新採点法で有利性が損なわれたといわれ、トリノシーズンまでは演技に採用する選手も減少傾向にあった、4回転、クワドラプルジャンプ。
昨季、GPSロシア杯。ブライアン・ジュベール選手が、FSで3度のクワドを降りたのを皮切りに、ふたたび空中戦が、男子シングルを席巻しようとしています。
20年前、世界ではじめてクワドラプルを降りた人、カート・ブラウニングさんのクワドについてのコメントを中心にして、イエテボリの勝敗を占う、長い記事を発見しました。こちら→ http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/LAC.20080315.SKATE15/TPStory/Sports
タイトルは『Chasing the quad』。クワドを追い求めて。
これがねー…長いからスルーしようと思ったんだけど、読んだら面白かったんですよね(困るなー)。
とにかく長い記事なので、全文翻訳は難しいんですけど、激しくダイジェスト(!)しながら、日本語に書き取ってみますね。
機械翻訳頼りに、雑に書き飛ばしますので、おそらくミスがあると思う。恐れ入りますが、読み取り間違いには、ご容赦をお願いいたします。
【globeandmail.com:クワドを追い求めて】
クワドルフルトゥループに挑むとき、スケーターは時速32キロで氷上から跳びます。そして、厚みわずか1/8インチ(3ミリ強)のブレードで着氷します。滞空時間は0.5~0.7秒。科学的研究によって、着氷の瞬間、スケーターの軸足に体重の15倍の加重がかかると突き止められています。
カート・ブラウニング選手が世界で初めて公式に成功させてから20年後、4回転ジャンプは、いまだスケーターにとってエベレストのままです。
ブラウニング選手の国内最大のライバルであったエルビス・ストイコ選手は、ブラウニング選手の成功後、1990年代序盤、クワドラプルマスターとなり、ロシア人たちも素早くあとを追いました。さらに、他の選手たちも追随しました。
1999年ヘルシンキワールドで、観衆は14人の選手がクワドを降りるのを目撃しました。翌年のニースワールドでは、20人がクワドに成功しました。彼らのうち12人がSPにもクワドを採用していました。
しかし、2002年、ソルトレイク五輪での採点スキャンダルのあと、採用された新採点方式は、競技の勝敗におけるクワドラプルの重要性を減らしました。
現在、4Tには9点の価値が設定されています。一方で、3Lz+3Tのコンビネーションは10点です。3F+3Tの組み合わせは、9.5点。3A+3Tにいたっては、11.5点もの価値があるのです。
「SPにクワドを組み込むのはあまりにも危険です」
カナダスケート連盟理事、ルイス・ストング氏はコメントします。
「成功できれば、栄光を掴むことができます。しかし、少しでもなにかがかみ合わなければ、回転不足が起こり、転倒が起こり、コンビネーションの失敗が起こる。クワドがスウェーデンでどれほど勝敗に絡むか、興味深いところです。私は、クワドがそれほど勝敗を左右するとは思っていません」
4回転は、怪我でイエテボリワールドのエントリーを撤回した全米チャンピオン、エヴァン・ライサチェック選手を、四大陸選手権において助けませんでした。彼は、SPで4回転に挑む数少ない選手のひとりです。しかし、日本の高橋大輔選手は、SPにおけるクワドなしで、ライサチェック選手の頭越しに四大陸タイトルを獲得しました。
新たなシステムでは、勝利のためにSPでクワドを試す理由はないと、ブラウニング氏は語ります。しかし、ジェフリー・バトル選手は、昨季東京ワールドを6位で終えたあと、男子シングルにおけるクワドの必要性を痛感したといいます。
「新採点下でのはじめてのオリンピックだったトリノ五輪では、プログラムの技術的な内容の低下が、たしかにありました」と、バトル選手。「だけど、昨季東京の世界選手権で、ぼくらは、プログラムの難易度が、再び上昇方向に転じたのを目にしたのです。ぼくらが新採点法に慣れるまでのあいだ、ちょっとだけお休み期間があったわけだけど、いまとなっては、以前より要求されるものは多いです」
4回転は簡単なジャンプではありません。カート・ブラニング氏は、クワドの価値をトリプルよりもっと上げなければならないと主張します。
クワドにおける不確実性が少ないスケーターは、世界的にきわめて稀な存在です。しかし、数人はいます。ブラウニング氏は、クワドの申し子として、フランスの『4回転モンスター』ブライアン・ジュベール選手の名をまず挙げました。つぎに、昨季ワールド、FSで、2度のクワドに成功した、チェコのトマシュ・ベルネル選手の名を。
今年のワールド優勝最有力候補、日本の高橋大輔選手も、クワドにおいてミスをすることが少ないタイプであると、ブラウニング氏は語ります。
かつて、ブラウニング氏の時代、4回転ジャンパーは、しばらく滞空し、やがて回転を開始しました。
現在のクワドジャンパーは、回転以前の滞空時間をとりません。ブラウニング氏は、現代の効率的な技術を評価します。しかし、「近道を使った」現代のクワドジャンプは、かつてのものより、小ぶりです。
過ぎし日のクワドジャンプは、たいへんゴージャスに見えたと、ブラウニング氏は言います。そして、ブライアン・ジュベール選手のジャンプは、古い時代の4回転の名残をとどめた、大きさ力強さがある、とも。
現代のトップスケーターは、本質的に、トリプルジャンプのタイミングに合わせて鍛えられた筋肉を持っています。クワドのタイミングは、どんなトリプルとも違います。そしてクワドジャンプは、身体に多大な負担を強います。
ソルトレイク五輪チャンピオン、アレクセイ・ヤグディン選手は、股関節の故障のため、競技から遠ざかることを余儀なくされました。エルビス・ストイコ選手は、1998年長野五輪で、内転筋を故障しました。そして、トリノ五輪チャンピオン、エフゲニー・プルシェンコ選手もまた、腰と鼠径部の故障で苦しみました。
それでも、まだ、フィギュアスケートにクワドは必要なのでしょうか?
「必要です」と、ブラウニング氏はこたえます。「それは楽しく、それは面白く、正しくなされたとき、美しくさえあるのです」
はい、ここで終了です。原文は3ページにもわたる長い記事なのに、相当縮めましたので、ご興味のある方はぜひ原文をどうぞ! ブラウニング氏やストイコ氏の選手時代の逸話なども盛りだくさんの記事で、ほんとに読み応えあります。
新採点法によって、クワドの価値が上がったのか下がったのか? よく問われる命題ですが、灰原は素人考えで、クワドの価値そのものが下がったわけじゃないんでは? と思ってます。スピンやステップ、スケーティング技術が精査されポイントを与えられるようになったことによって、相対的に価値が下がったように見えるだけなんじゃないかと思うんですよねー。
ジャンプの技術だけがフィギュアスケートではないから、クワドがない選手でも、優れた演技には相応の得点があっていい、と、灰原は考えるのですけども、ダイナミックなクワドジャンプが、男子シングルの魅力であるのも事実。
イエテボリワールドで、クワドが勝敗を決することはないのでは? と語る関係者も多くいつつ、選手たちは「勝つためには、やっぱり必要」という見解なんですね。ジェフリー・バトル選手のコメントを見て、そんなことを思いました。
ブラウニング氏が、「4回転の不確実性が少ない世界でも稀な選手」として、高橋大輔選手の名を挙げているのをを見て、昨季前半には、FSにも4回転が入らなかったのに…! としみじみしてしまいました。「NHK杯で4回転にチャレンジします」というコメントを聞いて「大丈夫なのかしら…」と、おろおろ心配しましたっけ。それなのに、今年はFSに4回転2回だもんなあ。
男子シングルのプログラムの難易度がふたたび上昇していくのと、軌道をひとつにして、高橋大輔選手も進化していってる気がしますね。
時速32キロのテイクオフ、0.5秒の滞空時間で4度の回転。着氷時の衝撃、体重の15倍。
文字通り、身を削る技術である、クワドラプルジャンプ。選手たちが、どれほど難しいことをやっているのか、再認識できた記事でした。襟を正してイエテボリも観戦したいと思います。みんな頑張れ!
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