先日、ピセーエフ氏のインタビューを掲載していたロシアのスポーツサイト【ALLSPORT】が、川口悠子選手の最新インタビューを掲載していました。
原文はこちら→ http://www.allsport.ru/archive.php?id=11867&s_s=106&s_d=5&s_m=2&s_y=2008&b=0&l=20
記事がトップページに掲載されていたあいだは、なぜか安藤美姫選手の写真が添えられていて、なぜだ、ってかんじだったですが。記事中に(写真は川口選手)って書いてあるんだけど、どこからどう見ても美姫ちゃんだった……さすがロシア!!
えー、それで内容は、ちゃんと川口悠子選手のインタビューです。
ロシア語からの機械翻訳なので、いつも以上に間違いが多い内容になるかとは思いますが、この記事、日本語にしてみたいと思います。わからないところは想像で補ったり、飛ばしたり、記事そのものもダイジェストしたりしますので、よろしければ原文もご覧いただけるとうれしいです。そもそもタイトルの意味もよくわかんない(わああー)。
そんなわけで、頼りなくて申し訳ありませんが、それでは、本文にお進みください。
【ALLSPORT:川口悠子選手インタビュー】
2006年夏、サンクトペテルスブルクで、ロシアのアレクサンドル・スミルノフ選手と日本の川口悠子選手がパートナーシップを組んだとき、誰も彼らの今後の人気を予測しませんでした。
あらゆる国際大会で、ロシアから国外に所属を転出したスケーターを見ることができます。アゼルバイジャンからジンバブエまで。
しかし、ロシアトップチームの所属として外国人が迎えられたことはありません(灰原注:いままで旧ソ連の国家、たとえばベラルーシとかウクライナとかからロシアへの転属はありましたが、ロシア的には彼らは半分ロシア人みたいに思われているんですね。完璧に旧ソ連ともなんの関係もない国の出身者がロシア代表入りしたのは川口選手が初めてです)。この国際的なペアが結成されたことじたいが、たいへんなセンセーションでした。
彼らふたりは、ロシアタイトルを掴み取り、ヨーロッパじゅうに有力スケーターと見なされるまでに、ペア結成から2年弱しか費やしていません。
川口悠子選手は、非常に流暢なロシア語を話します。【ALLSPORT】では彼女に、彼らチームの今後や、彼女自身の人生観、スケート観などを取材しました。
ALLSPORT:
ザグレブのヨーロッパ選手権では、ロシア選手権であなたがたが勝利したムホルトワ&トランコフ組に、順位を譲ることになりましたね。
結果について、順当だったと思われますか?
川口選手:
わたしたちは、誰でもいろいろな結果を予想しながら練習します。
予定にそってすべてのエレメンツを実行し、クリーンな演技をするのは重要なことですから。
ALLSPORT:
あなたがたのプログラムのハイライトは、スロークワドサルコウの成功でした。
ロシアナショナルで、あなたがたはスロークワドに失敗しましたよね。ザグレブでは、スロークワドを回避し、エレメンツを手堅くまとめる方法もあったと思いますが、あなたがたは挑戦しました。
川口選手:
スロークワドを降りられたのは、もちろん、うれしいです。でも、大技をはじめて成功できたために、そのあと、わたしたちは集中力をなくして、ほかのエレメンツでミスを犯してしまいました。
ALLSPORT:
スミルノフ選手が、幾分……。
川口選手:
ペアで演技するとき、相手のミスを責めてはいけません。ふたりの成果も、ふたりのミスも、ふたりのものです。それが正しいやりかたです。
誰でもミスはするものですから。
ALLSPORT:
あなたが影響をうけたロシアのフィギュアスケーターはいますか?
川口選手:
わたしの母はロシアのアイスダンスのファンでした。それで、わたしはリンクに通うことになったんです。5才のときでした。それから10年間、わたしは文字通り猛練習に励みました。その中から、なにかが得られたと思います。わたしには、いいスケーターになりたいという願いがあります。
ALLSPORT:
タマラ・モスカヴィナコーチに、見出されて門下についたのですか?
川口選手:
いいえ。
わたしは、長野五輪で見た、エレーナ・ベレズナヤ&アントン・シハルリドゼ組の演技に恋をして、エレーナのようになりたいと願ったのです。そして、当時アメリカを本拠にしていたタマラ・モスカヴィナコーチ(ベレズナヤ&シハルリドゼ組のコーチでした)に英文の手紙をFAXで送ったのです。
モスカヴィナコーチはわたしを受け入れて、どうやって探し出したのかはわかりませんけど、日本スケート連盟所属としてわたしとともにペアを戦ってくれた初のパートナー、アレクサンドル・マルクンツォフ選手まで見つけてくれました。
わたしは、いつもモスカヴィナコーチのことを、こう呼んでいます。第二のお母さんって。
たんにわたしの先生だというだけでなく、すべてのペアスケーターにとって、モスカヴィナコーチの知恵は偉大だと思います。
生徒が問題にぶつかり、アドバイスを必要とするとき、タマラはいつでも助けてくれるんですよ。
ALLSPORT:
ペアスケーターとして、日本ではなく、ロシアスケート連盟に籍をおくように、アドバイスされたのですか?
川口選手:
いいえ。所属のことは、わたし自身で決定しました。
わたしたちは結成当時、ニコライ・ヴェリコフコーチについていて、そこからモスカヴィナコーチに移りました。
わたしは、言葉ばっかりでなくオリンピックに出場したくて、そこでメダルを獲得したいです。
日本人どうしのペアが、上位に食い込むのは、不可能くらいに難しいんです。
ALLSPORT:
ずっとロシアに住んでいて、ロシアの勝利について話していて、嫌になることはありませんか?
川口選手:
わたしは、ロシア人コーチや、ロシア人パートナーと長くやってきました。
サンクトペテルスブルクも快適なところです。
もちろん、日本は素晴らしいですよ。
ALLSPORT:
アメリカのバスケットボール選手、ジョン・ロバート・ホールデンは、5年間モスクワで暮らし、ロシア代表チームに欧州選手権の金メダルをもたらしましたけれど、彼はロシア語をあまり解しません(灰原注:J・R・ホールデン選手はCSKAモスクワ所属のバスケユーロリーグの有名選手。ロシア以前にラトヴィアやベルギーのチームでも競技歴があります。プーチン大統領が、彼のファンであるあまりロシアの市民権を授与したとか言われていますけどほんとかなあ。ロシアならありえるかなあ。2007のバスケ欧州選手権にロシア代表として出場、金メダルに貢献。スペインとの決勝、勝利を決めたのは試合終了2秒まえの彼のブザービーター! かっこいいのです)。
川口選手:
長くその国に住むなら、郷に入れば郷に従うのがいいと思います。
アメリカからサンクトペテルスブルクに引っ越してきたとき、わたしはロシア語を学ぶことにしました。
最初は本で勉強して、あと、英語でロシア語を教えてもらったりして、そのあと、サンクトペテルスブルク州立大学の国際関係学部に入って、昨年の夏、卒業しました。
ALLSPORT:
ロシア語で試験にパスするのは難しいですか?
川口選手:
女友だちにいくらか助けてもらいましたけど、試験じたいは普通の方法でパスしました。
大学でした勉強は、近い将来役立つと思います。
母国とロシアのあいだに解決されていない問題があるとか、母国が二重国籍を許していないとか、そういうことには関係なく、わたしはロシアの市民権をどうするかについて、決定しなきゃいけません。
ALLSPORT:
あなたは最後の研究テーマとして、クリルロシア……つまり『北方領土問題』を選んだそうですが、ほんとうですか?
川口選手:
ええ、ほんとうです。
わたしは、この問題を解決するためのモデルを作りたいと考えています。
ALLSPORT:
国籍や恒久的な市民権がなくても、世界選手権とヨーロッパ選手権には出場が可能です。しかし、オリンピックに参加するためには、ロシアのパスポートが必要です。
川口選手:
わたしは、外国人労働許可証をロシアから与えられています。これは、市民権への第一歩です。
わたしたちは、バンクーバーで、ロシアのために戦うことができると思います。
ALLSPORT:
ずっとサンクトペテルスブルクにお住まいのつもりですか?
川口選手:
タマラにアドバイスされて、フィンランド駅の近くにアパートメントを買いました。
ALLSPORT:
自宅にパートナーは招待するんですか?
川口選手:
わたしたちは、競技とトレーニングのときだけ、いっしょにいるんですよ。練習が終わったら、それぞれ自由です。
ALLSPORT:
ロシアの日本食レストランには行かれますか?
川口選手:
ロシアで日本のものだと呼ばれているお料理を、わたしは、「和食」とは呼べません。
自宅でお料理しようとするんですけど、けっこう難しいです。
アメリカに暮らしていたとき、隣人はイタリア人でした。その人に、パスタとラザニアの作り方を習いました。
サンクトペテルスブルクではボルシチを習いました。
わたしはボルシチが好きです。だけど、ロシアの人たちみたいには、上手に作れないんですよ。
ALLSPORT:
最後にお聞きします。
あなたの名前の正しい発音方法と、正しい綴り、どう書けばいいのかを教えてください。
川口選手:
日本語の表記は、ひらがな、カナ、漢字が使われていて複雑なんです。わたしの名前は、英語かロシア語で書いてもらえればいいです。
英語圏内では、わたしはいつも「Kawaguchi」と書かれていたし、ロシアでもDHL(国際宅急便)の送り状には「Kawaguchi」って書いてあれば、悠子のところに届きますよ。
以上、書き取り終了です。お疲れさまでした。
灰原はけっこうマメにロシアのメディアはチェックしてるんですけど、ライバルのムホルトワ&トランコフ組よりも、川口&スミルノフ組のほうが、メディアに取り上げられる頻度が高いように思います。現ロシアチャンピオンでもあるし、話題性もあるし、ということなんでしょうね。
川口選手、サンクトペテルスブルク大学に学んでいたことは知っていたのですが、まさか北方領土をテーマに研究していたとは。驚きました。
川口選手の口から「日本人どうしのペアが上位チームに食い込むのは難しい」というコメントが出てくると、事実なんだけど、ちょっと胸が痛みますね。高橋成美選手にも頑張って欲しいなあ。
ヨーロッパ選手権では、スミルノフ選手にミスが出て、減点がありましたが、「相手のミスを責めてはいけない」という川口選手。やっぱり長年ペアをやっているだけに機微を心得ているなあというか、頼もしいですね。
ロシアではたいへんな人気者になりつつある川口悠子選手、世界選手権で、ひとつでも高い順位を目指して、頑張って!
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