蜂蜜のお酒「ミード」というものを買いました。
ちょっとご挨拶のものを買いに酒屋さんに行ったとき、見つけてしまったんです。「クレオパトラも愛飲!」というPOPの横に並んでいる細長い酒壜たちを……。
自宅用だったんだけど、ご挨拶のものといっしょにラッピングしてもらっちゃいました。
自分にプレゼント?
ちょっとゴージャスな気分。
蜂蜜酒って、とても起源が古いお酒だと聞いたことがあります。北欧神話にも出てきますよね。
ヨーロッパでは、さほど珍しい物ではない(ワインやビールほどポピュラーではないけれど)と聞くのに、日本のお店ではあんまり見たことがない、なんとなくファンタジーの世界が香る飲み物のような気がして、ぜひいちど味わってみたかったんです。
おうちに帰って、さっそく食後に包みをあけてみました。
原材料の記載には「はちみつ」とあるだけ。なんというシンプルさ! 味に期待が膨らみます。
ラベルには、蜂蜜酒の楽しみ方として、ロック、水割り、レモン果汁で割る、ハーブで香りづけする、などという飲み方も薦められています。美味しそう~。でも、生まれて初めて飲むお酒だし、素材の味を知りたいので、まずはストレートでいくことにします。……灰原、あんまりお酒は強くないので、ガラスのお猪口でね。
お猪口に注ぐと、とろーんとした、温かみのある金色でとても綺麗。香りは、蜂蜜本来の香りにアルコールの香りが合わさって、本来の蜂蜜よりも香りの甘さがもっと強い気がします。
きっと相当甘いんだろうな、と思いながら飲んだら、思ったほどには甘くありませんでした。いや、もちろん甘いんですけど、アイスワインみたいな濃厚な甘さではない感じ。さっぱりしているんです。
初めて飲んだのに、この味、どこかで記憶にあるなあと考えていたら、思い出しました。紹興酒の古酒の味わいに似ている。紹興酒よりずっとクセがないけれど。甘口日本酒の大吟醸とも似ているかな。紹興酒や大吟醸よりずいぶん軽いけれど。……まあだいたい、こんな感じの味わいです。
とても飲みやすいので、軽いお酒のように勘違いして、お猪口を何回か空にしたとき、なんだか急に、手足がふわふわしてきたことに、私は気づきました。
あわててラベルを確認してみたところ、アルコール度数……11度!? けっこう高いじゃないの!! うっかり飲みすぎてしまいました。ふわふわもするはずです。
レモンやハーブを入れた飲み方にも未練があったのですが、テイスティングを翌日に持ち越すことにしました。
そして翌日。……今日です! ミードをレモン果汁で割ったものを飲んでみました。とっても美味しい! レモンがミードの香りのクセを取り除いてくれて、ストレートよりさらに飲みやすい印象です。ストレートに増して飲みすぎに注意が必要ですね。
中世ヨーロッパでは、地方によっては、結婚のお祝いにミードを贈る風習があったようです。
多産な蜂にあやかって、できるだけ子宝に恵まれますように、という意味らしいです。
あやかりたい。
灰原も、多産な蜂のように、素敵な小説のアイデアがつぎからつぎから産み出せる体質になりたいです。
これから毎晩飲んでみようかな、ミード。