ガードマン | はぐれ国語教師純情派~その華麗なる毎日~

はぐれ国語教師純情派~その華麗なる毎日~

国語教師は生徒に国語を教えるだけではいけない。教えた国語が通用する社会づくりをしなければ無責任。そう考える「はぐれ国語教師純情派」の私は、今日もおかしな日本語に立ち向かうのだ。

 子どもの頃、ガードマンになろうと思っていた頃がありました。少年の私は、

 

『ガードマン、かっこいい~』

 

と、憧れていたのです。

 今の小・中学生の中に、ガードマンに憧れている人はいるでしょうか? いるかもしれませんが、それは絶対に少数でしょう。でも、その頃、私の友達数人もまた、私と同じくガードマンになりたいと憧れていたのです。もう大変な人気だったのです。

 ここで言う「ガードマン」とは、「警備保障会社」や「守衛さん」などとはちょっと違います。テレビ番組の「ザ・ガードマン」というドラマに登場する人たちで、犯罪や事件が起きたり、それに巻き込まれたりした人たちがいると、それを解決したり救ったりするために捜査し、捕まえて警察に引き渡したりする組織なのでした。挙句、ガードマンたちはパンパン、ピストルまで撃っちゃいます。

 怯えた表情の美しい女性に、

 

「安心してください、もう大丈夫です。なぜなら、私たちはガードマンだからです」

 

と言うと、女性が頼もしげにガードマンを見つめ安堵の表情に変わるのでした。

 言葉の持つニュアンス、語感、意味そのものが時代と共に変わっていきます。それが望ましくもあり、淋しくもあり……、です。