネーミングセンスが糞ですが。

最初は私みたいな客5~6人の界隈が数組あればイベント成立するだろうと思っておりましたが、やっていくともう一方の気持ち、ライブハウスの現状も見えてきます。
バンドだけではスケジュールが埋まることもなく、アイドルにも解放する、やがて他所のライブハウスでもはじめてまたライブハウスの収入が減るわけです。
出演者探しは常に行わなければならず、一人では限界がすぐに来ました。
多少は赤字がでても自分で埋めればいいと思っていても、それは健全な運営とは言えません。
2千円なり3千円なりを集めていかなければいけないなかで、しかし人間というのは身勝手なもので、かつてのヲタ仲間たちには金儲けに見えたのでしょう。協力者は増えるどころか減る一方でした。
あるいは自分の推しを連れてきても、それがノルマ割れしていても経費を分担してくれることもありません。
私はただ働きでよくても、会場使用料は無料ではなく、スタッフの人件費があり電気代があり、家賃があり。
健全な運営には課題が山積みでした。

演者側にも集客5人も満たない人には理由があるもので、5人越える方とは志しも段違いに低く難儀しました。5人越えない人の吹き溜りになってしまい5人越える方にお願いして来ていただいても定着してもらえない現状を打破しなくてはいけなくなりました。

私自身もイベント作りを一から学ばなければいけないと思いました。
こうして色々なイベントにお願いして無報酬でスタッフやらせてもらうようになりました。少しでも自分のイベントを良くするために、休日に朝から手弁当で出かけていちました。
こうした経緯も人にはわかってもらえず半ヲタと罵られることもありました。
何より一門会スタッフを名乗る方に「楽しめないから」という理由で一緒に行ってもらえないことで気持ちが折れました。
私のなかのルールでは主催しているときでさえ裏ではメンバーとは話しない、それが目的でやってるわけではないとアピールしなければ追い出されると思わなければいけないと思ってます。楽しいイベント作るためにはかかなきゃいけない汗もあるというのは他人には全く理解されないものなのです。

さて私事はここまでにしてイベント制作のなかで気づいた限界についてお話します。

アイドル供給過多の時代、集客5人が平均です。それを集めて経費を埋めようとしたら20組呼ばなくてはいなくなり、どうしたって各組の持ち時間が減ります。お客さんの目線でたてば2千円なり3千円なりを払って10分~15分は寂しいものです。
私自身は超単推しで気に入った現場に行き倒すタイプでしたので、自分でイベント作るときには20分~でお願いしております。
さらにオリジナル曲多い方には30分でお願いしております。どうしたって組数が制限され全体の集客にも限界があります。週に3回ライブがあるとして今週どこでそのユニットを見るか、となったときに30分見られるならと思っていただければ続けていけるとは思いますが、それはやはり私の独り善がりなのではないかという疑問が沸いてきてしまいます。
また、パフォーマンスが良いところをお誘いして少しでもチケットバックを出したくても、チケット収入に重きをおかず低価格でも物販にならんでもらえれば良い、という方も多いです。
パフォーマンスの良いユニットを集めたくても私一人では見て回るのも限界があります。結果、出てさえくれれば良くなって来ます。本数も増やせません。
これは本来私がやりたいことではなく、わざわざ仕事の合間にやらなければならないことでもありません。

軽い気持ちで臨むばかりでは相手にとっても失礼です。

かといって、継続してきたのには、頼まれたことに対して何とかしますと全力で答えようとしてきたことですが、その割りにはあっさりと3ヵ月~1年で活動休止になる方ばかりなのも事実です。

自分達にとって楽しいイベントとはなにかを追及してきた結果、私のやり方と今の時代が合ってないんだと思いました。

一個人が出来ることが今は思いつきませんので、閉会とさせていただきます。
ご来場くださったお客様、ならびに出演してくださった演者様、関わって頂いた全ての方々に感謝もうしあげます。

ありがとうございました。

アイドルを支えると口にするのは簡単で、何をもって支えるとするかは人それぞれです。正解なんてありません。売れる方程式もありません。
自分で納得いけばそれで良いのだと思います。
先日、元アイドルさんのお母様とお話する機会があり閉会の意思を話しました。
「アイドルが3年も活動しないなかで良くやった」と言われました。

スッキリしました。

晴家龍太楼