こんばんは~キラキラ


周りにコロナが近づいできてる感じなので、免疫を落とさない為に夜更かししないようにしてまして、なかなかブログが書けない~あせる


なので、今日は1週間遅くなりましたが、「スタシカ」で~すOK


第29話

29. 恋しさ


「あ、これは私がミスをしたので、罰を受けただけです。気にしないでください!」

ソルはジュディのような子供に手荒な真似をする竜の一族を、やはり信じきる事ができないと思った。

「ジュディ、これを塗ってみて。俺が作った特製の薬」

ビケンはジュディの手に薬を塗ってあげると、軟膏の入った箱ごとジュディに手渡した。

スターワンのメンバーは、他人の好意に慣れていないジュディが涙を溜めてビケンを見上げる姿をなんとも言えない気持ちで見ていた。

「ところで、皆さんは今から何をするんですか?」

「間近に迫ってるコンサートの準備をしようと思って。初の海外公演なんだ」

海外での大規模な初コンサートは、スターワンを世界に広める絶好の機会だ。

メンバーたちは、宿舎の一番広い部屋に移動し、フォーメーションを組み始めた。



翌日の魔法の修練。

「無能ならば、せめて真面目にやってみればどうだ」

片眼鏡の先生はビケン1人にそんな態度を取るのだが、ビケンが雪原の男に貰った杖の事は意識しているようだった。

「では、この薬草を大きくしてください」

「は、はい!」

ビケンが杖を振ろうとするも、突然何トンもの重さに感じられ、思わず倒れ込んだ。

「どこで拾ってきたのか知りませんが、さっさと、捨ててください!」

「そ、そんな事言わないでくたさい!こいつ、全部聞いてるんです!」

杖は自分が悪く言われてるのが分かるのか、細かく震えていた。

「つまらない寸劇は止めて、魔法の練習しましょうよ」

すると、いきなり片眼鏡の色が突然変わり始めた。

タホのイタズラだった。


「なんか俺にだけ、やけにキツくない?やっぱり才能ないのかなぁ…」

ビケンがそんな事を言うのを、ソルは否定した。

「何言ってるんだよ。ビケンはよくやってるよ。ポーションだって作れたじゃん」

昨夜、ビケンはガラス瓶をポケットに入れたままコンサートの練習をしていると、突然虹色の光が放たれ、謎の液体が瓶の中に少ずつ現れた。

試しにソルが怪我をした時に塗ってみると、みるみるうちに傷口が治った。

「声が枯れるほど歌ったのに、ほんの十滴溜まっただけ…この杖もそうだし、あの兄貴、一体どういうつもりなんだよ!」

そう言いながらも、ビケンは雪原の男の事を思うと胸が苦しくなった。

「変に聞こえるかもしれないけど、兄貴とは何か繋がってる気がするんだ…」

ソルはビケンの顔に異世界のビケンの淡い笑顔が重なった。


明日はドラゴンピークを出て、海外ツアーの告知プロモーションの撮影を行う予定だ。

「久しぶりの仕事、楽しみだな」

ソルが言うと、タホも頷きながら続けた。

「今は”魔法”を習ってるだけで、僕たちにとっては”アイドル”が先だもんね」

派手な魔法だけを使い、アイオンをガッカリさせたくなかった。

「頑張ろう!」

「うん!」

ソルとタホがハイタッチを交わすと、ビケンも拳を握って叫んだ。

「頑張るぞ!」

その時、ふと何かを察したように、ビケンが杖を見つめた。

「もしかしてお前、兄貴が恋しいのか?」

すると杖から小さな振動が感じられた。

未熟な自分をからかっているのかと思っていたが、突然主人と引き離された事が原因だったようだ。

でも、きっともう二度と兄貴には会えない…何故かそう思った。

「協力してくれないか。兄貴には叶わないけど、頑張るからさ」

ビケンは試すように杖を振った。

すると、突然薬草から眩しい光が放たれ、瞬く間に葉が育ち、紅色の花まで咲き始めた。

ビケンは華やかなスタートを切ったようだった。



スターワンもついに海外公演ですって爆笑飛び出すハート

いや、待って、彼らには地球を守る使命があったような…

なんだか、悠長な話だこと真顔真顔真顔