こんばんは~キラキラ


今日は「スタシカ」ノベル第20話で~すOK


20 . ファミリア


チョコレートのカカオで、灰になってしまったサイコロ。

ジュディは体を震わせて、大粒の涙を流し始めた。

「一族の宝が!また怒られる!罰なんて嫌だ~」

「ぼ、僕たちのせいで壊れたって言うから」

アビスはジュディの背中を撫でながら言った。

何か厳しい罰があるようだ。

メンバーたちもそれぞれジュディに声をかけ、自分たちが責任を取るからと安心させると、タホが優しく聞いた。

「ジュディ、他にサイコロはないの?」

「ありません。あれがないとどこにも行けないのに…」

「ソル、お前のサイコロがあるじゃん」

ユジンの言葉に、ソルがポケットからサイコロを出すとジュディに渡した。

「これ、魔力があります。上手く行けば移動魔法も可能かと!」


服を着替えたスターワンの5人は、ジュディが移動魔法をかけたサイコロを手に、居間の中央で輪になった。

「今から複数人で移動する方法をお教えします。誰がサイコロを振りますか?」

すかさずソルが1歩前に出た。

「じゃあ、他の皆さんはソルさんの腕を掴んでください。後はソルさんが宙にサイコロを投げて、キャッチするだけです。戻る時も同じです」

ソルは頷き、ミント色のサイコロをそっと宙に投げてキャッチした。


何も起きないと思った瞬間、瞬く間に周囲が暗転し、激しい風が吹き付けた。

猛スピードで移動し、どのぐらい時がたったのか、視界が明るくなり、嘘のように風が止まった。

コロッセオに似た競技場に降り立った5人。

その時、競技場の入口から灰色のマントを羽織った男が近づいてきた。

「初めまして。私はみなさんに魔法の基礎をお教えする者です」

青白い肌に片眼鏡の男が空中に手を伸ばすと、木製の椅子がいくつか空から舞い降りてきた。


「今日は最初の授業なので、魔法とはなんなのかをお教えします。まず、魔法は誓約によって発現します。もう1つは譲り受ける方法があります。魔法は譲渡が可能なのです。でも今は誰もその方法を知りませんが…そういえは、この中に召喚士がいるそうですね?」

「はい、僕です」

アビスが手を挙げた。

「では、隣にいる少年たちのイメージに合う召喚獣をそれぞれ呼び出してみてください」

アビスが集中すると、白い光がいくつも飛び始め1箇所に集まり、勢いよく散らばった。

そうして光が消えると、召喚獣が姿を現した。



それぞれの膝までしかない小さな召喚獣は、メンバーたちを見つめていた。

「誰がどれなのか教えてよ!」

タホが尋ねたが、召喚獣はそれぞれの主人に気がついたようだ。

白い体に緑の頭の鳥は、アビスの胸元に飛び込んでいった。

ビケンはひょうたんのような丸っこいクマを自分の肩に乗せた。

「召喚獣はなかなか心を開かない生き物ですが、信頼関係を築けば、誰よりも頼もしい戦闘パートナーです」

片眼鏡の男の話を聞いていたソルは、足元で自分を見上げるうさぎに気づいた。


つづく


ついに召喚獣たちが出てきました~照れ

あの「スタシカ」のイメージフィルムって、魔法の訓練所なんですねチョキ

世界を救う為に、これからどんな訓練するんでしょ流れ星流れ星流れ星