のんびり更新のイエテボリワールド感想シリーズ。男子FS、最終滑走グループ編です。
第3グループの感想については、昨日の記事「イエテボリワールド 男子FS感想 その1」にありますので、こちらもご覧いただけると、うれしいです。
そんでは、ラスト6、いってみましょー!



●トマシュ・ベルネル選手(チェコ)
SPでは絶好調、4位で迎えたFS。つい先日、ヨーロッパチャンピオンの栄冠を頂いたベルネル選手、昨季、惜しいところで手が届かなかった、ワールドの表彰台にもうすぐ手がかかる……という気持ちが、焦りに変わったのでしょうか。
トマシュ・ベルネル選手のイエテボリフリーは、少しほろ苦い出来栄えとなりました。
「グリーン・ディステニー」(関係ないけど、このプログラムの途中に入る祭囃子風の音楽は、昨年カロリーナ・コストネル選手のFS「メモリーズ・オブ・ゲイシャ」に入ってたのと同じ曲じゃないですかね? 確信持てないけど…)。
冒頭の4Tは、手をついただけでなんとか耐えましたが、つぎの4Tコンボでは転倒。ディダクションのうえシークエンス扱いになります。続く3Lzもすっぽ抜け。うーん、嫌な空気が立ち込めます…。
フライングシットからサーキュラーステップは、丁寧な出来栄え。ここで立ち直ってくれるといいなーと思ったのですが、続くアクセルはシングルに。3Aはなんとか降りますが、以降はだんだん動きが重くなってくる。FS20位。ベルネル選手の実力を考えると、少し残念な演技となってしまいました。
これだけ苦しい中でも、ステップは2本ともいい出来栄えで、評価もレベル3と高かったのは好材料だと思います。スケーティングスキルも7.25、クリーンな演技をすれば8点台も出るかもしれない、と、期待できる数字です。
ベルネル選手は、今季、NHK杯では素晴らしい演技で高橋選手を脅かす2位となりましたが、エリック杯では6位と沈んでいます。プレシャーの影響が演技に現れやすいタイプなのかも。
ただ、今年、これほどのプレッシャーを受けるようになったのは、昨季からのベルネル選手の急成長の証であるので。おととしまでだったら、総合15位で「残念」とか言われ得なかったはずです。確実に実力は上がっていると思うので、あとはメンタルをいかに調整するか、だと思います。 来季も頑張れ!


●ジョニー・ウィアー選手(アメリカ)
「LOVE IS WAR」
来るかジョニー! 4回転!
来た!!!
世界選手権で4T、降りました! 
じつは回転不足を取られているんですが、まず、降りているということ、挑戦したということに拍手を送りたいです。チャレンジ成功おめでとう!
続く3Aは優雅な着地。ジョニーの3Aはほんと、美しいですねー。水鳥の着水のようです。3Lzも良し! 3Aコンボも良し! 3Sも良し! コンボスピンのポジション変化もくっきりできています。うわあ、絶好調じゃないですか!
ここからが緊張の3Lo……ステップから丁寧に……降りた! またしてもおめでとう!
以前はループが嫌いで、プログラムに入れてこないこともあったジョニーにとって、今季、3Loとの取り組みは、クワドとの取り組みと同じく、挑戦だったと思います。今季は逃げずに頑張りました。素晴らしいです。
サーキュラーステップはレベル2、ストレートラインステップはレベル3。4回転の挑戦にひとつの成果を残したジョニーにとって、来季の挑戦はステップではないのかな、と、灰原はなんとなーく思っています。今季のジョニーのステップは、レベル4に必要な両回りターンが入ってなかったり、レベル3構成だったんですね。とりあえず今年はクリーンに滑って自信をつける、という作戦のもとに、ステップ、スピンの難易度はやや下げた……んじゃないかな。作戦、大当たりです。ワールド初メダルおめでとう!
12歳から競技をはじめてワールドメダリストまで上り詰めるなんてほんとにすごい。競技歴的には、ジュニアの子たちと変わらないんですよこの人! 美少女めいた容姿のせいで忘れがちですが、すさまじい身体能力だと思います。ある意味、才能ではフィギュアスケート界いちばんかも。
苦しい結果となった去年の挑戦も、今年のジョニーの中に確実に息づいているのがわかります。少女のように美しいだけではなくて、強さも感じられるようになりました。スケート年齢的にジュニアと変わらないんだから、いまからでももっと伸びても不思議はないです。来季が恐ろしく、楽しみ。
エヴァン君欠場のため、アメリカのエースとして出場。枠取りの責任を一身に負った中での素晴らしい演技。ほんとうにおめでとう。美しいものを見せてくれて、ありがとうございました。


●高橋大輔選手(日本)
「ロミオとジュリエット」
固唾をのんで、見守りました。
最初の4T、降りた!
絶好調の高橋選手のものほど幅のあるジャンプではありませんでしたが、まず降りた。ホッとしました。でもSPの印象ではどうもジャンプが万全ではないし、さて、つぎのジャンプは、安全を見て3Fか、と思ったら、なんか軌道が違う!
4T跳んだ! しかし、転倒……。
この曲の前半、けっこう余裕がない構成なので、つぎの3A間に合うかと心配しましたが、こちらはなんとか堪えた。まだまだ序盤だし大丈夫落ち着いて! サーキュラーステップは素晴らしい出来栄え、ただ、コンボスピンの沈み方が、あれ、四大陸のときとまたフォームが違う? 全日本のときみたく、深いシットスピンに戻っている気がしました。あのスピンは体力を使うはずなので、後半にバテないといいなあ……とハラハラ見守っていた矢先、3Aコンボでお手つき。うーん、頑張れ!
つぎは得意の3F、立て直してくれるといい、と思ったのですが、とても綺麗でしたね。大ちゃんのフリップはほんとに綺麗で好きです。ああ、立ち直ってきたな、良かった、と、ホッとしたつぎの瞬間、成功した3Lzのあと、セカンドジャンプを跳んだのを見て、一瞬呼吸が止まりました。
うそ。
これはザヤックでは。
いやいや、わからない、2番目の転倒した4Tが何回転の判定になったかによるから。3T判定であれば、コンビネーションは生きるはず。頼むテクニカルコーラー! 
念じたのですが、結果は4Tの回転不足。3Lzコンボはザヤックルールにより、ノーカウントとなりました。
しかし、演技的には、3Fで立ち直ったあとの高橋選手の動きには、キレが戻ったと思います。もちろん、四大陸のときほどの伸びやかさはありませんでしたが、スピンにも、ストレートラインステップにも、高橋選手の持ち味である激しさ、ドラマティックな香りが、取り戻されたように感じました。イエテボリのお客さまたちに、あの大変な高難易度のステップを、難易度を感じさせずにやすやすと踏み、物語世界を作り上げる、高橋大輔選手の演技のエッセンスをお見せすることができて、最後に、ほんとうに良かった。
のちの報道によれば、ニコライ・モロゾフコーチは、事前に、4回転は1度にしよう、と、アドバイスしていたそうです。2度のクワドに拘ったのは高橋選手でした。それを聞いて、とても良かったなと灰原は思いました。
昨年の高橋選手は、モロゾフコーチのアドバイスに忠実に演技して、メダルを獲得した印象でした。良い生徒、だったというか。だけど今年は、独立したひとりのスケーターとして、コーチと対峙し、自分が広げたい表現を追い求めた。結果的には失速となりましたが、確実に成長だと思います。そして、自分の判断で勝負に挑めたということ、結果がどうであっても、選手にとって一番大切な、演技についての決断という責任をコーチに丸投げにせず、自ら負った、ということも、素晴らしいと思います。これは安藤美姫選手についても思ったところです。
ひとりの競技者として、つっかい棒なしで立つと腹を括った。これからの高橋大輔選手の変化が楽しみです。来季も素敵な演技を見せてくれるとうれしいなあ。とにかくおつかれさまでした。


さて、長くなってきたので、記事をわけます。
つづきは、「イエテボリワールド 男子FS感想 その3」でどうぞ~。



ダイナバナ
女神幻想ダイナスティア は乙女のためのコミュニケーション重視のMMOオンラインゲーム。

争いのない世界にあなたも遊びに来てね。
今なら無料で遊べます!


お買い物バナ

※乙女なショッピングモール「乙女のおかいもの」でもうきうき情報紹介中!


ダイナ情報バナ

※メルマガ「ダイナスティア情報局」登録はこちらから!