2022年 7月

兼題 「空」 「当季雑詠」

出題者 一兎



「空」を使って詠むことが今月のお題です。
夏空、空論、空蝉、空木などで詠まれていましたが、
夏の空を詠まれた句が多かったように思います。

コロナ感染の終息が中々見えないことと
月1回とはいえリアル句会参加は難しい年齢になったこともあって、
年に数回の吟行とズームなどを利用してのオンライン句会を組み合わせて
当分は進めていくことになりました。
その第1回目、空回りすることもなく見事大成功な句会になりました。
ホスト役の泰山さま、進行役の摩天さま、ありがとうございました。




午後3時飛行機多し夏の空 泰山
「空のラッシュアワーか、新宿上空か」
★午後3時の新宿上空。
3時は三時とした方が良いのでは。

碧空は果てまで蒼く酷暑かな 泰山
「碧と蒼のちがいは?」
★碧は石など、蒼は植物という説明だったような。

夏の空喜怒哀楽の静かなれ 一桂
「お鎮まり~~お鎮まり~~」
「抑えるのは大変なようで」
★晴れ、雨、曇り、快晴、豪雨、雷・・空の喜怒哀楽。

稲光る俄かに空のかき曇り ゆめ
「お逃げください」
★稲光は秋の季語。季節の先取りです!?

雨雨雨梅雨の戻りとなりにけり ゆめ
「隙のない一句」
★雨3つ、丸も3つ欲しかった。



夏空に声して組める鉄パイプ 素頓
「鉄パイプは昔なら全学連の武器だった・・・」
★安部元首相を狙った散弾銃を思ったとの声も。
工事現場の鉄パイプであって、武器ではありません。

我余命一緒に歩め蝸牛 素頓
「パートナーが誕生しました」
★潮風を受けながら1日8千歩、充実した日々に幸せを感じる作者。余命よゆっくり進め。

空論も人生の糧心太 鳥閑
「ほら吹いて心を太く」の素頓さまにコメント賞。
★作者、季語を「胡瓜もみ」がよかったかもというが、「心太」が良いと◎1○5の最高得点句。

木下闇突如の架空請求書 鳥閑
「貰ったの渡したの?」の泰山さまにコメント賞。
★季語が効いています。
◎2○2でこちらも最高得点句。詐欺にご注意を!

七回裏告げる夜空の遠花火  摩天
「球場の近くで揚げるのでは?」
「遠花火が、ちょっと」
★自宅窓から見た球場の花火です。だから遠花火でOK。

選挙カースピード早め青田道 摩天
「票田ではないようです。」の泰山さまにコメント賞。
★世相が目に浮かぶような一句。



原爆忌八島の国の徒手空拳 一兎
「無防備、おてあげ」
★8月6日の広島忌は夏の季語で長崎忌は秋の季語。

気合なり空手道場明急ぐ 一兎
「徹夜の稽古はパワハラ批判浴びそう」
★徹夜稽古ではなくて朝稽古です。

空蝉を机上に源氏物語 碧水
「なんと風流な読書人でしょう」
★たまたま机の上にあった空蝉。

幸せは人それぞれに月見草  碧水
「どこかで見たような句ですが、なんとなく良い」
★作者まで「類似句が多そう」と。類似句がありそうでも○6の最高得点句。

夏空へ三十秒の木のポーズ 鈴蘭
「ヨガのポーズ」
★「三十秒の木って何かと思いました。」って、それはないでしょう・・

朝食は天空カフェで夏休み 鈴蘭
「夕食は地下で」の素頓さまにコメント賞。
★朝食はティファニーか、それとも天空カフェか。

=今月のコメント大賞=
向日葵や空が見たいと地下壕の児 鈴蘭
「ウクライナの智恵子」の素頓さまへコメント大賞。