他人に、ゆうべの夢の話を聞かされるのは困惑ものだと承知していますが、あえて聞いてくださいよ!
ブログ書きながら、うっかりPC前でうたた寝していて、エミリー・ヒューズ選手が、大統領選挙に出ている夢を見ました。
スーパーチューズデイで圧勝して「どうよ!」と自信まんまんに笑っているところが、テレビのニュースで報道されてて、「ああ、エミリー、また忙しくなっちゃうなあ。来年のGPSはどうするのかしら」と、思ったところで目が覚めました。
どんな夢よ。
っていうか、夢に出るほどエミリーのことが気になっていたとは、自分でびっくりですよ。
っていうか、エミリー、本気で大統領になったらどうしよう。
いまはありえないですけど、なにしろハーバードですし、遠い将来にはそっち方面いってもおかしくない人材ではある……。
ホワイトハウスで「どうよ!」パワー炸裂か!?
……えー、夢の話はこれくらいにして、イエテボリワールド女子シングルFS、感想いってみましょー。
れっつらゴー!
●キミー・マイズナー選手(アメリカ)
SPでは、久々にキミーらしい、元気のいい滑りを見せてくれたキミー。FS「トゥーランドット」。どーでもいいけど、SPでは控えめだった、アナウンサーさんのリリカルな実況がFSでは全開です……昨日が奇跡だったのかしらー。
冒頭の3F+3Tは綺麗に降りたように見えましたが、ジャッジはロング&回転不足。けっこうガッツリ点を引かれています。厳しい。
つぎの3Lzコンボは大丈夫。ルッツはずいぶん取り戻したみたいですね。
スパイラルは加点があり、コンボスピンのシット体制など、キミーらしい、きちんとしたポジションで、スケーティングに伸びもありましたし、良かったと思います。たしかに、3Lz、3S、とミスはありましたが、いまの彼女の全力を見せてくれたと思うし、この場所でそれをすることがどれほど難しかったか、ファンはみんな知っています。だって、去年、今年ほど調子が悪くはなかったというのに、キミーは東京で、自分の演技をすることができなかった。転倒がどうとかでなくて、気持ちが途切れなかったということが、なにより素晴らしかったと思います。キスクラでの表情も穏やかで、ホッとしました。
今回のイエテボリ、順番でいったら、カトリーナ・ハッカー選手が派遣されてもおかしくはなかった。けれど、全米スケ連はキミーの再起にかけました。わずかに時間で、よくこたえたと思います。頑張りましたキミー。7位入賞おめでとう。よくやった。キミーを信じてくれた全米スケ連の方々もありがとう。
来季はコーチはどうするのかな。キャラハンコーチのもとに留まるにしても、グレゴリーコーチのもとに戻るのだとしても、来季のキミーは今年より倍恐ろしい、そう思います。頑張って!
●サラ・マイヤー選手(スイス)
昨季、今季、と、日本のコンポーザーの曲を使っているからかもしれませんが、ふしぎとオリエンタルな雰囲気を感じるサラちゃんの演技。故障を抱えて、スピードはいつもよりなかったかなーという気はしましたが、丁寧にすべてのエレメンツを演じていて、とくに、エリックではノーカウントの憂き目を見たコンボスピンのシットポジションなど、非常に注意深く演じられている印象でした。見ていてとても癒される演技でした。
サラちゃんはサルコウが得意なのですね。ロングエッジ対策ということで、フリップの代わりにサルコウを入れています。得点的に、ロング&転倒になることを考えると有利なのももちろんだけど、本人が自信をもってるのがすごいわかって、いい判断だなと思いました。
しかしなんだろう、サラちゃんの、この癒しの。清清しいこの持ち味、彼女だけのものです。サラ・ブライトマンさんの歌とかで「スカボロフェア」とか滑って欲しいなあ。絶対似合うと思う。
6位入賞おめでとう。来季は、まずはヨーロッパ女王獲りにチャレンジってかんじでしょうか。3+3練習してるんですよね。同年代のロシェ兄さんも中野友加里選手も3+3にチャレンジ中。3+3は10代じゃないとチャレンジできないなんて迷信ですよね。頑張って!
●安藤美姫選手(日本)
美姫ちゃんの演技については……言葉が見つかりません。どれほど悔しかったでしょうか。
怪我をしている足で、素晴らしい3Lzでした。ジャンプの女王の心意気を、充分に見せてもらえました。ありがとう!
スケ連とモロゾフコーチが用意した棄権届にサインをせず、自分の意思でリンクに出、自分の意思でリンクを去りました。立派な姿だったと思います。モロゾフコーチはたしかに超一流のコーチですが、安藤美姫選手もまた、超一流の、大人のアスリートです。自分の意思のない人が勝てるほど、スポーツは甘くありません。
他人の言動に翻弄される幼い時期は脱し、苦しみも喜びも自分自身に引き受けて、ほんとうに強くなったと思います。リンクでイエテボリのお客さまに挨拶する美姫ちゃんは、かつてないほど美しかった。故障が多くて大変なシーズンでしたが、お疲れさまでした。
来季は、練習環境とともに、フィジカルのコンディションについても、よく整えて欲しいと思います。
肩の手術をするそうですが……野球選手に、いいお医者さん知らないか、聞いてみたらいいんじゃないかなー。メジャーリーグのピッチャーがいちばんそういうこと知ってると思うんだけど。日本でも桑田真澄投手とか、知ってそうですよね。いいトレーナー、フィジカルトレーナーとともにメンタルトレーナーも、ライバルたちはもうつけているので、ぜひつけて欲しいと思います。
●アシュリー・ワグナー選手(アメリカ)
GPSでは恐れ知らずの娘っこに見えたアシュリーちゃんですが、イエテボリでは緊張が出たみたいですね。ちょっと失敗の多い演技となってしまいました。本当はもっとできるのに、と、きっと本人が思っているはず。いいことです。
恐れを知らない心、というのは、いろんなことを知らないからこそ持てるものじゃないのかな。2005/2006シーズンを席巻した浅田真央選手や、キミー・マイズナー選手はまさにそういう状態だったと思うんですけど、彼女たちにもプレッシャーに苦しむシーズンが訪れました。今年そこを経験して、乗り越えるチャンスを得られたのは良かったと思う。彼女のライバルである、ミライ・ナガス選手や、キャロライン・ジャン選手は、もしかしたら来年そのプレッシャーに直面するわけですから。ロスではアメリカ女子は2枠なんで、枠獲りの全米からすごいプレッシャーだと思うんですけど、いちど厳しいところを潜ったアシュリーは強いと思いますよ。
ジャンプは全体に不調でしたが、スパイラルはさすがの美しさ。アメリカ女子はほんとうにスパイラルのレベルが高いなあ。
多分内心はがっかりだったと思うんですけど、ニコニコしながらキスクラに戻ったのはえらかった。そう! 転んでも笑わないと! エミリー・ヒューズ大統領もそう言ってる!(また夢の話か!)
●ジョアニー・ロシェット選手(カナダ)
きゃー☆ 兄さん、頑張って~!
茶の間で黄色い声を出す灰原を、冷たい目で見る家族たち。いいじゃないかファンなんだよ!
「ドン・ファン」。昨季からの持ち越しプログラム。やはり、落ち着いていますね。
冒頭は3Lz+2T。3+3は自重したもよう。ちょっとお手つきしたみたいすけど、それがなんですか。灰原的には、予備動作のときの背筋の張りだけでGOEプラス3ですよ。
2番手のミラちゃんの得点が、わりに伸びなくてですね、カナダの枠取りは兄さんの双肩にかかってたわけですけど、カナダ女王の重責は充分に果たされたと思います。
昨季からルッツに苦しんでいた兄さんですが、今今回はルッツが綺麗に入ってよかった。そして、なんといってもストレートラインステップ。素晴らしいキレ! 男性的な迫力のある曲調によく似合います。
ちょっとジャンプの着氷にバラバラしたところがありましたけど、だいぶ、いいときの兄さんの演技に戻ってきた感じがする。スピンとかは、丁寧にレベル取れてて、得点はけっこう伸びました。入賞おめでとう! キスクラでコーチとハグする姿さえもカッコよかったです。
来季は「トスカ」滑ってくださいよ兄さん。絶対似あうって!
●カロリーナ・コストネル選手(イタリア)
灰原の大好物2連続。カロちゃん頑張って~! またしてもテレビのまえで熱烈応援の灰原。ロシェット兄さんを応援するときには、アイドルのファンのごとき心境なのですが、カロちゃんを応援するときには、孫を応援する祖母のごとき心境です。
最初の3F+3T+2Loは綺麗に決まった! 加点も1点ついて、12点です! クワドコンボ並みの得点。女子にこれやられちゃあかなわないなー。
続く3Lz、3Fはバラけましたが、なんとか堪えた。
圧巻はスパイラル。スーパーカーというか、超特急というか、ぐいーんぐいーんっと伸びる伸びる。リンクが小さく見えます。
ステップはちょっと惜しかったかな。ちょっとつっかかってレベル3。いまの彼女なら、ステップはレベル4取れると思うんですが(さらっと言う灰原)、カロちゃんの場合、不確定要因の多いジャンプはどうしてもミスが発生するので(もはやマストですわ)、ステップで得点取れるようにすると、すごく精神的にも安定して、逆にジャンプも安定すると思います。それにしても今回、いつ転んでもおかしくないくらいジャンプは軸が曲がってたのに、よく堪えたなあ。頑張りました。
SPで首位に立ったと知っただけで、ファンとしては、いい夢見させてもらった感じだったんですが、FSでここまで踏ん張るとは! カロちゃん確実に進化してますね。公式サイトに、ついているメンタルトレーナーの名前が入っていたり、所属しているオーバースドルフのアイスドームにも、サイコセラピストがついていたりと、メンタルトレーニングの環境が万全なことも影響しているのかな。このところオーバースドルフ組(クリストファー・ベルントソン選手、トマシュ・ベルネル選手、ステファン・ランビエール選手、サラ・マイヤー選手、スザンナ・ポイキオ選手など)が好調なのは、充実したメンタルサポートの賜物かもしれないですね。永遠の未完の大器と呼ばれたカロちゃん、ついに天才は真に覚醒するか!? セラピストの手腕にも期待です。
だけどね、彼女がどんなにたどたどしい滑りを見せても、どんな瞬間でも灰原はカロちゃんのスケートを見てると幸せになれるんですよ。大好きですカロちゃん。銀メダルおめでとう!
●キーラ・コルピ選手(フィンランド)
ああ、美しいなあー。美しい人を見るのは幸せだなあ。
氷上に立ってくれただけで、もはやPCS40点くらい出したい、美貌のコルピ選手。FS「オペラ座の怪人」は、昨季からの持ち越し。できれば会心の演技を……と期待したのですが、やっぱり最終グループ入りということで、緊張しちゃったですね。ちょっとミスが多かったかな。
だけど、中盤の3Loはすごく綺麗だったし、今年はほんとにスピンが上手になりましたよね。以前は、回転しながら動いちゃったりしてたんだけど、ぜんぜんそんなことなくなったし。夏季ミーシンキャンプの賜物でしょうか。
ヨーロッパ選手権ではメダル常連となって、いよいよ世界トップグループ入りが視野に入ってきました。まだ10代で、若いのに、背後から年下に突き上げられてるあたり、キミーや美姫ちゃんにちょっと似てるかな。来季、3+3を安定させて、まずはGPSの表彰台を狙ってくると思う。着実にレベルが上がっていて、楽しみな選手のひとりです。頑張って!
●キム・ヨナ選手(韓国)
FS「ミス・サイゴン」。何度見ても、すっごくイイプログラムですよね。華やかな金管の曲調が、ヨナちゃんの滑りを引き立てます。
冒頭の3F+3Tは、いつもながら、ため息が出るほど完璧な出来栄え。綺麗だわあ~。ただ、着氷後の伸びが、いつもよりないのが気になった。やっぱり股関節と腰、痛いんだなあと、見ててわかりました…。
そのあとも、痛みに耐えて、よく頑張ったヨナちゃん。スパイラルシークエンスのあとの2A+3Tには、参りました。すごく綺麗。
ルッツに1度すっぽ抜けがありましたが、ほかには大きなミスはなく。ただ、ステップとか、ふつうに考えたら素晴らしいんだけど、ヨナちゃんのスケートはもっと伸びるの知ってるから、ああ、苦しそうだなというのがほんとにわかって、頑張れ、頑張れ、と、祈るように見てしまいました。よく頑張ったと思います。FS1位、ジュニアゴールドメダル獲得おめでとう! 銅メダル獲得おめでとう!
絶対の優勝候補と見なされていたのに、故障で一転、出場も危ぶまれたイエテボリ。出てきてくれてほんとうに良かった。今年のプログラム、両方とも灰原は大好きだったから、見られてほんとうにうれしかったです。
最近はオーサーコーチに教え子が増えて、先輩になったヨナちゃん。来季はどんなチャレンジをするのかな? 楽しみです。頑張って!
●浅田真央選手(日本)
冒頭の3A、ジャッジの前で、すごく大きな転倒をして、怪我でもしたんじゃないかと思ったんですけど、すぐ立ち上がり、なんと見事な3F+3T! 素晴らしいです!
ルッツはロングを取られたようですが、減点幅は最小ですんでます。やっぱ全体の流れが美しいから、引けないですよね、ジャッジも。ただ、スパイラルのレベルが、SPと並んで取りこぼしてたり、スピンもとりこぼしてたり、ジャンプ以外のところで、コーチ不在の練習で苦しかったんだな、というところが仄見えて、胸が痛くなりました。
ジャンプだけ飛べれば勝てる時代ならともかく、いまはそうではないから、飛べたとしてもジャンプもエッジとか、着氷姿勢とか、回転とか、細かくチェックされますし、スピン、スパイラル、ステップにいたっては、微妙なミスでもレベルが下がって取りこぼしてしまう。新しいコーチは絶対に必要だと思います。
これだけ取りこぼしてるのに、フリー120点越えはさすがです。
灰原は、今年は、表現者としての浅田真央選手の、意思の片鱗が見えたシーズンだと思っていて、ただ点がとれるように、ただ美しく、滑るというんではなくて、彼女ならではの表現が出てきたと思うんですよ。サーシャ・コーエン選手のような可憐さではない。イリーナ・スルツカヤ選手のような生命力の奔流でもない。荒川静香選手のような神々しさでもない。真夜中の森で見上げる月のような、ストイックで迷いのない、道しるべのようななにか。
もっと浅田真央選手の「表現」が見たいです。
絶対、来年には、「2連覇!」と言われると思うんだけど、そのへんはあんまり気にせずに、自分のスケートを追及してくれるといいなあ。
金メダルほんとうにおめでとう! 頑張って!
●中野友加里選手(日本)
「スペイン奇想曲」。中野さんは、復活のきっかけになったプログラムが「ドンキ」だったし、スペインものとは相性のいい印象があります。
素晴らしい演技でした。
冒頭に3A挑戦。安藤美姫選手が棄権して、枠獲りのプレッシャーがかかる中、相当気持ちがなければあれはチャレンジできない! 「降りられるに決まっている」という、強い自信を感じました。かっこいい!
続く3F+2Tコンボも綺麗。スピンはほんとうに速いですね。中野選手がスピンに入るたび、場内が沸きあがるのを感じました。
スパイラルシークエンスもいい表情。3Fでちょっとミスが出ましたが、直後の3T+2T+2Loは流れもあってほんとうに良かった! サーキュラーステップもすごく深く、スピーディに踏めていて、素晴らしい出来栄えでした。こんなにいい中野選手は見たことない。灰原も自宅でスタオベしました。
結果的に、3Aは回転不足と判断され、得点もあんまり伸びませんでした。今回ちょっと厳しかったですね。非常に正直にいって、今回、どのカテゴリーでもヨーロッパ外の選手にたいしては点が辛かったと思うんですけど、これはどこでもあることで、たぶん、東京ワールドとかNHK杯とかでは日本の選手は得もしてるんですよ。
得点にたいして、穏やかに受け止めている中野選手に品格を見ました。順位は4位でしたが、女子FSの全体で、いちばん観客を喜ばせた演技だったんじゃないかなと思います。
得点より順位より、フィギュアスケートの競技人生の中で、世界選手権という場所で、中野選手がこの演技ができたことをお祝いしたい。おめでとう!!
来季こそ、ワールドの表彰台が欲しいですよね。届く力はある。世界に見せ付けたと思います。頑張って!
FSが地上波放映ならなかった選手たちについても、後日、鑑賞予定です。見られたら、そのうちなんか、感想を書く…かもしれません。
表彰式の君が代が生歌でちょっとびっくりしました。そして、退場がABBAだったのにも、びっくり。やっぱりスウェーデンだからな。
「The winner takes it all 」。
……神々はサイコロを投げる。氷のように冷徹に。誰かが倒れ、勝者はすべてを得る。そしてまた、ゲームは始まる……
長い戦いに疲れて、傷ついた体を癒したら、ロサンゼルスへの道は、すぐにはじまります。
でもいまは、選手たち全員に、おめでとうとお疲れさま、そして、感謝の言葉を言いたいです。
たくさんの素敵な演技をありがとう! ティラミスでも食べて(byカロちゃん)、しばらくゆっくりしてくださいね。
さーて、いよいよ男子シングル、開幕ですよ!
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