こんばんは~
土曜日は歌番組がなかったので、「スタシカ」のあらすじ書きま~す
18. 世界を救うために
挨拶を終えた老人は、重々しくスターワンに語り始めた。
「星を追う少年たちが死んでしまっては、竜神の復活はありえません。世界の終末の日までどうか生きていてください」
ただ、死にさえしなければいいという事だが、スターワンにはアイドルとしての活動がある。
しかし、今ひとつアイドルの事を理解していない竜の一族の人達。
「ドラゴンピークは魔道を極める場所であり、竜神の道に従う。それだけが我々の生きる意味なのだ」
銀髪の男が語った事は、スターワンの生きる世界と大きな隔たりがあるようだった。
「とにかく、俺たちにはスターワンの活動があるので、じっとしてはいられません。それより、世界を救うために俺たちは何をすればいいんですか?竜の一族さん」
とソル。
ロードと名乗った銀髪の男は、手を揺らすと空中にスターワンを襲った男たちを浮かび上がらせた。
「奴らの名前は滅竜道家といい、目的は世界の滅亡。ゆえに、救世主であるあなた方を排除しようとしているのです」
ソルはあの襲撃の時に聞いた、殺意に満ちた彼らの会話を思い出し、学ばなきゃ、強くならなきゃと強く思った。
「君たちを滅竜道家に渡すわけにはいかない。奴らに抵抗できるよう強くなってくれ。我々が持つすべてを伝授してやろう」
ソルはメンバー1人1人と目を合わせ、みんなの同意を確認した。
「よろしくお願いします」
竜の一族が姿を消すと、昼間のサービスエリアに戻っていた。
その後、夜遅くまで仕事をこなすと、ソルは深夜にDKマネージャーと事務所へ行き、今後の計画について話し合った。
「みんなの安全の為に、もっと魔法を磨きたい」
ソルは3時間に及ぶ説得で、事務所とスケジュールの調整をし、寮に戻ってきた。
ドラゴンピークに行く時間と場所は聞いたというユジンに、そもそも自分たちだけで行けるのかタホが尋ねていると、DKマネージャーが口を開いた。
「心配するな。道なら俺が知ってる」
「なんでマネージャーが知ってるんですか?」
「前に近くを通った時に見た気がしたんだ…」
ソル以外のメンバーが不審がっている。
特にユジンは襲撃以来、かなり神経質になっている為、慌ててソルがフォローに入った。
「さっき、社長を説得する時に俺もマネージャーに聞いたんだ。ごめん、伝えてなくて」
ユジンが低い声で尋ねた。
「信じていいのか?」
「うん…」
「…それならいい」
メンバーたちはそれぞれ自分の部屋へ荷物をまとめる為に戻った。
DKマネージャーは少しバツの悪そうな顔をしながら、ソルに話しかけた。
「これから長旅になるだろ。これを持ってけ」
マネージャーはジャケットのポケットから、5つのスマートウォッチを取り出すと、ソルに渡した。
「これ、俺たちに?」
「ああ」
「みんな、来て!マネージャーにプレゼント貰った!」
たちまちリビングに集まるメンバー。
テーブルに置かれたミント色のスマートウォッチを手首に付けると、口々に感謝を伝えた。
「何かあったら、これで連絡するんだぞ」
「心配しないでください。ケガしないよう頑張ります」
「成長っていうのは、痛みが伴うものなんだよ」
ソルは分かっていた。この言葉には意味がある事を。
「忘れるな。仮にボタンを掛け違えたとしても、諦めるんじゃないぞ。星を追えば道ができる。お前らならやれるよ」
ソルとユジンが話していたボタンの話を、何故マネージャーが知ってるのか?
ソルはDKマネージャーの事がまたしても気がかりになった。
それから3日後、スターワンのメンバーはロンドンの都心から離れた林道を辿り、案内された場所へ向かっていた。
そしていつの間にか、古風な中世様式の建物の入口に到着していた。
「お待ちしておりました。運命の少年たちよ!」
ドラゴンピークの門をくぐると、白いマントの少年が出迎えてくれた。
「子供?」
「なんで大人はいないんだろ?」
「子供を1人で迎えに出すなんて、危ないな」
メンバーたちの心配を知ってか、子供は頬を赤らめた。
「初めまして!ジュディと呼んでください!私がご案内します!」
メンバーたちは、ジュディに連れられ、一本道を歩き出した。
ついにドラゴンピークへ修行の旅に出たスターワン




