子どもの頃、ガードマンになろうと思っていた頃がありました。少年の私は、
『ガードマン、かっこいい~』
と、憧れていたのです。
今の小・中学生の中に、ガードマンに憧れている人はいるでしょうか? いるかもしれませんが、それは絶対に少数でしょう。でも、その頃、私の友達数人もまた、私と同じくガードマンになりたいと憧れていたのです。もう大変な人気だったのです。
ここで言う「ガードマン」とは、「警備保障会社」や「守衛さん」などとはちょっと違います。テレビ番組の「ザ・ガードマン」というドラマに登場する人たちで、犯罪や事件が起きたり、それに巻き込まれたりした人たちがいると、それを解決したり救ったりするために捜査し、捕まえて警察に引き渡したりする組織なのでした。挙句、ガードマンたちはパンパン、ピストルまで撃っちゃいます。
怯えた表情の美しい女性に、
「安心してください、もう大丈夫です。なぜなら、私たちはガードマンだからです」
と言うと、女性が頼もしげにガードマンを見つめ安堵の表情に変わるのでした。
言葉の持つニュアンス、語感、意味そのものが時代と共に変わっていきます。それが望ましくもあり、淋しくもあり……、です。