アカデミー賞受賞作品…というか、世界各地で様々な賞をほぼ総なめにしているこの作品。
見たくて仕方なかったのですよね。
なんとか見られてよかった!!!
写真の下からネタバレありの感想になります。
作品を見た方、あとはネタバレありでも大丈夫な方。
下にお進みくださいませ。
まずは、見応えが凄かったです〜!!!
自分も裁判の傍聴席に座っている1人のような、没入感。
あとは、もう被告人が怪しいので、何かハッキリとした小さな証拠が出てくるのか、ずっと表情と字幕に齧り付きっぱなしでした。
結局は白黒ハッキリしないですが、個人的に印象に残った言葉は3つ
「真実はどっちでも良くて、ベストセラー作家が殺人してる設定の方が面白い」
「何が真実かわからないときは、心で真実を決めるしかない」
「裁判が終われば大きな見返りがあると思ったけど、何もない」
結局、現場を見ているハッキリした映像と音声でもない限り、誰にも真実なんて分からなくて、そこにあるのは、どうでも良い第三者と、自分の信じる真実を信じ抜く当事者しかいないってことですよね。
で、終わっちゃえば楽しんでた第三者たちはさっさと消え去り、残るのは真実を真実にしていく当事者だけ。
でもきっと、事件を思い出されたときはまたギャーギャーうるさいんだろうな…なんて思ったり。
ただ真実がわからない作りなので、サンドラのやってきた事が、どれもこれも人間臭い危うい行動ばかりで怪しすぎて…。そりゃ、息子のダニエルも悩んじゃうよね。
自分の知らなかった真実もどんどん出てくるし、視力が弱い自分のことも責めたくなっちゃうし。
よくあの歳で全てを受け止めて、最後のあのシーンを立派に生き抜いたなーって思いました。
あのシーンはとても凄かった。
なんか、証言台に立った専門家や友人たちも含めて…真実って作れるんだな。って思います。
何かの作品でも言ってましたが「事実が一つあった時、真実は人の数だけある」これを思い出しました。
怖い怖い…。
で、話は全然変わりますが、
「映画は映画館で見る」のが、私は好きなのですが、今回もとっても映画館で見る意味があったなと、冒頭の音楽でとっても感じました。
あのお父さんのかけた音楽を観客としても「うるさいな〜」って体感させてくれるのは…やっぱり映画館だろうなと。なので、今後も私は映画館で見るぞ!と強く心に誓いました。
あ、あの音楽の中「息子ちゃんの声は届かないでしょ…」って思ったのですが…届きましたね。
個人的にはやはり…無罪ではないような気も…しなくも………って感じです。
そして、パルム・ドッグを受賞したワンちゃん!!
あの薬飲んじゃったシーンの演技は本当に凄かったし、この映画 唯一の癒しだった。゚(。pдq。)゚。
介助犬だからもちろんダニエルを支えてるけど、ラストシーンではサンドラのことも考えてたりダニエルの気持ちを代弁してたり、言葉は通じないけど気持ちは通じてて…この作品の中で1番の無償の愛の持ち主だったような気もします。
この物語、見てる最中はもちろん見応えがありましたけど、先のことを考えるとさらにズッシリくるものがあります。
自分の信じた真実を、しっかりとお互いに真実にしていかないといけない。サンドラからしてみれば、親子2人しかいないあの地で。
どうか、ダニエルが悲しまない素敵な未来になりますように。