こんにちは~キラキラ


これで199記事目流れ星流れ星

頑張ったね、私照れ


では、更新された「スタシカ」ノベル。

第8話で~す


第8話

”奇跡と現実”


コンサートで魔法が発現したスターワン。

その日を境に彼らの状況は一変し、世界中で大きな反響を巻き起こした。

CMのオファーも数十件入り、主なキャッチコピーは「奇跡」

しかし、底辺まで落ちぶれた経験があるからか、いまいち実感が湧かないソル。


DKマネージャーがそんなソルに声をかけた。

「とこにいても、どんな場だろうと、お前の1番の武器は誠実さと優しさだと言うことを忘れるな」

「え?」

DKマネージャーはなんでもないとごまかしたが、ソルは逆らってはならない運命を告げられたような気がした。


「それから、外を出歩くのは避けろ」

いきなり魔力を得たせいで、危険が増えたのは確かだった。

ソルはサイン会の日、デモ隊の中で一人浮いていた男のことを思い出していた。


ソルは仕事を終え、夜遅くにレッスン室へ。

廊下の先にあるレッスン室に向かいながら、後ろを振り返ると、ミント色の光のことを思い出した。

奇跡のように魔法が発現するというサインだったのだろうか?


「ポッポー」

レッスン室に入ると、ソルの肩に、赤い頬に雪のような白い羽、頭部に緑の模様がある小鳥が乗ってきた。

アビスが召喚した小鳥だった。


そして、ほのかな光がソルを包む。

「サンキュ」

「少し疲れてるみたいだったから」

ビケンの光を浴びると疲れが取れる。

本当に便利で不思議な力だ。


しかし、能力が開花したばかりで、想像できる範囲でしか魔法を使ってこなかった5人。

「それぞれ、どんな魔法が使えるのか調べて、構成を考えてみよう」

ソルの提案にみんながアイデアを出し始めた。

そんなメンバーの姿を見て、

「なんで、いきなり発現したのかな?」

とソル。

「あの日なんかあったっけ?」

ユジンの問に、全員が首を横に振った。

「最後だと思ってパフォーマンスしただけ」

ソルの答えに、全員が頷いた。


時間が流れても、オファーの嵐は収まらず、誰よりもこの日常を切実に願っていたソルも、疲れの色を隠せない。

次の仕事へ向かうバンの中、後部座席で体を縮めて眠るビケンを見て、胸が痛くなった。


運転中のDKマネージャーがこれからの予定をまくし立てるのを聞き、スターワンのリーダーとして、ソルは訴えた。

「マネージャー、俺たちだって人間です。睡眠がかかせないって事、忘れないでくださいよ」

「寝るのは移動中だ。アイドルは忙しいときが一番幸せなんだ。みんな死ぬほど願ってることなんだぞ!」

「でも、このままじゃ本当に死んじゃいます」

恵まれていることはわかっていても、一言言いたかった…


窓の外を見ると、アビスの化粧品の巨大広告が目に入った。

何もかも上手くいってる。

しかし、ソルは微かな不安を拭いきれずにいた。

(いきなり、人気が出たからかな?)

絶壁で強烈な風に吹かれるような恐怖心に襲われたが、頭を強くふり、考えを振り払った。



スターワン、ついに魔法アイドルとして人気が出てきましたね~ラブ飛び出すハート

でも、人気が出れば出るほど、人気のない時にはなかった悩みも増えていき…あせる

そしてソルは、 せっかく魔法も手に入れ、人気も出てきたのに、相変わらず暗い…無気力無気力

不安のない毎日を送らせてあげて~~笑い泣き