しずの取引工場もついに

派遣への切り替えが決定しました。


書類上は「業務請負」としながら実態は人材派遣を行う、という


いわゆる、極悪非道と謳われる、あの「偽装請負」。


しずの取引工場では、今まで偽装請負がなされていたのです。




「業務請負」は昨今いろいろ言われているようですが

これは過去の不況の産物です。


モノが売れず、物価も下がり続けていたデフレ不況。

皆さんも記憶に新しいと思います。


企業はモノや行程を見直し、なんとか利益を生み出て、

生き残りっていかなくてはなりませんでした。


そんな中、労働力を外部から確保することは、リストラに次ぐ新たな苦肉の策でした。


当時、合法的とされる人材派遣では、


モノの製造への派遣は期間1年とされていて、大変短かい。


他にも労働条件の明示や取り決めなどを全て書面で契約しなくてはならないし、


監督署からのツッコミもすこぶる厳しい。


さらに、派遣契約で決められた以外の仕事は頼んじゃいけないし


事前面接は禁止。派遣される人が誰かを特定する行為はダメ、とされていました。


今考えると、労働力を供給するシステムとしては非現実的なものでした。





リストラで、溢れかえる失業者…

大型企業の倒産が相次ぎ、明日はわが身か、と経営不安を抱える企業…


そんな世相だったからこそ飛躍的に広がったのが請負という名の人材派遣だったのです。


今でこそ、叩かれっぱなしの派遣会社ですが


つい2年くらい前までは、仕事の案内をスタッフ達に連絡すると


「ありがとうございます!」と感謝されたものです。


時代は変わるものです。。。。



今日も、担当現場は無事に全員揃いました。


ホッ




モノの製造現場では、毎日作らなくてはいけない

製造量ノルマというのがあります。

生産計画を立て仕入れをして人が作業をして製品が出来て行く。


すべてが計画通りにいけば良いけど

予定していた日に原料が届かなかったり

機械が故障したり、働く予定だった従業員が揃わなかったりと

トラブルやハプニングがつきものです。


ビジネスでは納期は絶対。

ですから、これを守るためにメーカーの社員さん達は必死です。

人材派遣が製造現場に需要が多くあるのは、ここにあるのですね。


工場のハプニングをバックアップするために

急な人員オーダーの変更(出勤時間の変更や休み、など)に

派遣会社は対応しなくてはいけなくなります。


もちろん、派遣会社でも、

人の出勤・就業がビジネスで言う

「納期」になるので出勤予定日の欠員はゆるされません。




でも、

人ってモノじゃありませんから


風邪ひいた とか


子供が熱出した とか


親が死んだ とか


車が事故った とか


実にさまざまな事情で休む人が出て来ます。





今日は仕事も済んだし日報書いてさっさと帰ろうと思っていたら、


最近入社してきて間もない現場担当のウスイさんからの電話。


「夜勤で出勤してくる予定のスタッフが無断欠勤したので、今から私が現場に入ります。」


現場に入る=工場に入ってスタッフの変わりに働くこと。


これは最悪のパターン。

就業をボイコットする「ドタキャン」です。


急な欠勤の予備に「待機」人員をしのばせておいているのですが


こんなに遅い時間では、待機のスタッフも


「この時間に連絡が無いってことは、今日はお休みね。

 じゃあ、彼氏とご飯食べにいこう!」


てな具合に予定を入れてしまいます。


そーいう訳でドタキャンは代替スタッフを見つけることが非常に難しいのです。





嫌な電話取っちゃったなー。


ウスイさん見捨てて帰ろうかなーとも思ったのですが



仕方なく代替えで入ってくれそうなスタッフを探す

「掘り起こし」連絡をすることにしました。


自分が就業に関わったことのある過去のスタッフや

担当現場で休みになっているスタッフ、仕事に困っているスタッフ達に


「休んでるところ悪いんだけど、

 今日、これから仕事入ってくれないかな?

 実は、急な欠勤が出ちゃって困ってるんだよ~。

 なんとか、お願い!ね?ね?

 夜勤だから時給いいし、一晩でもいい稼ぎになるよ~!」


という具合にスタッフ達を口説くのです。

人によってトークやテンポ、言葉遣いを全く変えて行ないます。


「今晩は、夜分おそくにすいません。

 実は、今日○○工場で車の事故による欠勤者が

 出てしまいまして、これから代替で仕事に入ってくれる方を

 探しているんです。なんとかお願いできないでしょうか・・・」


おんなじ事を言ってるんですけど

傍で聞いてるとスゴイです。




「行ってもいいけど、私場所わかりませんよ~」

「大丈夫、行きは待ち合わせして一緒に誘導するから!」


なんとか、代替候補が見つかりました。

しかし、他の現場担当のイケメン君が

先に代替候補が見つけたらしく私の候補者は出勤不要となってしまった。


スタッフにまた誤らなくちゃ。




「ごめんなさ~い、せっかくだったけど、

 先に他の人で決まってしまって。本当に申し訳ないです。」


「え?そうなの?よかった~! ヾ(*~▽~)ノ」


え? よかったですか。。。( ̄□ ̄;)  そーですか。

イケメン君の出した代替スタッフの出勤予定時間を想定し、工場へ報告。

そして次は、代替スタッフの待ち合わせ場所と時間を設定しを現場工場まで誘導しなくては。

しかしイケメン君、なんとその工場の場所を知らないのでした。


結局私が行かなきゃいかんのか。。。。



さらに、

ウスイさんは予備の制服やタイムカードの場所を他に知らせず

単独行動をしていた為、必要なものの場所がわからん!

なーんにも準備できん!


コノヤロー、

スタッフの出勤に絶対なんてものは無いんだから

緊急事態に備えとけよ!


仕方なく事務所にある制服やら長靴やらを掻き集め、

待ち合わせ場所に代替スタッフを待たせておくよう

イケメン君に支持し私も向かう。


工場の責任者に頭を下げ

スタッフに制服を着せて(※予備が無かったので他社工場のロゴ入り(笑))

タイムカードを打刻・・・させようとしたら


今度はタイムレコーダーがカードを受けつけない!


同じ機種でも他の機械で登録したカードの為、打刻できないらしい。

仕方なく、工場の事務の人に出勤時間を申し送り、

ウスイさんが戻ってからタイムカードを準備させることにして

どうにかこうにか、ピンチヒッターを出すことが出来たのでした。



「いや~、キツかったよー」


のん気に場内から帰って来たウスイさん。

現場デビュー(初めて現場工場に入って作業すること)は

1時間程度でしたが、スタッフ達はそのキツい仕事を

文句言わず、毎日してるんですよ~。


結局、無断欠勤したスタッフは

その後も連絡がとれず、あえなく終了となりました。

私も一度使おうと連絡したことがある人で

仕事を受けるときは二つ返事。しかし

「やっぱり行けなくなった」と当日キャンセルを平気でする人でした。



人選は慎重に、周囲の意見を必ず聞く。

緊急時に備えて、単独で仕事をしない。


他現場担当との連携なしに出勤維持はできませんから

ウスイさんには学んでほしいものです。。。。