こんばんは〜キラキラ


世の中はお盆休みが終わる頃かしらんはてなマーク

私は18日からなので、あと2日頑張りますグッ


今日は「スタシカ」で~すチョキ

また別の世界に連れてこられたスターワン。

今度はもう1人のタホがいる世界みたいで…


第31話

31.消える本


四方が本に囲まれ、上を見上げても本棚の終わりは見えない。

数え切れない本は、色も大きさも違っており、背表紙のタイトルは全く違う世界のような、見た事も無い字で書かれていた。

ドサッ

ドサッ

断続的に聞こえる音にタホとソルは周りを見渡した。

するとタホの目の前にある本が本棚から飛び出し、床に落ちると消えてしまった。

そしてしばらくすると、本があった隙間には新しい本が。

「これらの本はすべて、星の歴史なんだ」

メンバーたちは同時に振り返って声の主を見た。

鼻先まですっぽりと、みすぼらしい灰色のフードをかぶり、背骨も曲がった男。

しかし、フードに隠れたその顔は聡明さに溢れていた。

「ここにある本は、書いてくれる存在がいなくなれば消滅する。つまり星が滅びたということ」

フードを脱いだ男は、目を覆うほどの前髪が伸びきっており、目を瞑ったままだった。

「会えて嬉しいよ。私が君たちを呼んだんだ」

(タホだ)

ソルは真剣ながらも茶目っ気の溢れる印象で分かった。

(ここはタホの世界だ)



「実は頼みがあって、誰かに来て欲しいと切実に願ったんだ。魔法はなんでも叶えてくれるからね。代償を払う必要があるが」

「あなたはどんな代償を払ったんですか?」

タホが尋ねるのに男は答えようとしたが、声は聞こえなかった。

「何かに阻まれているのか…君が媒体を持っているね。見せてもらえないか?」

男はソルがサイコロを握っている手を掴んだ。

しかし、ソルは手を緩めない。

「ずいぶん警戒してるね。まぁいい、見なくても感じるよ。偉大な魔法使いの気配を。君たちに全てを捧げた誰かの代償そのものだ」

男は目を閉じたまま、大きく息を吸い込んだ。

「別世界というのは、そう簡単に行ける場所ではない。おそらく次からはこんなやり方では無理だろう」

そう言うと男は咳き込み、ふらついて本棚にもたれかかった。


一度も目を開けず、足も不自由な男。

「大丈夫ですか?水でも…」

男は手を振ってソルを止めた。

「大丈夫。願いを叶えるには仕方なかったんだ」

男はそう言って少し笑った。

「人は言う。ここに来れば神になれると」

「じゃあ、あなたは神になりたいんですか?それと、ここは宇宙なんですか?」

タホが聞き返した。

「ここはユグドラシル図書館という。この世にある全ての星の歴史が刻まれ、消えゆく場所。誕生と滅亡の源だ」

男は片足も視力も失った状態でここに来ることになった時の事を思い返した。

正確にはまだそこにいる自分の事を…


誰もたどり着けない、広大な海に浮かぶ小さな島には、島全体を覆うほどの巨大な木が佇んでいた。

木の幹の真ん中には、古い布で目隠しされた男が縛られてぶら下がっていた。

「ユグドラシルよ。私たちの星を救う唯一の魔法書…それを見つけさせて下さい。無限の図書館、どうかそこに行かせて下さい」

男は休む事無く祈った。

「私の目も足も捧げます。本を広げる為の両手だけ残してくだされば」

木の蔓はゆっくりと男を飲み込んだ。

両腕と片足、息ができる程度に鼻と口だけが外に残されたまま。


スターワンのメンバーは、突然物思いにふけって、息を切らし始めた男を心配そうに見つめた。

その視線を感じて男は息を整え話し始めた。

「今、私が足を引きづり、目が見えないのは、ここに来るための代償だった」

「じゃあ、やっぱり神になるのが目的?」

タホが再び尋ねると、男はタホに聞き返した。

「君はどう思う?よく考えてごらん。賢者の質問からは悟りを得るものだ」

「その前に、質問することへの代償はありますか?」

タホの質問に初めて男は目を開いた。

焦点の合わない灰色の目だが、タホの顔をじっと見つめてから、大声で笑いだした。

「君は賢いな。よし、私を楽しませてくれたことだし、ある程度は教えてやろう」

男が手を伸ばすと、本だけの空間が一瞬にして星の光に包まれた。

「私はこの世の法則を探求する者。この世界では賢者と呼ばれている」



お~、やっぱり「真名」に関わってきましたね~キラキラキラキラ

てことは、後の3人も別の世界に行くことになるのかしらんはてなマーク

ますます、着地点が見えない笑笑