今日は人物が特定されないように
フィクションを交えながらのお話になります。
私が心斎橋で仕事してた時の同期から
ラインがありました
ふとアシスタント時代にあった出来事を
思い出したらしいのね
当時、めちゃくちゃ怖いお客様がいてて。
私がね シャンプークロスを掛けたら
苦しいって言われたんだわ…
「すいません、失礼しました」って
私なりの誠意を見せて、
クロスを緩めたら…、止まらない
その方ね、首が凄く太かったんです
マジックテープが足りなくて。
苦しいって言われたから緩めたいけど、
緩めると止まらない…、私の技術不足で
襟元を濡らしたらと、思うと 掛け直した
と、思うと 掛け直したマジックテープが、やっぱりちょっと
キツくなったみたい
苦しい言うとんねん
その場でクロスを外されて、
怒って帰ってしまわれたんです…
ここね、私の記憶から すっぽり抜け落ちてて
で、友達と話を擦り合わせていくと
あったあった！そんな事…
あーだったよね
こーだったんじゃない
こーだったんじゃない友達は、隣でシャンプーしてて
ビックリして 鮮明に覚えてたらしい
時は20年たって………
過去の記憶を合わせていく。
そしたらさ、当時の記憶も変わっていくし
私の言えなかった感情も言える。
過去がどんどん刷り変わっていく…。
記憶が蘇った私は、友達に
「あったなぁ、そんな事…あのお客さん
二度とシャンプー入りたくないわ。
来てほしくないって思ってた」
って言うたんですが。
当時は責任は全てワタシのせいにしてた。
スタイリストの先輩にもめちゃくちゃ
怒られたし、いたたまれなかったのね。
そしてその同期と私…、
めっちゃ仲悪かってん
その事件の後からもケンカしてぶつかって…
いつの間にか、大の仲良しになったのね。
ただ、事件当時は殺してやりたいぐらい
憎いやつ(その同期が)やったから、
この事件で気持ちを共有するどころか
「あんた、またやらかしたな
」って
」って嫌味言われた(そう、受け取ったが正しい)
し、あんたがあかんねんって。
けど、今になって話したら内容全然ちゃう
「みんな来てほしくないと思ってたはず」
って、共感になってた
友達に
「あんなにキレやすい人、
私のせいちゃうやん
あんなん新人潰しやで
よう美容師辞めずにすんだわっ」
って言うたら、
「ほんまやな、うちら よう頑張ったよな…
私らにしかわからん辛いこと山ほどあるな」
って、当時の感情とは違うもんが
いっぱい溢れ出てて…。
何という偶然か、そのキレやすいお客様が
風の便りでかなりのブラックだったことが
今になって判明
20年前の答え合わせが今
私は私を責めることなかったなって
言うたら
「あれはキツかったよなぁ…、
よう潰れずに頑張ったわ」って、同時は
言ってくれない言葉に変わってた
過去の記憶はむちゃくちゃ変わる。
自分がどう見たいかで、感情が刷り変わる
その後も当時の思い出を話してたんやけど
お互いに記憶が抜けてたり、当時の感情と
違ったり…。私自身も、同じ出来事なのに
もう別人みたい。
過去も「今」感情一つで変えることができる
そう、自分がどんな色眼鏡で見てるかで…
