ロッシ、去年のインディ500以来のキャリア2勝目(インディカー第16戦:ワトキンスグレン) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 インディカーシリーズも残すは、ワトキンスグレンと最終戦ソノマの2レース。第16戦「Grand Prix at The Glen」は、1979年からの歴史を誇るが、CART時代は3回、インディカーシリーズでの開催となってからも、2005年~10年。そして中断を経て、去年から再開と開催数は、38年間で10回しかない。

 

 最多勝は、インディカーシリーズになってからの7回で4勝しているスコット・ディクソン。ポイントランキングでも、ジョセフ・ニューガーデンに次ぐ31ポイント差の2位。

 

 ここまでの15戦でペンスキーは9勝(ニューガーデン4勝、ウィル・パワー3勝、シモン・パジェノー、エリオ・カストロネベスが各1勝)と他を圧倒。

 

 さて、先日のヒューストンでのハリケーン“ハービー”での被害に対して、ヒューストンを本拠地にするAJ・フォイトレーシングがチャリティTシャツを作成し(28ドルで販売)、歴代のヒューストンウイナーがビデオメッセージを寄せる。

 

 そして、各マシンはステッカーを貼って支援。現地レポートは例によって天野雅彦さんだが、NASCAR中継でも、オフの間に帰国して、グレンの解説をしていたなぁ。

 

 PPは、キャリア初のアレキサンダー・ロッシ。ディクソンは2位で、ニューガーデン、佐藤琢磨、チャーリー・キンボールと続く。

 

 先に行われたインディライツは、ウェットレースで、路面は乾いているものの、弱い雲が来る予報で、かなり寒く、レースコントロールが、ウェットを宣言し、全車がウエットタイヤを装着。

 

 3.37マイル(5.4キロ)ターン11を60周(325キロ)。ピットウインドウは17周。3ストップでは、かなりきつい。ウェットと判断されたことで、2時間ルールが適用され、スタート前には軽く雨も。

 

 レーススタート。ニューガーデンが一度はロッシをパスして、一瞬トップに立つものの、ロッシが抜き返す。

 

 

 ディクソンをパスしていた琢磨がニューガーデンも捉え、2位となったものの、マシントラブルで一気に順位を落としてゆく。

 

 レース後のインタヴューでは、「ターボのブースト圧をコントロールするウェストゲートのコネクタが外れてしまった」らしく、トップも伺えた勢いだっただけに、惜しまれてならない。

 

 路面がドライだったため、2LAPに、マックス・チルトンとJR・ヒルデブランドの2台を除き、全車がピットイン。

 

 ただ、雨の路面も所々に残っており、ピットアウトしたロッシは、マシンをふらつかせ、エリオが3位に。

 

 チルトン、ヒルデブランドがスリックにチェンジすると、エリオ、ロッシ、ニューガーデン、ライアン・ハンターレイのトップ5。琢磨も、リセットをして、コースに復帰している。

 

 5LAP、ディクソンがハンターレイをパスして4位に浮上。6LAPにジェームス・ヒンチクリフがマシンをストップさせ、1度目のイエロー。

 

 9LAPにリスタート。ディクソンがニューガーデンを捉え、3位に。12周の時点で、エリオがトップ、ロッシが0.823秒、ディクソンは2.080秒、ニューガーデンが3.960秒、キンボールは、5.606秒差となっている。

 

 14LAP、琢磨がスローダウンし、コース上に完全にマシンを止めてしまい、2度目のイエロー。

 

 ちょうどピットウィンドウに入っていたので、リードラップカーが一斉にピットイン。エリオ、ロッシ、ハンターレイ、ニューガーデン、ディクソンの順でピットアウト。

 

 スペンサー・ピゴット、チルトン、ヒルでブランド、マルコ・アンドレッティ、ジャック・ハーベイの5台がステイアウト(マルコ、ハーベイは直前にピットイン)。

 

 

 

 

 18LAPにリスタート。ハーベイに詰まったエリオをロッシがパス。エリオは、ハンターレイにもパスされ、順位を下げる一方、ロッシは、ハーベイをパスし、20LAPには、マルコも捉える。

 

 21LAPには、チルトンも抜いたロッシだが、ロッシは先の給油で給油リグに問題があり、十分に燃料が入っていないというあまりに不運なトラブル。

 

 24LAPにピゴットがピットインし、トップとなったロッシだが、25LAPにピットイン。これでロッシは17位にまで順位を落とし、これで優勝の目はなくなった、かに思えた。

 

 26LAP、ハンターレイがエリオに3.494秒のリードを築き、独走態勢に。ハンターレイが2015年のポコノ以来、久々の優勝があるか・・・に思われたが、28LAP、琢磨がスピンし、3回目のイエロー。

 

 これはロッシにとっては、これ以上ない幸運だった。燃費こそ苦しいものの、再びトップに立てたのだ。全車1ストップのイコールコンディション。ロッシ、ピゴット、チルトン、ヒルデブランドの4台がステイアウト。

 

 この4台にハンターレイ、エリオ、ディクソン、マルコ、ニューガーデンが続く。29LAPにリスタート。

 

 41LAPの時点でロッシがチルトンに12.101秒の大差をつけ独走。ディクソンが12.477秒、ハンターレイは13.374秒、エリオが14.337秒差となっている。ニューガーデンは8位にいる。

 

 43LAPにロッシ、44LAPにディクソン、ハンターレイ、エリオが。46LAPにニューガーデンとパワーが入ったが、パワーに先行されて焦ったか、ニューガーデンがピットロード出口でクラッシュ!

 

 さらに後方のセバスチャン・ブルデーがニューガーデンに突っ込み、4回目のイエロー。

 

 ニューガーデンは、リアにダメージを負い、再ピット。リアウイングを交換し、コースに戻ったものの、18位。ニューガーデンのレースは事実上終わった。

 

 

 

 

 この間、ピット出口でトニー・カナーンがクラッシュして、リタイアするなど、大荒れ。

 

 50LAPにリスタート。ロッシ、ディクソン、ハンターレイ、エリオ、レイホールの順でレースは進むが、ドライセットのロッシ、ディクソンにハンターレイ以下はついて行けず、2台の一騎打ち。

 

 プッシュ・トゥ・パスを使い、レースファステストを連発して、ロッシとの差を詰めるディクソンだが、オーバーテイクするところまでには行かず、ロッシがそのまま逃げ切り、ポール・トゥ・ウイン!

 

 ロッシ、ディクソン、ハンターレイ、エリオ、レイホール、パワー、キンボール、チルトン、パジェノー、カルロス・ムニョスのトップ10。

 

 ロッシは、アンドレッティとの契約延長に加え、メインスポンサーのNAPAの支援も継続する中で最高のタイミングでの2度目の勝利。インディ500が燃費レースによる“運”があっての勝利に対し、グレンは、勝てるマシンで、ディクソンを抑えての堂々たる勝利。

 

 アンドレッティは、ホンダとのパートナーシップを延長。ホンダと近いと言われるロッシの残留は、NAPAとの関係も追い風となり、いち早く発表されたのだろうか。

 

 ニューガーデンは、2LAP遅れの18位、琢磨は、トラブルの修復で大幅にタイムロスし、4LAP遅れの19位に終わっている。

 

 これで、ニューガーデンとディクソンの差は、わずか3ポイントに。エリオは22ポイント、パジェノーが34ポイント。ソノマがダブルポイントとは言え、現実的にタイトルを争うのは、この4人に絞られたか。

 

 68ポイント差のパワー、ロッシは84ポイント。数字上では、可能性があるのはここまで。琢磨は139ポイント差で、タイトル獲得の可能性は完全に消えた。

 

 4勝し、タイトルは目前と思われていたニューガーデンに最大の試練到来。5度目のチャンピオンを狙うディクソンがまたも戴冠するか、あるいはエリオが悲願の・・・。