……まさか、こんなことが起きるとは!
全米選手権、男子シングル。FS終わっての結果に、灰原は呆然としています。
SPではジョニー・ウィアー選手が首位、エヴァン・ライサチェック選手がわずかなポイント差で2位につけていましたが、FSが終わって、エヴァン・ライサチェック選手は、「逆転しませんでした」。
けれど、全米優勝は、エヴァン・ライサチェック選手!
そうです。FS終えて、ジョニーとエヴァン君の総合得点は、同点、244.77ポイント!
同点の場合は、FS勝者が総合勝者となるというISUルールにしたがい、エヴァン・ライサチェック選手が全米タイトルを防衛したのです! 僅差も僅差、これほど接近したライバル対決がいままであったでしょうか。
女子シングルの、14歳の新女王誕生につづいて、全米選手権、怒涛の展開です。5連覇という偉業を達成したベルビン&アゴスト組が、偉業にもかかわらず、申し訳ないけど霞んで見える。演技は霞んでないんですけど……もう展開が。あまりにもドラマティックすぎて。
icenetworkの特集記事はこちらです→ http://web.icenetwork.com/news/article.jsp?ymd=20080127&content_id=43127&vkey=ice_news
よく言われることですが、ジョニーのFS「Love Is War」は、エヴァン君のそれよりも、難易度においてやや下がります。ステップを最高の出来栄えで滑っても、レベル3までしか獲得できない構成なんですね。これは、レベル4を狙って減点されるよりも、完璧なレベル3に加点をもらおうという積極的な作戦によるものです。
たいしてエヴァン・ライサチェック選手のFS「トスカ」は、ローリー・ニコル女史渾身の力作。ステップは完璧に滑りきれればレベル4を取れますし、ちょっとくらいミスがあってもレベル3は確実に取れるものです。つまり、プログラム的には、エヴァン君がやや有利。
2008全米選手権のFS、エヴァン・ライサチェック選手は、完璧ではありませんでした。4Tをツーフットし、2度の3Aの着氷で(片方はコンボです)、2度ともミスをしたのです。
しかし、見せ場のストレートラインステップでは全力の演技で観客を沸かせます。本人的にも、まず満足のいく出来栄えだったみたい。しかし、あとに滑るジョニー・ウィアー選手にたいして、セーフティーリードを確保できるほどの得点は出せませんでした。フランク・キャロルコーチの表情はなんだか微妙。
一方のジョニー・ウィアー選手は、ズミエフスカヤコーチの予告どおり、クワドに挑みましたが、ツーフット、トリプルフリップもわずかに着氷が乱れたようです。しかし、それ以外の要素は完璧。キスクラで得点を待ちます。
電光表示板に提示された得点は、エヴァン君と同じ、244.77ポイント。総合順位は2位です! 観客席は大騒ぎになりました。騒ぎの原因は、新採点法において、まずもって滅多に同点なんてことはありえないので(小数点以下2ケタですからね)、驚いたのがひとつ。あと、同点の場合はFS勝者の順位が先んじるという、ISUルールが知られていなかったであろうことがひとつ。それから、見た目にわかりやすいジャンプのミスは、エヴァン君により多かったので、得点にたいして異議を叫ぶ人もいたようです。まあ、ステップとかのレベルの見分けは、難しいですからね。
いやー、いままで同点って見たことはありますけど、この大舞台で、この対決において、そんなことが起こるとは。もちろんアメリカスケート史上初の事態だそうです。
ほんとうに驚きです。両雄相撃つというか。間違いなくアメリカフィギュアスケート界の語り草になるでしょう。
エヴァン君のコーチであるフランク・キャロル氏ですら、ジョニーを絶賛しています。
「私はエヴァンを見、ジョニーを見ました。そして、ジョニーの演技は素晴らしいと思いました。彼のジャンプは空中でまっすぐで、非常に美しかった」
もちろん、エヴァン君のことも誉めています。
「エヴァンは刺激的で、劇的でした」
エヴァン君は、「it was not my best performance, maybe a few nerves」、ナーバスになっていたために、今日の演技は自分のベストではなかった、と語っています。気持ち的には、すでにイエテボリを向いているようです。「Last season at worlds was the first time I was ever off the podium at an ISU event, except at the Olympics. I didn't like it」昨シーズンは、世界選手権の表彰台に上がれなかった。その状況が、自分は好きではない……メダル奪取宣言ですね。これからまたガンガンに練習するともコメントしていますし、イエテボリでの仕上がりも楽しみです。
一方のジョニーは「I feel fantastic, whether it's first place, second place or last place. I'm happy with the way I skated, except for those two little mistakes, the toe loop and the [two-footed] flip at the end」、順位に関係なく、今日の演技に満足している。演技終盤の3Fのミスと、2Tの抜け以外は、と語っています。もちろん悔しいのでしょうが、たぶん、本人的に負けたと思ってないんじゃないかなあ。こんなふうにも言っています。「I have three; he can have two」、僕は三連覇、彼は二連覇。うーむ……負けず嫌い選手権……。
FSの演技終了後、ジョニーは氷に崩れました。ミスがあったにせよ、渾身の表現だったんでしょう。昨年の「ナザレの子」でボロボロになったジョニーを記憶しているだけに、そんなに幸せに氷上で舞えて良かったねジョニー、という気持ちで、灰原はいっぱいです。
お母さんのようなプリシラ・ヒルコーチの手元を離れて、新しいコーチと厳しい道を歩む決心をしたジョニーの決断は、間違っていなかった。きっとプリシラ・ヒルコーチも、今日の結果を喜んでいるはずです。
エヴァン君も、ジョニーが復活したことで、よりアグレッシブに戦う姿勢を手に入れたと思います。トスカのオーラス、ストレートラインステップは「負けてなるものか」という気迫に満ち溢れていました。ふたりのライバル関係が、ふたりのガソリンになって、これからもふたりを強くしていくんでしょう。
ああ、すさまじい戦いだった。
今回の全米は、ほんとにすごい試合だったと思います。全米脚本家協会のストライキのおかげで、この素晴らしい試合が、ゴールデンタイムにテレビ中継されたことは、アメリカフィギュアスケート界の今後にとっても良かったと思います。
さて、四大陸は誰が来るのかな。



全米選手権で起こった、もうひとつのドラマ。

☆nikkansports.com:ボルドウィンが井上怜奈に氷上プロポーズ
http://www.nikkansports.com/sports/p-sp-tp0-20080128-312968.html

おめでとう、怜奈&ジョン!



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