さて、中国杯男子FS、いよいよ感想いってみたいと思います。
何日遅れでしょうか。我ながら遅いなあ。
前回SPの感想は上位3人だったんですけども、日本からエントリーの柴田嶺選手のSPとFSの感想も含めて、今回は書いていきますね。



男子SP12位 柴田嶺選手
「死の舞踏」。柴田選手の、いま、持っている力というのは、まずまず出し切れた演技だったのではないでしょうか。ジャンプの流れも良かったですし、ステップ、途中転倒がありましたが、最後まで気持ちを途切れさせず演じ切れていましたよね。
ビールマンスピンのポジションが昨年より綺麗になっている気がします。
直前に故障があったそうですが、落ち着いた素敵な演技でした。



男子FS12位/総合12位 柴田嶺選手
「幻想即興曲」オーケストラバージョン。
男子には珍しい、I字スピンやY字スパイラル、ドーナツスピンやビールマンスピンなどが入ったプログラム。柴田選手の個性である柔軟性をよく活かした振付だと思います。
足の故障のせいもあるかな、ジャンプはやや決まりませんでしたが、とても美しい演技で、見ていてとても楽しめました。とくにスパイラル、男子の場合、スパイラルは必須要素ではないんで得点はつかないんですけども、特別に得点をつけて欲しかったくらい、ディープエッジでポジションも素晴らしいスパイラルでした。
プロトコルを見ると、やはり、スピンの得点が本当に高いですね。柴田選手にはほかの男子選手にはない個性がありますねー。海外ニュースサイトでも、柴田選手のビールマンの写真が配信されていました。
もういっそシャーロットスピンもやっちゃえ! 柴田選手ならできるはず!
いまの良さを活かしつつ、あともうちょっとジャンプが決まると上位にいけるのかなあという気がします。でも灰原は、とても好きなプログラムでした。
柴田選手は、昨年の演技と見比べると、スケーティングがとても綺麗になった気がします。ぎこちないところがなくなって、滑らかになってきたエッジさばきと、柔軟性に跳んだ持ち味が相乗効果を上げているような。幻想即興曲、曲は去年と同じだけど、アレンジが変わっているそうなんですが、いまの柴田選手にはジャストだったと思います。
7月に足を怪我して、まだ違和感が残っており、怪我の影響でジャンプのフォームを変えた、と、10月時点の学内インタビュー(http://www.meispo.net/news.php?news_id=376 )で語っている柴田選手。今回は厳しい戦いとなってしまいましたが、ここから、全日本選手権、インカレ、国体、と試合も続きますし、あまり無理をせず、頑張って欲しいです。お疲れさまでした。



男子FS3位/総合3位 ステファン・ランビエール選手
「フラメンコ」。このプログラムはやっぱり好きだなあ。音楽がドラマティックで、引き込まれてしまいます。
やはり体調万全ではないということでしょうか、不得手な3Aは回避、2Aに抑えてきましたが、4Tは2回入る構成にしてきてたんですよね。というか、もしや今年は、クワドを2回跳んで3A跳ばない作戦にしてきたのかなあ。ランビエール選手については、それもアリな気が。ようするにアクセル跳んどきゃいいんだから、2Aから3連コンボ入れちゃうとかにすればいい気がします。2A+3Lo+2Loとか。セカンドを3Tか3Loにできれば、得点的にも問題ないんじゃないかなあー。
ただ、ランビエール選手の3Aのランディングは、幅があって大好きなので、跳べるなら跳んで欲しいなあ、というのも、正直な気持ちとしてありますね、やはり。
ランビエール選手にしては、スピンのレベル&加点が低めだとは思うんですが、これはあとあと多分伸ばしてくるポイントなので、今回得点が低かったからといって、ライバル選手たちも安心はできないなあと思います。
灰原がジャンプやスピンより気になったのはステップで、なんとなく、あんまり東京ワールドから手直ししてきていない気がするんですね。灰原も、ステップ、全部わかるとかじゃないんで、「気になるなあ」と思っただけなんですけど。
今年ステップでレベル4を取るには「少なくとも5種類の異なるターン及び3種類のステップが含まれなければならず、これらのターン及びステップはそれぞれ両方向に1回行われなければならない」という規定があり、かつ「ステップシークエンスを通じて、連続、ないし連続でなく、1/3はある一方向にターンを行い、同じく1/3を反対方向にターンを行わなければならない」んですね。つまり……ひぃぃぃ、全体の2/3は、体を全回転させながら前進しなければならない、ということですよ! そして、残りの1/3で、3種類のステップをこなさなきゃいかんのですね。なんという鬼規定か。
いままでは「曲想に添い、逆行せず、長時間の停止がなく、1/2回転以上のジャンプを含めず、バランスの取れた振付であればよい」という規定だったことを考えると、驚くべき縛りの増加です。いままで、ステップにはあるていどの自由度があったんですけど、今季はあんまり遊びも許されないということですね。上下の動きも重視されるしなあ。
ランビエール選手は、もともと、ターンは両方向で入れてくる人だし、技術的にはレベル4を狙えると思うんですが。ランビエール選手の満足がいくほどに美しく、レベル取りも万全なアレンジには、まだ達していない、ということなんだろうなあ。うーん、今季のステップ縛りはキツいかなあってちょっと思います…。
SPでは笑撃映像だったランビエール選手のキスクラですが、FSでもほのかに笑いの神が降りていました。やっぱりヘコみ気味のランビエール選手の前を平然と横切り、グルッターコーチの膝の上にどんどこぬいぐるみを置いていく背負い籠娘ちゃんたち(SPに比べると全体的にぬいぐるみじたいは小ぶり)。にこやかにぬいぐるみを受け取るグルッターコーチ。なにか落し物をしたらしく、ランビエール選手のまえで屈む背負い籠娘ちゃん。大ぶりの籠に隠れて、ランビエール選手が、み、見えな……ぎゃははははははは!
籠あってこそ中国杯!
来年も背負い籠娘ちゃんたちの大活躍がほんとうに楽しみです。



男子FS2位/総合2位 エヴァン・ライサチェック選手
SPでもらった、巨大熊ぬいぐるみはどうなったのか、とても気になるエヴァン・ライサチェック選手。「トスカ」。やっぱりいい曲だわあ~。エヴァン君には、激しさのある曲がよく合いますね。冒頭のデスドロップっぽい入りもかっこいい。
冒頭の4Tが転倒したのもさることながら、単発3Aで回転不足が取られているのが気になります。たしかにちょっとランディングがまわり気味だし、プレローテーションもあったような。コンボの3Aは良かったと思うんですけど。
エヴァン君は、もともと、回転ぎりぎりで跳んでくるというのはよく言われています。一歩間違うとダウングレードの憂き目にあいやすいですし、きっちり回る、ということが、もうちょっと意識されると、安心して見ていられるかなあーと思いました。今回負けたジョニーとの差はわずかですが、僅差の勝負であるからこそ、爆発するかもしれない弱点は潰しておいたほうが安全ですよね。
大きな体を存分に活かした表現はほんとうに素晴らしかったです。転倒でコンビネーションのセカンドが飛んでしまったために今回はジョニーの後塵を拝しましたが、差はわずかなもの。ファイナルでもダイナミックな演技を期待できそう。楽しみです!



男子FS1位/総合1位 ジョニー・ウィアー選手
まずは優勝おめでとう、ジョニー!
昨年は、SPは調子が良かったけれど、FSをいまひとつ揃えてくることができなかったジョニーですけれども、今年はフリーもとても良さそうですね。「Love is war」(Globusというグループの曲だそうです。Globusの公式サイトはこちら→ http://www.globusmusic.com/  試聴もできました)、映画のメインテーマのような、ドラマティックで厚みのあるイントロ。どこかリチャード・クレイダーマン的な、薄めのピアノ音が、重厚な曲調に懐かしさと軽さを添えていていいかんじ。この音楽、かなり好きかも。
振付を、デニス・ペチュコフ選手が手伝っている、と、事前情報で聞いていたのですが、たしかにアイスダンス的な、ステップで語る部分の多い振付だと思いました。ジャンプもとても頑張っていて、以前苦手だと言っていたループを綺麗に跳んでましたね! これもズミエフスカヤコーチの効果なのかなあー。
昨季、レベルを取りこぼしている感があったスピンが、点が取れる構成にされてきているのも勝利の要因だと思います。ここはペトレンコ氏の尽力のおかげかも。あと、スピンのルールが改正されたおかげもあると思います。「忙しくポジションを変える美しくないスピン」でなくても、点が取れるルールに変わってますもんね、今年。
今季のジョニーの強みは、3Aが完璧に取り戻せたこと。SP、FSともに、3Aに加点がついて4T並みの得点をたたき出しています。ただ、今回は勝ちましたけど、差はわずかなので、ライバル・エヴァン君との全米での決戦を考えると、4回転は避けて通れない気がします…。
昨年はFS後半ではバテたかな? という印象があったのですが、今季は最後まで力充分で滑りきった印象。最後のスピンもとっても良かったです。
つぎは大好きなロシアでの戦いですね。もっと調子を上げてくるかな? 楽しみです!



男子シングルに関しては、上位3選手の力が拮抗しているものの、やはりランビエール選手が強いかなあと考えていた中国杯でしたが、蓋を開けてみればアメリカ両エース激突、ジョニー・ウィアー選手勝利という驚きの結果に(ジョニーごめん)となりました。
昨季の絶不調から、12歳のころから育てられたプリシラ・ヒルコーチのもとを離れてまで立ち直ろう決心したジョニー、結果が出るだろうとは思っていましたけど、こんなに早くにいい結果が出るとは思わなかったので、ほんとうにうれしい驚きです。
やっぱり、メンタルって重要なんだなあ。
あたりまえだけど、つくづく思いました。
さて、そろそろ灰原も、気持ちをフランスに持っていかないとなあ。





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