☆ネバーギブアップ : オリジナル・ラヴ

1990年代中期、最初のカミさんになる娘と付き合っていた時分に、彼女がファンだったオリジナル・ラヴに小生も引き摺られるようにのめり込んで行った。

彼女が好きだから…と言う軽薄なものではなく彼女によって聴かされた彼らのファーストアルバムを聴いて何曲か気になる曲があったからだ。

その中でも取り分け気に入ったのは♫DARLIN'

でジャズテイストでスインギーなナンバーだったことから一発で琴線に触れた。

特に後半の粘りに粘るシンコペーションのリズムがめくるめく強靭な肉体系ジャズを体現した聴かせどころはどの音楽にも無い、新しいアプローチだと直感したし、後に読んだ月刊カドカワの田島貴男と山下達郎との対談の中で、山下が田島のインディーズ時代のアルバムをして、「全体的にスインギーだね。」と誉めそやしていたのを観て、自分の見方と一致した💡と悦に入っていた。

田島は最初小西康陽から誘われてピチカートファイブにボーカルで参加していた。

田島の初期のボーカルは「Bellissima!」「女王陛下のピチカートファイブ」「月面軟着陸」と言う3枚のアルバムの中の幾つかの曲で聴くことが出来る。

後々のオリジナル・ラヴに於けるソウルフルヴォイスな歌い方とは明らかに違うナチュラルな高音であり、これは小西の指導によるものらしかったが、田島は自分のグループにしてからはあっさりこの歌い方を捨てる。

1993年に♫接吻がヒットしてヒットメーカーの一角に躍り出て暫くすると、それまで苦楽を共にしてきたユニットの仲間たちと別れを告げ、オリジナル・ラヴは田島貴男の一人ユニットとして新たな地平を開くことになる。

しかし、それを境にアルバムやシングルの売り上げは下降線を辿る。

どんなアーティストにもありがちな本物のコアなファンのみの時代に突入していった。

田島は2006年に同年代、特に1966年生まれのアーティストのみで組んだROOTS66に参加、10年後に再結成されて「おそ松さん」の主題歌を手掛けたが、小生も1966年生まれの端くれとして見逃せない音楽ユニットだが、中々凄い顔ぶれなのに新たな発見があった。

宮田和弥（JUN SKY WALKER(S)）、大槻ケンヂ（筋肉少女帯、特撮）、宮本浩次(エレファントカシマシ)、福島忍（勝手にしやがれ）、中川敬（ソウル・フラワー・ユニオン）、増子直純（怒髪天）、田島貴男（ORIGINAL LOVE）、田中邦和（sembello）、塩谷哲、斉藤和義、渡辺美里、スガシカオ、ABEDON（UNICORN）、阿部耕作（THE COLLECTORS）、伊藤ふみお（KEMURI）、沖祐市（東京スカパラダイスオーケストラ）、斉藤由貴、吉井和哉、たちばな哲也（SPARKS GO GO）、八熊慎一（SPARKS GO GO）、奥野真哉（SOUL FLOWER UNION）、田中和（勝手にしやがれ）、木暮晋也（HICKSVILLE）、谷中敦（東京スカパラダイスオーケストラ）、トータス松本（ウルフルズ）らざっと20組超の壮観な顔ぶれである。

さて、本日はJAZZPOPSなのでジャズっぽいポップスを掛けるのだが、オリジナル・ラヴ初期に何故かフジテレビの「ひらけ！ポンキッキ」に書いた曲が圧巻のスイングジャズに仕上がっているのでこちらをお聴きいただく。

この曲は因みに田島のディスコグラフにも載っていない忘れられた名曲である。

尚、オリジナル・ラヴは現在では「オリジナル・ラブ」と表記することになっている。

https://youtu.be/Q-BCJaJA_x0

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JAZZPOPS # 12