明日から、フランスにおいて、フィギュアスケートグランプリシリーズ第4戦、「エリック・ポンパドゥール杯」が開催。テレビ放映はこの土曜、11月18日から11月19日のようです。
日本からは、男子の南里康晴選手、小塚崇彦選手、女子の安藤美姫選手が出場ですね。復調著しい安藤美姫選手ですが、フランス大会は強敵満載。頑張って欲しいです!



ところで、グランプリシリーズのエントリー表を見るにつけ、どこにもその名前がないことを、残念に思う選手がいます。
同志社大学、太田由希奈選手。
太田選手の武器は、バレエで培われた柔軟性と表現力。なんでもない仕草のひとつひとつが、じつに美しい。とくにレイバックスピンは絶品です。ただ身体が柔らかく反るだけじゃなくて、表現に余裕があるというか、空気感があるんですよ! 太田選手がレイバックスピンをすると、まわりの空気がキラキラ輝くみたいに、ほんとに見えるんです。
優雅な動きだけではなく、小気味よいステップも巧くて、「はあーっ」となって思わず見入ってしまう、素晴らしいスケーターのひとりです。
2003年のジュニア世界選手権で優勝、シニアデビューの2004年には、四大陸フィギュアスケート選手権に優勝した太田選手は、トリノオリンピック代表選手の、有力候補のひとりでした。
2004年以来、太田選手は、故障に苦しんでいます。
熱心に練習しすぎたあまりに、足首の骨が炎症を起こして痛むようになってしまったのです。治療しても完治の難しい症状なのだそうです。
そして、彼女が治療に専念しているあいだに、ホームリンクだったアリーナが閉鎖……。
一時は本人も引退を決意したといいます。
でも、太田由希奈選手は、今年のシーズン、競技に帰ってきてくれました。
灰原がもっとも最近に見た彼女の映像は、今年の夏、ドリーム・オンアイス2006のテレビ放映です。プログラムは「黒鳥」。……踊るごとに痛みを訴える足を抱えているはずの彼女の舞は、見るものに苦しみを感じさせない、優しく美しいものでした。
今期、太田選手は、日本で開かれる世界選手権を目指して、地方大会に出場しています。
苦難を乗り越えて、自分らしいスケートを目指して、再び歩き始めた太田選手の姿は、とてもとても美しい。かつての太田選手も素晴らしいスケーターでしたが、帰ってきた彼女のスケートには、以前以上に深い感動があります。
頑張れ!!!! 太田由希奈!!!!
灰原みたいな人間が、すでにあんなに頑張っている選手に対して、「頑張れ」って言うなんて片腹痛いけど、でも、どうしても、声援せずにはいられない。
いつか、彼女のスケートは、目指す高みにたどり着くでしょう。その日まで、身体に気をつけて、頑張って欲しいです。



いつかスケート雑誌で見た、太田選手と澤田亜紀選手との仲よしツーショット、とってもかわいかったなあ。