2022年４月

兼題　「霾（つちふる）」　「当季雑詠」

出題者　泰山

（2021年5月　黄砂の札幌市内）

蒙古や北支の黄土地帯で吹き上げられた大量の砂塵（さじん）が
空一面をおおい、寒冷前線に乗って日本まで飛来し、空を黄色にいろどることがある。
霾（ばい）、蒙古風、霾天（ばいてん）、霾風（ばいふう）、つちかぜ、霾晦（よなぐもり）、
つちぐもり、よなぼこり、胡沙（こさ）来る、胡沙荒るる、
黄沙（砂）、黄塵万丈（こうじんばんじょう）

黄塵万丈大陸よりの風酷し　泰山
「破調も気にならず」
「大陸からの、としたい」
*黄塵万丈（こうじんばんじょう）

山々は霾る中の蔭となり　泰山
「山々の名前を知りたい」
「伊豆の山々です」
伊豆でお誕生日をお祝いしたそうです。

つちふるや本をめくる手変わらずに　一桂
「読書人は冷静です」
「つちふる季節になっても日常は変わらず」
雨が降ろうと黄砂が降ろうと読書人は冷静で日常は変わらぬ。

つちふるや残る人生どのくらい　ゆめ
「そうですね～7300日くらいです。」
7300を365で割ってみましたら２０。
あと「20年しか」でしょうか「20年も」でしょうか。

つちふるや先行き見えぬ旅路かな　ゆめ
「全ての先行きが見えない昨今です。」
「「や」と「かな」はひっかかるので、最後「旅路なる」では？」

霾ぐもり廃鉱に立つ夫婦かな　素頓
「何ともミステリアスな情景」
「映画の一シーン」

大黄河海大八洲霾ぐもり　素頓
「難しい、乞うご解説」
「5音に足りないので大黄河そして大海にしたかったのですが、字余りだから海で我慢。
霾るその広大さをあらわしたかったのです。」
大黄河大海八洲より、黄河大海大八州として「霾曇り黄河大海大八州」。

霾や世界平和の視界ゼロ鳥閑
「コロナに続くウクライナ、ミャンマー、行く先が見えません。」
「人間の愚かさにうんざり」
下五の「視界ゼロ」に高評価、世界平和の願いも込めた◎１〇５で最高得点句。

霾や良くも悪しくも慎太郎　鳥閑
「慎太郎は評価がかなり別れます。亡くなって高評価となっています。」
「「良くもわるくも」では？」

鬱々と老の午後なり黄砂降る　摩天
「朝は憂鬱やがてノーテンキ」
「打つ手なし」
同感票を集め〇６で高得点句。高得点です、ぱーっと行きましょうや

断捨離の写真に見入る日永かな　摩天
「つい思い出にひたってしまいました。」
「見ないでください」
そつのない正統派な句と評価が高く〇６の高得点句。

敷き詰めし白き花びら霾(ばい)曇り　一兎
「昨日までは花曇り」
「灰色の花」

霾や青と黄色の旗揺らす　一兎
「負けるな理不尽な出来事に。」
「頑張れ、ウクライナ！！」
「ウクライナは我が事ならむ桜咲く一兎」の投稿句にも
「ウクライナに平和を！。日本だったら、私も老齢ながら戦いたい。」など
ウクライナへの応援コメントが目立ちました。

（高輪ゲートウェイ駅近く　画像：泰山さん）

霾や工事現場の遺跡あと　碧水
「正しくは遺跡後の工事現場か」
「工事現場に、としては？」
高輪ゲートウエイ駅近くの現場、証拠写真あり。

房総の棚田に写る山桜　碧水
「夜には月が」
「綺麗ですね、名カメラマン」

つちぐもり昨日も今日も部屋干しす　鈴蘭
「乾燥肌対策によいようです」
「乾燥機を使えば」
同情票が集まり久々に〇６の高得点句

黄砂降る青い地球を保ちつつ　鈴蘭
「大きな句です。黄砂くらいで青い地球は変わりません。」
「ロシアが地球を赤くしないように祈ります」

＝＝コメント各賞＝＝

☆コメント大賞
つちふるや坊主憎けりゃとはよくぞ摩天
「降っていたのは'今朝'なんですね」の素頓さま

黄砂来る東欧諸国に神よあれ泰山
「神様が多すぎて、戰爭となっています」の素頓さま

☆コメント賞
天気図の少しぼやけて霾るや碧水
「テレビの替え時」のゆめさま

☆コメントアイディア賞
黄砂降る工事現場の穴昏し鳥閑
「三択です、穴で暮らす？暗い穴？穴を見て眩む？」の鈴蘭

🌸🌸🌸🌸🌸🌸ウエブお花見🌸🌸🌸🌸🌸

（三春滝桜　画像：一兎さん）

（画像：泰山さん）

（画像：泰山さん）

（画像：泰山さん）

（画像：素頓さん）

226回 霾（つちふる）

226回　霾（つちふる）