2022年2月

兼題 「猫柳」 「当季雑詠」

出題者 鈴蘭


一名を川柳というのは、川辺に自生することによる。
まだ寒風の吹きつけるなかで、銀色の花穂が皮を脱ぎはじめる。
川波の反射を受けて輝くさまは、絵に描いたような早春の景。(俳句歳時記より)

今回もオンライン句会です。23回目になります。


猫柳句碑はたぬきと万太郎 泰山
たぬきと万太郎の句碑を調べたが分からず
情景に興味があります
★久保田万太郎氏の俳句「またの名の たぬきづか 春ふかきかな」
 浅草寺境内の鎮護堂にあります。

蝋梅や工事現場の土埃 泰山
これは蝋梅にとっては受難です
ありゃ、狼狽してしまう

猫柳人に優しくと教えられ 一桂
優しい事は強い事。ねむの木学園にて
利他の心
★「人に優しくと」の中八を「人に優しと」として中七に整えてはどうでしょう。(ZOOM句会)

大ぶりの甕にばさりと猫柳 ゆめ
大甕とばさり に○ 「甕にばさりと」 とをなんとかすれば ◎ 「ばっさり」とか
折るなんて、かわいそうなことするひとね
★「ばさり」と「ばっさり」では意味が変わってしまいます。
「ばっさり」に変更案はばっさり却下。(ZOOM句会)
◎2〇2の最高得点句です。

春の雪それとみしまに消えにけり ゆめ
春の雪は儚げです。
紫式部を彷彿とさせるしなやかな言い回し(摩天さんにコメント大賞)



生きている寂しさ忘れ猫柳 素頓
猫柳は救いとなりました。
生きて遊び心を忘れずに

岩盤の渓流早し猫柳 素頓
煌めくような早春の景が見えてきます
渓流と猫柳 景が見えます
★吹き割の滝、秩父の川下りなどの風景が見え大好評。(ZOOM句会)

平凡な日々こそ宝猫柳 鳥閑
猫の達観した面構え。我が輩は猫である
なかなかの境地になれないが
★日々これ好日

川風をさらりとかわす猫柳 鳥閑
猫柳がぴんと立った幹です。さらりとかわせるでしょうか
猫のごとく身軽です

せせらぎと語り合うやに猫柳 摩天
せせらぎに猫柳 景が見えます
柔らかな風が渡っている

銀白に煌めく雨後の猫柳 摩天
筍は煌めかないものね
金箔には夕焼けか
★ 作者は「ありきたり感も」とのことですが、
きれいな景が見えると好評で〇5の高得点句



八十路とは忍び来るもの猫柳 一兎
猫の忍足のように
老う(追う)ものと思ってました(鈴蘭にコメント賞)

百歳に一つ加えて猫柳 一兎
百歳に一つ加えれば百一歳です。
百歳に二つ加えて百二歳
★季語の猫柳と百歳、八十路、七十歳、十六歳の数字(年齢)を組み合わせた4句を投句。

猫柳川に小さな丸木橋 碧水
国道の陸橋が丸木橋だったら、と想像してみた
時代劇のセット
★◎2〇2の最高得点句 

せせらぎの光やわらか猫柳 碧水
猫柳は水辺が好き。ご機嫌な猫柳
猫柳と川のせせらぎはよく合いますね
★こちらの句も〇5の高得点句、他の句も4点句3点句、1点句と
すべての句に点が入り好成績。

かわいいをヤバイと言ふ娘ねこやなぎ 鈴蘭
若者言葉にはついていけなくなりました。
そりゃ、ヤバイね
★「アメリカにあの娘(こ)十六猫柳 一兎」でも娘を「こ」と読ませていますが
娘と書いて「こ」と読むのはありかなしかで大激論。(ZOOM句会)

検査日の空腹満たす寒の水 鈴蘭
もうしばらくの辛抱です。
こちらの検査日には水も飲めばダメなんです。