☆前奏曲第15番変ニ長調雨だれ / ショパン :イグナーツ・フリードマン(p)

大変お待たせ致しました。

クラシックの夕べコンサート開演でございます。

本日の演目、ショパンの♫雨だれは黒澤明監督「夢」の中の「鴉」と言うゴッホを描いたオムニバス映画の中の短編でも使用されており、非常に印象深い映像詩を残した。

日本では比較的評判の悪い晩年の黒澤作品の中でもとりわけ「夢」は個人的には好きな作品だが、その中でも「鴉」はヨーロッパの農村を黒澤本人と思われる寺尾聰がゴッホの居場所を尋ねる冒頭のシーンでは川で洗濯をする女性たちの奔放なやり取りがリアルで心地よく、ゴッホの絵画そのままを黒澤が映像にしたかった思いが痛いほど画面から伝わってくる。

そして麦畑に一人超然と佇み絵を描くゴッホには世界的映画監督マーチンスコセッシが熱演していた。

「…太陽が、あたしをせっつくのだ❣️」

必死に、命を削る想いで絵描くゴッホと機関車の動輪の交互に重なるショットの所ではこの曲の短調部、重い低音部がズシリと心根に響き渡る。

そうした深く心に残る名シーンを黒澤は老体に鞭打ちながら紡いでいった。

この曲についてはウィキペディアで的確な解説が施されていたので以下に引用する。

ソステヌート、4分の4拍子。有名な「雨だれの前奏曲」である。24曲中最も演奏時間が長い（5分程度）。「雨だれ」の描写は他調の曲でも行っているが、繋留音が異名同音でこれほどまでに清明（変ニ長調）と暗黒（嬰ハ短調）の対比をさせる結果になっているのは本作だけである。比較的平易に演奏できるが、作曲技術の妙を感じさせ、ショパンの前奏曲の代名詞のようになっている。

本日の音源は戦前から欧州で活躍した世界的ピアニストフリードマンのピアノ演奏のSP盤を持ち合わせていたのでアップした。

この人はポーランドに1882年明治15年に産まれたが1940年、ナチスドイツの侵攻により間一髪オーストラリアへ逃げた。

1943年に現役を退くまで活躍したが、ショパンの解釈については評判を取ったと言う。

だからこの人のショパンは信用できることからこの盤と巡り逢った時は、心底嬉しかった。

https://youtu.be/FUTyrdWpPJM

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クラシックの夕べ # 12