9月に入ってからは見かけなくなりましたけど、8月中とか、地元の文房具屋さんにいくと、夏休みの宿題用の実験キットが並んでいました。
リトマス試験紙のセットとか、日光写真キットとか。面白そうでした。
もう大人で宿題もないのに、うっかり買っちゃいそうになりました。
実験道具ひとそろいがああやって買えるなんて、いまの子はうらやましいなあ。
小学生のころ、夏休みの自由研究に『蚊の研究』をしたことがあります。
研究、というか……フィールドワーク?
具体的に説明しますと、まず、蚊のいそうな藪とかに入っていってですね、自ら蚊に刺されてみます。刺されつつ蚊を観察し、どの藪でどんな蚊に刺されたかをスケッチする。スケッチ画をもとに図鑑で蚊の種類や特徴を調べ、レポートに仕立てる、という代物でした。
このフィールドワークを宿題にしようと思いついたときの、ものすごく得意だった気分を覚えています。クラスのほかの子たちは誰も、こんな斬新な自由研究はやらないに違いない、私って天才だわ! とまで思いました。
もちろんほかの子たちは誰も、そんな自由研究はやってきませんでした。っていうか、思いついたって普通はやりませんよ。痒いんだもん!
なんていうか、自由研究のアイデアを思いついた時点では、痒さに耐えなければならないというところまで思いが至らなかったわけですね。…馬鹿な子どもでした…。
苦難に耐えてなし遂げた研究の成果は、クラスメートに不評でした。レポートを見るだけで痒いと言われました。とほほ。
担任の先生は、思いつきはすばらしいと慰めてくださいました。
ちなみに当時、私の家の周りで一番多かったのは、白黒しましまのヤブ蚊でした。
と、そんな話を、友人たちとこのあいだご飯食べにいったときにしていたら、友人1名が曰く
「わたし、夏休みの宿題は9月3日から始める子だったからなあ」。
せめて31日から始めようよ! せめて!