神経性無食欲症(しんけいせいむしょくよくしょう)は精神疾患のうち、摂食障害の一種である。

一般には拒食症(きょしょくしょう)とも言われる。


神経性無食欲症は、心理的要因・社会的要因・生物学的要因によって生じる、摂食行動を主な表現形とする精神疾患である。

通常、慢性経過をとることが多い。

自らのストレスやつらい気持ちに気づかず(否認して)、その代わり身体症状で表現しているという可能性がある。

治療は一般に困難であり、長い時間がかかる。

合併症や自殺のために経過の途中で死亡する例もある(5%~15%程度)。

精神神経疾患の中では、致死率が最も高い疾患のなかのひとつであり、最終的な致死率は5%-20%程度である。

主な死因は、極度の低栄養による感染症や不整脈の併発である。


・ 極度の体重減少

・ ボディ・イメージの障害

・ 活動性の上昇、易興奮性、睡眠障害

・ 全身倦怠感、動悸、息切れ、脱水、浮腫、寒さに対する耐性の低下

・ 抑うつ症状

・ 感情変化(多幸、抑うつ、イライラ)、集中力低下

・ 強迫的な思考

・ 自傷行為

・ 薬物の大量服用

・ 自殺企図
・ 手掌・足底の黄染(高カロテン血症)

・ 低血圧

・ 便秘、腹痛

・ 意識障害、痙攣発作

・ Malloly-Weiss症候群
・ 電解質異常、特に低カリウム血症

・ 骨粗鬆症

・ うっ血性心不全
・ 続発性甲状腺機能低下症

・ 気胸

・ 肺炎

・ 肺塞栓


最終的には致死性の不整脈をきたし、急激に死に至ることがある。