こんばんは~
今日はやっと無料チャージが回復したんで「スタシカ」で~す
なんか、1年ぐらいの予定なのかと思ってたけど、全然終わりそうにない…
第46話
46. 職人
スターワンがみんなに忘れられていくなんて耐えられない。早く元の世界に戻らないと…
ソルは今までの経験から、男の願いを叶えてあげる必要があるはずだと思った。
男は背中から真っ白な翼を広げると、高い木から飛び降りた。
「私の事は”職人”と呼んでくれ。君たちを呼ぶためにアーティファクトで祭壇を作ったんだ。君たちが現れて消えたけどね。よかった…迷宮を閉める人手が必要だったんだ。改めて歓迎するよ。ようこそ、”職人の国”へ」
メンバーたちは、今までの経験で、今回はどんな別れが待っているのかと思うと悲しくなった。
「俺たちは何をすればいいですか?それから、あなたは何を対価としてくれるんですか?」
ソルが尋ねると職人は目を丸くした。
アビスがぎこちなく笑って言った。
「これまで色んな経験してきてて。でも、今回はサイコロも振ってないのにこの世界に移動するなんで、アーティファクトってすごいですね」
「召喚能力も必要だったんだ。私は召喚士でもあってね。今はほぼ消滅してしまった力だから、アーティファクトで補う必要かあったけど…」
アビスは召喚能力の喪失が何を意味するのか不安になった。
タワキに会えなくなるなんて考えられない。
職人はそっとタワキを撫でた。
「自分以外の召喚士を見たのは初めてだよ。特に鳥の子は。召喚の力が消滅するなんて思ってなかった。価値のある事に使ってきたし、後悔はないけどね…」
男が手をかざすと、どこからか3つの箱が飛んできた。
そして指を弾くと、最初の真っ白の箱が開き、中には小さな種が入っていた。
「魔法の花の種だから、なかなか発芽させられない。大地の子の力が必要なんだが見つからなくてね」
ビケンはすぐに手を上げた。
「俺、大地の子です。任せてください!」
「すごいな。鳥の子に大地の子まで…じゃあ、この種を発芽させて、私の望むところに植えてくれないか?」
ビケンは種を受け取ると、さっそく土に埋めた。
しかし、なかなか上手くいかない。
「俺の技術が足りないのか、力不足なのか…」
その時、ビケンの頭に1つの方法が浮かんだ。
憑依魔法…
憑依すれば、どちらも補えるはずだが、できるだけその力は使いたくなかった。
憑依すると自分が失われていくような気がする…
ビケンは限界まで魔力を引きあげ、種に向かって魔力を噴き出した。
すると、芽がいくつか飛び出してきた。
「こ、これ見て!成功した!」
「本当にあれを発芽させるなんて。魔法が発現して間もないみたいなのに、たいしたものだよ」
職人の言葉を聞いたビケンは、明るい表情で胸を張って言った。
「そうでしょう?アビス、俺はやった!職人さんにどんな対価を貰えるか聞いてみて!」
「ハハ、そうか。私からのプレゼントは…力になればいいんだが」
職人が手をかざすと、精巧な彫刻がほどこされた石箱が地面から飛び出した。
「あれ?」
それはアビスが白い雪原で組み立てた物とよく似ていた。
箱が開くと、中には花冠のような物が入っていたが、花は咲いておらず、枯れ枝のようだった。
「この花冠は召喚能力に役立つ。次元間を繋いでくれる、古代のアーティファクトだよ」
「花冠?花が咲いてないのに…?」
アビスが花冠に触れようとすると、男はアビスの手首を掴んでそれを制した。
”アーティファクト”って何ぞや
今回もまたこの”職人”が犠牲になって、世界を救う事になるんでしょうねぇ…