【2014年2月22日号】
皆様、例年にない豪雪に襲われた日本列島。
皆様のお住いの地域では被害はありませんでしたでしょうか。
被害の大きかった地域の皆様、心よりお見舞い申し上げます。

いわきでも、「東北の湘南」といういつもキャッチコピーが絵空事のように、2月に入ってからの大雪で街の機能を大きく麻痺させる事態が続きました。
先週末は大雨になり、それまで残っていた街中の道路の雪は残らず消えてくれましたが、山間部にはまだまだ雪の残っている地区があるとか。
この後まだ春先の雪に見舞われることがなければいいがと、案じずにはいられません。
 
先週末の雪を逃れるように、私は単身タイに飛んできました。
チェンマイ大学で行政学を学ぶモン族出身の奨学生に2014年分の奨学金を届けるためでした。
古着リサイクルにより生まれる収益金の社会還元の形として、本会が取組み始めた北タイに住む山岳民族に対する支援は、すでに13年を経過しました。

事業の内容もその年々に変化してきましたが、震災後はどうしても地域内での活動に重点が移り、細々と以前からの繋がりを維持するのみにならざるを得ない状況に陥っています。
ナーン県の貧しい農家出身の中学生が持つ、能力と学習意欲の高さを惜しむ校長先生から懇願されたことで開始した、奨学金の供与。
それだけは何があっても止めたくないと、チェンマイ大学の2年生になった彼のもとを訪ねたのでした。

将来は北タイで行政職に就きたいという彼は、前回の入学したての心許ない様子から一変し、学生独自のNGO活動に参加し、チェンマイ県内の貧しい村々の子供たちに文房具やお菓子を届けたり、校舎建設のための募金活動に参加したりしていました。
支援される側から支援する側へ、いつの間にか彼はその居場所を変えていました。
途切れずに支援してきたことで、わずかではありますが、成果を残せたと感じることができました。
 
この通信で何度か触れた「社会イノベーター公志園」の結晶大会が迫ってきました。
決して決勝ではなく、社会企業家たちの思いを企業人たちが伴走する形で一つの事業として「結晶化」させようという半年間のチャレンジ。
その結晶の場がもうすぐ持たれるのです。

一地方都市で活動しているものたちにとっては、この機会がなかったら接点を持つこともなかったであろう方々から、様々な刺激を頂きながら、「自分たちが向き合おうとしている課題は何なのか?」「自分たちの目指すゴールはどこなのか?」という根源的な、しかし日常の業務の中で直視することを厭いがちであった質問に真剣に向き合い、答えを見出そうとしてきました。

詳細は、http://koshien-online.jpでご確認ください。

また、この大会へは全員手弁当で参加しています。
時期を同じくして、立ち上げから1年を経過する企業組合の中で組織の根本について仲間同士で意見を交わす場面も多く、この半年のチャレンジは、まさに自分たちにとって絶好の機会となりました。
3月8日、立教大学タッカーホールで開催される結晶大会。
1000名を超える来場者を予定しているとか。
お近くにお住まいの方、いらしてみませんか?

少額寄附を募るジャストギビングという仕組みが設けられています。

http://justgiving.jp/c/9242

もしご支援いただけたら嬉しい限りです。
 
その翌週の3月15日には、東日本大震災から3年を経過するタイミングで、ひとつ事業を計画しています。

シンポジウム「震災から3年 ここから未来を考える」
(特定理営利活動法人ザ・ピープルといわきおてんとSUN企業組合の共同主催)の開催です。

震災という体験を通して、市民と市民活動団体がどのように繋がり、力を発揮してきたのか。
出来たこと。出来なかったこと。
今、ここで立ち返って見直すことで、ここからの未来に向けた動き方が変わってくるのではないか…そんな思いで企画したシンポジウムです。

震災後、様々な形で繋がった方々をパネラーとしてお招きし、それぞれの立場で考えておられることを伺いたいと思っています。

また、ザ・ピープルといわきおてんとSUN企業組合が震災後の時間の中でどんな思いで、どんなことをしてきたのかもご報告させて頂こうと思っています。
決して派手さはありませんが、しっかりとした内容のシンポジウムを作り上げたい。
未来をここから考え、創りだすために…。
 
また、このシンポジウムの中では、今年のコットン栽培にも応援くださることが決まった味の素冷凍食品様からの寄付金贈呈式や、早稲田大学松岡俊二教授と共にいわきおてんとSUN企業組合として執筆させていただいた
早稲田大学ブックレット「フクシマから日本の未来を創る」(早稲田大学出版部 定価1200円)の出版披露や、同じく企業組合のプロジェクト「ふくしま潮目」の披露も行います。

加えて、だいぶ時間が経過してしまいましたが、市政功労賞(ザ・ピープル)とリバイブジャパンカップ審査員応援賞(いわきおてんとSUN企業組合)の祝賀会も兼ねての催しとなっています。
こんなにたくさんのことを盛り込んで、如何にも何でもありのピープルらしいと陰口をたたかれそうです。
しかし、ザ・ピープルとして、いわきおてんとSUN企業組合として、お世話になった方々の数はこの3年間で急激に膨らみました。
日頃きちんとお礼を申し述べられていない方も数多くいらっしゃいます。
この機会にご案内し、お礼を申し述べさせていただきたいと思います。
そして、私たちの足取りを知っていただきたい、更に歩みを共にしていただきたいと願っているのです。
こちらもご参加お待ちしております。
 
シンポジウム「震災から3年 ここから未来を考える」
1.とき 平成26年3月15日(土)14:00~17:00

2.会場 カルチェ・ド・シャンブリアン (〒971-8124 福島県いわき市小名浜住吉字飯塚45-1 TEL0120-58-4122)

3.事業概要 基調報告  
「震災後3年 これまでの年月を振り返る
―フクシマから日本の未来を創る 出版披露」

いわきおてんとSUN企業組合 代表理事 
特定非営利活動法人ザ・ピープル 理事長     吉田恵美
NPO法人インディアン・ヴィレッジ・キャンプ副代表 島村守彦
NPO法人ふよう土2100 理事長            里見喜生
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授     松岡俊二 

パネルディスカッション   「震災から未来へ 市民と市民活動の連携の先に」

パネリスト 
菅波香織(いわき法律事務所 弁護士)
郡司真弓(NPO法人ふくしま支援・人と文化ネットワーク事務局長) 
草野淳(いわき市社会福祉協議会 いわき市復興支援ボランティアセンター長)      
川原英照(NPO法人れんげ国際ボランティア会理事長)

コーディネーター     
福迫昌之(東日本国際大学経済情報学部長)

味の素冷凍食品株式会社よりの寄付金贈呈式
※ シンポジウム終了後    
 特定非営利活動法人ザ・ピープル 市政功労賞
 いわきおてんとSUN企業組合 リバイブジャパンカップ 審査員応援賞     受賞

祝賀会:
いわきおてんとSUN企業組合 ふくしま潮目手拭い披露式
 【参加費 5,000円】 を開催 (終了予定 20:00)

4.主催:
特定非営利活動法人ザ・ピープル、 いわきおてんとSUN企業組合

DO YOU COTTON?(コットンプロジェクトの今をご覧いただけます)


特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長
いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長
いわき おてんとSUN 企業組合 代表理事
吉田恵美子