こんばんは~
今日はもうほんま、あかん暑さ
7月入ったばかりなのに、半分溶けてます…
今日はソウルコンですね~
仕事帰りに飲み物とかお菓子とか買ってかえろ~
楽しみ~~~
昨日の「10アイテム」の続きを書くつもりが、「スタシカ」の更新してなかった~
なので、今日は「スタシカ」です
25 . 箱
空中から落ちてきた箱。
「これは私の友人が作ったものだ。壊れる事もない。我々の生命力をかき集めて作った。まだあるが見たいか?」
男がもう一度手を振ると、数十個もの箱が落ちてきた。
「黒い虚無を封印したあと、この星にいつか転機が訪れた時、甦らせる事が出来るよう、ありとあらゆる物を箱の中に入れておく必要があった」
男は箱を1つ手に取りながら言った。
「終末を防ぐために、みなが対価を受け入れたんだ」
「どんな対価を払ったんですか?」
タホが尋ねた。
「才能、記憶、知恵に魂。最後の黒い虚無を封印した時、私の友人はすべてを賭けた…」
男は箱に口づけし、しばらくの間、静寂に包まれた。
「すまない、重すぎたな。君たちには馴染みのない話だったろう」
馴染みのない話なんかじゃない…
ソルは竜の一族の話の中に出てきた「滅亡、必然、運命」という言葉を思い出していた。
「いえ、もっと聞かせてください。あなたたちの話を」
再び始まる長い話の前に、休憩を取るとこになった。
ビケンがひょうたんクマに髪の毛で遊ばれていると、いつの間にか男がそばに立っていた。
「なんで起きてるんだ?疲れてるだろ?」
「実は話の続きが気になって…兄貴が滅亡について話してくれたじゃないですか。それって俺達も考えるべき問題なんですよね」
ビケンは恐る恐る尋ねた。
「怖くなかったんですか?次々想像も出来なかった事がおきて」
「怖かったさ。我々は英雄でもない、平凡な人間であり、普通の友人たちだった」
男はビケンを見つめながら、小声で囁いた。
「難しく辛くても道はある。君は1人じゃないんだから」
しばらく黙っていたビケンが、慎重に口を開いた。
「誰にも言ってないんですけど…俺の魔法ってちょっと弱い気がするんです」
ビケンは俯きながら呟いた。
「俺の魔法は戦闘では全く役に立たないし、薬草で軟膏作るぐらいで…肝心な時に力になれないんです」
ビケンは顔を上げて男の腕を掴み、その瞳には真っ暗な切迫感が漂っていた。
男は微笑みがら、ビケンの魔法の基礎をより早く引き上げる力を与えようとしたが、因果律に阻まれ無理だった。
「こうなったら、努力しかないな。さっきも言ったが、大切な人達と一緒なら強くなれる」
ビケンは長いため息をつきながら、夜空を見上げた。
しかし、心の内を吐き出したからか、不思議と元気が出た。
「相談に乗ってくれてありがとうございます。俺もそろそろ寝ます。おやすみなさい!」
ビケンはそう言うと、小屋に向かった。
ビケンが遠ざかると、男は静かに後ろを振り返った。
「もう出てきていいぞ」
大きな木の後ろから、ヴォルパーティンガーを抱いたソルが現れた。
「なんで分かったんですか?」
「木の陰からこの子の耳が見えていた」
ソルはヴォルパーティンガーを地面に下ろすと、道に迷わないように、小さな火種を作ってあげた。
「ありがとうございます。ビケンの話を聞いてくれて」
「力になってやりたかったが、因果律に邪魔されてな。私たちの出会いはこの世の法則に反しているようだ」
「この世の法則?」
「私たちを引き合わせた誰かは、今頃ひどい苦痛を味わってるだろうな。おそらくかなりの魔法使いだ。私もまさか違う世界の自分に出会うとは思いもしなかった」
ソルはぎこちなく笑った。
男とビケンが似ていると、初めて会った時から感じていたからだ。
「君は最初から感じていたんだろう?でも、彼らには言えなかった」
「はい。俺は自分が何かを感じても言えない事が多いんです。勇気がないのか、まさかそういう法則でもあるのか…」
「あぁ、まだ時期じゃないんだろう。今は詳しく言えないが、これだけははっきりしている。君たちが”選択”する時は必ずやってくる」
男はしばらく息を整えてから言った。
「あの子が私ならば、いつだって宿命は訪れるはずだから」
ビケンとこの男は、別の世界で生きている同じ人間って事ですよね
なんか、いつの間にか「異世界ファンタジー」になってる