昭和 4 年 1月 3日
父の母つまり祖母は父を産んだ後、産後の肥立ちが悪く
生後二か月に満たない父を残してこの世を去りました。
その頃ミルクなどあろうはずもなく、
まだ独身だった祖父の姉、つまり父の伯母さんがあちこちで
もらい乳をして父の命をつなぎました。
「この子はたくさんの方の福を分けていただいたから、
大きくなったらきっと成功して恩返しをする」
それが伯母さんの口癖だったと
乳を分けて下さったある方から聞きました。
もらい乳=不憫 ではなく福を分けていただいている
その言葉通り 父は妻、5人の子供、孫達を始め
たくさんの人に恵まれ、仕事に恵まれ、
多くの人に恩返しをし、幸せな生涯でした。
いろいろな状況の中で、物事をどうとらえ、どう位置づけるか、
この話を耳にして以来、大きな大きな指針になりました。
「運命はわれわれに幸福も不幸も与えない。ただ、その素材と種子を提供するだけだ」
(モンテーニュ)