こんばんは~
今日は「スタシカ」の日
まぁ、うちのブログは1週間遅れてますけどね…
第43話
43. リハーサルと影
内在する種族を目覚めさせる憑依魔法の訓練を繰り返し、ついに先生の宝石無しでも力を引き出すことに成功したスターワン。
気付けば、ロンドン公演のリハーサルの日を迎えていた。
ソルは頬をつねると、柔らかい頬が伸び、元に戻った。
「ソルさん、現実だよ」
タホがクスッと笑った。
チケットも完売し、ファンのみんなの期待にプレッシャーも大きいが、スターワンはよりよいステージを見せたいという思いの方が強かった。
スタッフから合図があり、スターワンは練習したフォーメーションを組むと、すべての照明が消え、一筋のスポットライトが当てられた。
タホの幻想魔法で、空から1冊の本が降りてくる。
巨大な本が開くと、銀河が現れ、無数の小さな星が客席に広がっていった。
メンバーたちは、コンサート当日に歓声で満たされるであろう客席を見ながら微笑んだ。
リハーサルが終わり、照明がつくと、客席を見ていたソルは違和感を感じた。
会場の所々に見える黒い影が、うねりながら近づいてくる。
「みんな、裏から逃げてください!」
スタッフたちを避難させると、ソルは火矢を作り出すと影に放った。
しかし一瞬散らばるものの、すぐに元に戻る影。
「ああっ!」
影はビケンの足に絡みついた。
その姿がユジンの力を湧き起こし、頭に角を生やさせた。
そして、ビケンの足元に向かって拳を振りかざすと、影だけが消えていった。
この衝撃波で何とかメンバーは黒い影から開放されたが、すでに広範囲に広がっている影を消滅できない。
ユジンはいつの間にか錯乱したように床を殴りつけて影を追い払い、顔を上げると照明を壊す為、飛び上がる体勢になった。
「ユジンさん、しっかりして!ここはコンサート会場だよ!」
ソルの声も届かない。
その瞬間、眩しいコンサート会場が突然暗転すると、影も瞬く間に消えていった。
「何事だ?」
DKマネージャーの聞き慣れた声。
「みんなが慌てて避難してたから火事でも起きたのかと思って、ブレーカーを落としたんだが?お前らどこにいるんだ?」
「こっちです」
アビスが手を叩きながら答えた。
膝に手をついたまま、息を切らしているユジン。
「ユジンさん、俺の声聞こえる?」
ソルが声をかけ、DKマネージャーも心配そうに見つめた。
「具合でも悪いのか?」
「最近、ユジンさん、魔法を使うと攻撃的になって…上手くコントロールできないみたいで」
「大丈夫なのか?お前らみんなそうなのか?」
ソルはメンバーを見渡した。
今のところユジンだけが過剰な副作用を見せているが、他のメンバーが理性を失わない確証はなかった。
お~~
スターワンはついにロンドン公演です
やっとここまできたのに、またまた邪魔が入ってきたし~
そして、ユジンがどんどん攻撃的になってきてるから心配……