私は顔立ちが整ってはいないし痩せてもいないし、頭は良くないし、本も新聞も読まないし仕事もよく出来はしない。

それでも毎日起きて、遅刻せずに仕事に行って、ちゃんとごはんを食べて……と繰り返すのはすごく偉い。と思う。というか、そうでもして自分をだまくらかして過ごさないときっともっと毎日がつらい。とてもとは言えないけど。

他人の「つらい」を勝手に値踏みしようとする人がいる。果てには世界の裏側の人の事情まで持ってきて突きつけて、お前はつらくない!むしろ幸福な人間だ!とむりやり銃口で口をこじ開けようとする。

「当たり前」と「常識」で人を殴って、どんどん「出来ない人」を炙り出して魔女狩りのごとく処刑する。彼らは安心感を得たいのだ、どうにかして劣等者をつくって「上に上がりたい」のだ、他人を踏み潰してまで得たいのがそんなくだらないことなんだ。

そんな人間にはなりたくないと日々思いながら過ごしてきたのに、ふとした瞬間に自分の中の偏見に出会って狼狽したのでこれを書いた。ハードルを無理矢理上げて首を吊るような真似はもうしたくない。誰だって、呼吸をしているだけで好きと言ってほしいのだから