はじめてのTOC

はじめてのTOC

初心者でもわかり易く、TOC(制約条件の理論)を説明しようか、できるかな?というブログです。

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お久しぶりです。はじTです。
いろいろありまして、1ヶ月ほどサボってました。すみません。

さて、今回はTOCの中の一つである、CCPMについてちょっとお話します。
CCPMとは、「クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント」の略です。
新製品開発や、個別受注設計生産、ITシステム開発、公共事業などの、
所謂、「プロジェクト」において、TOCの理論を活用したものです。

プロジェクトマネジメントのバイブルである「PMBOK」にもCCPMが紹介され、
様々なメディアでも紹介されていますので、基本的なことは割愛しますね。

私が理解するとこを、CCPMとは、

個々のプロジェクトの納期を守りさえすれば会社は儲かる

という、個別最適の考え方から脱却し、

全てのプロジェクトを統合的にマネジメントし、全体的にプロジェクトの納期を短縮する

という、全体最適の考え方をもって、プロジェクトを成功させる手法です。


最近の事例で例えましょう。

マツダが満を持して発表した「スカイアクティブ」。
あれ、CCPMで開発したんですよ。
しかも、今までだったら4年かかってもおかしくないところを、たった2年で。

どうやって半分にしたかの詳細は、私は知りません。内部の人間ではないので。

概念だけ言うと、
エンジン、車体、内装・・・様々な開発を、今までのようなバラバラなプロジェクトで管理するのをやめて、全体的にCCPMを適用し、更に、全てのプロジェクトを俯瞰しながら、効果的な対策を打ったのです。

こんな風に言うと、簡単そうですが、並大抵の苦労じゃなかったと思います。
でも、苦労した以上の成果は出ます。なんせ、2年も短縮できたんですから。

TOCは全体最適を目指し、最も効果的なレバレッジポイントに集中して改善を行います。
それをプロジェクトマネジメントに当てはめると、上記のようになるわけですね。



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こんにちは、はじTです。

前回は、デフレ時には安定戦略が必要だ、というお話をしました。

今回は、デフレ時だからこそ、成長戦略が必要だ、というお話です。

デフレ時の成長戦略とは、つまり、市場規模が頭打ちになっているなか、他社からシェアを奪い取る、ということに他なりません。ちょっと切ないですが。
と、同時に、もうひとつ。
今後経済状況が活性化した時に備えて、他社に先駆けてスタートダッシュを切れる状態をキープする意味合いもあります。

TOCでは、他社に圧倒的な強みを握るための方向性として、「スピード」を重要視します。

◆他社より圧倒的に、新製品を市場に投入する「スピード」が速い。
◆他社より圧倒的に、ソリューションサービスを提供する「スピード」が速い。

他社より圧倒的に、受注してから納品するまでの「スピード」が速い。

スピードアップのための方法論と、スピードを定量的に評価するための指標を、TOCはちゃんと用意してくれています。これについては後日。



何故「スピード」が武器になるのか??

私は前職で、いろいろなお客様のところに行く機会があったのですが、ちょっと驚いたのが、意外なことに、最初に設定した納期を100%守っている企業さんって、凄く少ない、ということでした。

逆に言えば、納期を100%遵守すれば、他社に比べて強力な武器になることは、間違いありませんね。

同程度の品質、価格の製品やサービスが、横並び一線にいくつかあるとしたら、選択基準は、あとはスピードしかありませんからね。

例えば、新車を購入する際、日本車の品質は高いですし、同じ価格レンジの車が、複数候補あるとしたら、納車が早い方を選ぶでしょう?
まあ、車は趣味嗜好傾向も強いので、一概にそうとも言えませんが(笑)


日本企業は優秀ですから、高品質、低価格は、ずっとずっと追求してきました。
ところが案外、納期遵守率については、おざなりと言ったら言い過ぎですが、案外競争してないんですね。面白いことに。

ロジスティック(物流)分野では、あれだけしのぎを削ってスピード競争しているのに、何故か製造業はスピード勝負してない。

日本企業、中でも製造業において、あれだけの高品質、低価格という武器があるのですから、これにスピードが加われば、世界でも生き残っていけるでしょう。

つまり、TOCは、現在の企業の強み(高品質、低価格)を前提として、今まで案外見過ごされがちな、スピードに目をつけ、納期遵守率アップ、あるいは納期短縮こそ、今の日本企業(中でも製造業、サービス業)には必要だ、と、説くわけです。



よろしいですか?

高品質、低価格があるのが大前提です。

それにプラスして、スピード力をつけなさい、と言っているのです。

余談ですが、TOC論者には、時々、スピードこそ命で、高品質、低価格について、あまり重点を置いていない人がいます。


違います。

日本企業の強みである、高品質、低価格については、それはキープするのです。

当たり前ですよね。
いくら納車が早くても、故障が多くて、あんまり安くない車なんて、誰も買いませんよね。
(故障が多い車だから愛着が湧くという、マニアは置いといて(笑))


ただ、高品質をキープするためのソリューションや、低価格を実現するためのソリューションについては、それこそ百年以上前からあります。
スピードアップのためのソリューションは、意外と遅咲きで数十年前くらいからです。

TOCは、スピードアップを重視しますが、そういう背景があるということを忘れてはなりません。

ご清聴、ありがとうございました。
こんにちは、はじTです。

前回のおさらい。
最小の努力で、最大の武器を手に入れろ!

というお話でした。


さて、今回は、成長戦略と安定戦略についてです。

ここ10年以上、日本国内はもとより、全世界的に経済はデフレ傾向となっていますね。
デフレ、つまり需要に比べて、供給過多になっている状態です。

需要が頭打ちになっている中、企業は何をするかと言うと、シェアの取り合い合戦に必死になっているわけですね。
これ以上、売上高が伸びないので、シェアを奪うか、前年度と同じ売上高でも、利益高を増やすか、どっちかしか無いわけです。

利益高を増やすにはどうしたらいいかと言うと、費用を抑える方向に行きます。
出張費を抑えたり、経費を抑えたり、まあいろいろ出費を緊縮するわけですが、一番影響力があるのは、投資が減ることです。
投資が減る、企業がお金を出さなくなると、市場は沈静化してしまいますから、ますますデフレ傾向が強まってしまいます。

このブログはTOCについてであって、経済の話は置いておきます。

では、デフレ傾向が益々強まる中、企業はどうやって生き残っていくのか、戦略が必要です。

◆売上が伸びない中、利益を確保する
◆同業他社からシェアを奪い取る

大きく、この2つになりますね。

売上が伸びない中、利益を確保するとは、どういうことかと言いますと、ありとあらゆる出費を抑えることになりますが、案外、企業さんがやっていない戦略があります。
それは、

製品製造原価をきちんと把握し、原価低減活動をおこなう

ということです。意外と、これ、ちゃんとやってる企業さんは少ないですね。
出張費、経費なんかは、がっちがちに抑えてるのに、一番肝心な製品製造原価の低減活動をやってないのですから、なにやってんだよ、って話ですw

なぜ、あんまりやらないか。
答えは簡単です。

製品一品一品の原価を把握するのが、大変だから

です。
要はめんどくさいんですね。IT投資が必要ですし、そんなことやってる場合じゃねぇってことです。

私は前々職でSEをやってたんですが、某超大手企業の原価管理システムを構築した経験があります。ほんの10年前のことです。

驚いたのが、超大手企業なのにも関わらず、製番別原価を、主要50品目程度しか把握してなかったことです。
全品目10万点を超えるにも拘らず、です。

詳しい話は、割愛します。

大手企業ですらそうなのですから、日本で一番多い、中堅企業、中小企業は、それこそ野放し状態なんでしょうね。間違いなく。

原価を把握して無いということは、どの製品が一番儲かるかが判らないわけですから、どうやって製品戦略を練っているのか、、、恐らく経験値的に判断しているのでしょう。恐ろしいことです。


ちなみに。
TOCでは、原価管理は百害あって一利なし、という立場を取っています。
これについては、後日ご説明しますね。

しかし、私個人的には、原価管理も必要だと考えます。

なぜならば、この未曾有のデフレの中、やはりどうしても出費を抑える必要がありますし、どの製品をイチオシで売っていくか、その判断指標は少なくとも2つ、必要だと考えるからです。

その一翼を担うのが、原価であり、もう一方がスループットだと考えます。

原価を元に意思決定するのが、安定戦略。

スループットを元に意思決定するのが、成長戦略。


今日のお話は、このように把握していただければと、思います。

安定戦略(原価管理)だけで、長文になってしまいましたので、成長戦略については、次回くらいにお話したいと思います。

ご清聴、ありがとうございましたw

こんにちは、はじTです。

昨日はTOCの根本理論についてお話しました。
レバレッジポイントに集中して改善する、ということですね(おさらい)。

今日は、TOCは何を目的にしてマネジメント改革を行うのか、というお話です。

世の中に様々なマネジメント理論はありますが、大きく2つのタイプに分かれます。
それは、

◆成長戦略タイプ
◆安定戦略タイプ

です。

企業にとって、どちらの戦略タイプも必要不可欠なのは言うまでもありません。
世の中がインフレのときは、いけいけどんどんで成長戦略を取ればいいのかも知れませんが、問題はデフレ時です。
デフレとは、つまり供給過多になっている状態ですから、価格競争になったり、品質競争になったり、スピード勝負になったりしますので、成長戦略も安定戦略も両方必要です。

つまり、安定戦略によって企業の利潤の最低ラインを確保しつつ、他社に負けない競争力を成長戦略によって生み出していかなければ、企業は生き残っていけない、ということです。


TOCは、実は典型的な成長戦略にカテゴライズされます。
更に言うと、他社に比較して圧倒的なスピードを獲得することにより、価格競争に陥ることなく、品質を確保する余裕を生み出し、スピードを武器に生き残っていく戦略です。

そのため、TOCではスピードを指標として最も重要視します。
スピードの指標とはつまり、「スループット(時間当たりの利益)」です。
限られた時間の中で、どれだけの利益を生み出せるのかを重視し、スループットが高い製品・サービスを顧客に提供していく、という考え方がTOCです。

吉○家じゃないですが、「うまい、早い、安い(高品質、高スピード、低価格)」の三拍子が揃ってたら、顧客も満足しますし、企業は儲かるしで、誰も損しませんね。当たり前です。

TOCはスピードを最重視しますが、じゃあ高品質、低価格はどうするか?ですよね。
TOCではこう考えます。

新製品開発、プロジェクト型ビジネス、製品製造などなどの分野において、スピードがアップすると、時間的に余裕ができます。
その時間的余裕を品質向上に回せば、良い製品、サービスが早くできることになりますね。
良い製品やサービスが、早く市場に出せる、お客様の手に届くとなったら、それはつまり高付加価値な製品、サービスですから、必要以上に価格を下げる必要はないわけです。
勿論、ある程度低価格は必要ですが、企業の存続を圧迫するまでの低価格はかえって危険ですから。

ここで大事なのは、「他社に比べて圧倒的に早い」ということです。
圧倒的じゃないといけません。ちょっと早い、くらいじゃ全然ダメです。
TOCでは圧倒的なスピードを手に入れるためのソリューションを提示していますが、それについては又の機会にご説明します。


昨日のお話と合わせますと、
他社に比べて圧倒的なスピードを手に入れるために、レバレッジポイントに搾って改善をおこなうのがTOC、ということになります。

言い換えますと、
最小限の努力で、最大の武器を手に入れろ、です。

なんか格好良いですね(笑)



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はじめまして。はじTです。

このブログでは、TOC(制約条件の理論)に関する、私が今までに得た中途半端な知識を、ぼんやりと綴る予定です。

TOCとはTheory of Constraintsの略で、直訳すると「制約条件の理論」となります。
「TOC」でググると、いろいろ出てきますので、詳しくはそちらでw
ちなみに、今ググってみたら、ビル管理会社がトップに出てきますねぇ~~
そこら辺、まだまだ認知度が低いのかなとも思います。

あと、TCO(Total Cost of Ownership:総保有投資)ではないので、ご注意を。


TOCって一言で説明するのが難しいのですが、いろいろ知っていくと、極めて簡単な理論です。
簡単な理論なのに、説明するのが難しい??
「なんじゃそりゃ」と、思われるかも知れませんが、私はこう考えます。

マネジメント理論、世の中にいっぱいありますが、根本的なところは単純です。
ところが、これらの理論を実際に企業に適用するとどうでしょう?
業界の違い、時代による違い、企業風土の違い・・・ケースバイケースで異なりますね。
ですので、中心理論は単純でも、それを表す言葉は、ケースバイケースで異なります。

TOCも同じで、中心にある理屈はシンプルです。

「その企業の成長を促すレバレッジポイント(てこの力点)は、通常1つしかないから、そこに注力して改善する」

です。
ただし、企業によってどこがレバレッジポイントか、というのが、これがまた様々でして、市場にあったり、工場にあったり、営業にあったり、企画にあったり、プロジェクトにあったりと、まーいろいろ違うわけです。

レバレッジポイントを見つけて改善するにしても、まず、見つける方法論もいろいろあるし、見つけた場所によっても改善手法は異なりますし、いや、そもそも企業戦略はどーすんの?とか、考えることは沢山ございますね。

TOCを表現する言葉はいっぱいあります。
このブログでは思いつくまま、それらを紹介できればと思うのですが、根本的な理屈は、やっぱりこれなのです。

「企業の成長を促すレバレッジポイントは、通常1つしかないから、そこに注力して改善する」


2回繰り返しましたが、ここが一番重要で、これを間違えるとえらいことになります。
常に、今やっている改善活動が的を射ているのかを検証し、的外れな改善は即刻止める勇気が必要です。
つまり、だらだらとした改善活動は、企業にとって百害あって一利なし。
何を目的として、何を成果とし、その成功基準が定まってない改善活動は止めなければなりません。
(目的、成果物、成功基準を略して、TOCでは、ODSCと言います。)

ちなみに、レバレッジポイントのことを、TOCでは昔、「制約」と言ってました。
制約を取り除けば企業は成長するという理屈ですね。
でも、「制約」と言っちゃうと、ネガティブなイメージがあるので、最近ではレバレッジポイントとか言ってますね。なんか格好良いですし。

もう一度言います。TOCとは、


「企業の成長を促すレバレッジポイントは、通常1つしかないから、そこに注力して改善する」

です。

極めて当たり前のことに見えますが、それだけに、ついつい忘れてしまいます。
しっかり覚えておきたいものです。

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