こんばんは~
今日は通常運転で1週遅れの「スタシカ」をば
最近、新しいフォロワーさんが増えてるので、一応説明しときますと、「スタシカ」はLINEマンガで読める「星を追う少年たち(THE STAR SEEKERS)」を勝手に私が略して「スタシカ」と言ってます
まぁ、MOAちゃんにそれほど需要があるとは思えないけど、最初にあらすじ書いてから、もう35話…
ここまできたら、私だけでも最後まで読んでやります
第35話
35. 僕たちの世界の本
「あの人たちが味方なのかどうか、もうすぐ分かると思う。何かが起こる気がするんだ」
ソルの言葉には妙な説得力があった。
「エルフの予知は信じたほうがいい」
メンバーは賢者の言葉で、ソルの種族の特性が関連している事実に驚いた。
「さて、そろそろ元いた場所に戻る時間だ」
そう言う賢者が、大切そうに抱いている本を眺めていたタホが質問した。
「そういえば、本の結末って、どうやって変えるんですか?」
賢者はしばらく悩んだあと指を弾くと、空中に長い羽根ペンが現れた。
宝石などの装飾が一切ないペン。
「これは、私の友人が多くのものを犠牲にして作ったペンなんだ。私はこのペンで、変えたい未来を1文字1文字書いていかなければならない…さて、そろそろ本当にお別れの時間だな」
タホはこのまま別れるのが惜しかったが、なんとか頷いた。
賢者はそんなタホの気持ちに気づいているかのように、言葉を続けた。
「星のような少年たちよ。私も君たちに会えて嬉しかった」
その時ビケンが近づくと、小さな巾着を渡した。
「体調が悪い時に飲んでください。メンバーの疲労回復用に作った薬なんです」
「ありがとう。その気持ちだけでも、体が軽くなったようだ」
賢者か微笑む姿を見つめていたタホが、慎重に尋ねた。
「本の結末を変えたら、賢者さんが恋しがってる人たちとまた会えるんですか?」
賢者は質問に答えない。
この人にもまた、孤独が待ち受けているのだ。
「それは無理だろうね。だが、それは覚悟の上だよ」
世の中を救うために、自分を犠牲に出来る人。
自分には出来ないと思うタホは、ますます尊敬する気持ちが大きくなった。
賢者はスターワンを元の世界に戻す為、最後の力を振り絞るように両手を大きく振った。
地面に幾何学模様が現れると、模様からは光が放たれた。
「君たちの未来に、知恵の指標が共にある事を祈るよ」
模様のある地面が徐々に消えていき、黒い空洞のような穴ができた。
賢者と巨大な図書館が、目の前からゆっくりと遠ざかる。
その時、タホの視線の先に少し変わったものが見えた。
徐々に遠ざかる本棚に、とりわけ目を引く本があり、タホは本能的に悟った。
(僕たちの世界の本だ)
真っ白な表紙は半分黒く染まり、何かの模様が揺れていた。
(さっきの心眼を使わないと)
ピリピリし始め熱くなった目で見ると、黒い模様が動き出し、生き物のように姿を変えた。
翼を生やした、角のある何か。
竜の一族の旗に描かれている、黒い竜だ。
本より大きく翼を広げる竜にタホは衝動的に手を伸ばし、動きを止めたくなった。
その時、竜の上下に動いた目がタホを捉えた。
(バレた!)
一瞬にして、心眼が壊れ、数十本の針に刺されたような痛みを感じた。
本棚も本も見えなくなり、ドラゴンピークに向かう道が通り過ぎていった。
そして、まもなくして光が差し、鳥の鳴き声が聞こえ始めた。
結局、この賢者さんも世界を変える為に、自ら犠牲になるわけで…
「何かを得る為には、それと同等の代価が必要」って…”ハガレン”か~い
次回は賢者さんの結末が描かれるのかな