思い出の曲
二台ピアノも大詰め。今日は先生のお宅で最後のレッスン。多分、本当にもうこれが人生最後でしょう。90歳を超えた先生はおしゃべりが大好きで、話だしたら止まらない。今日は60年前の、ママ先生とまだ付き合っていた頃のデートについて話してくれた。ママ先生のお宅の近所の神社で待ち合わせて、近くの川のほとりのベンチでおしゃべりして、パパ先生のお宅のピアノを弾いて帰るのが定番デートだったようその時、必ず最後にママ先生が「弾いて」という曲がブラームスOp118-2 intermezzoだったそう。そんな思い出の曲とは知らず、私は大学2年生の試験で、この曲をもらった。当時の私は、生まれて初めて出会った「この世のものとは思えない美しい曲」で、とても真剣に取り組んだ記憶がある。初めてのステージ試験で、自由曲で、そこで与えられた曲というのもあり、かなり頑張って高評価を得た、私の人生の中で数少ない「成功した曲」だ。私にも思い出の曲がある。ピアノの先生になろうと決めたきっかけになった曲。小4で弾いたクレメンティ ソナチネOp36-3を生徒にステージで弾かせるときは、私は一生懸命取り組んでくれる子にしか提案しない。心が狭い先生でも私だけじゃなくて、みんなそうなんじゃないかな。なのにさ。私にブラームスを弾かせてくれたってことは、一瞬の過ちでも、気の迷いだったとしても、光栄すぎる。と、まさか30年近く経って知ることになるとは。あの時、一生懸命取り組んだ私を褒めてやりたい✨いろんなわだかまりが解けていく。少しずつ、少しずつ、子供の頃のただ純粋に弾いていただけの自分に戻っていく気がする。でも!!それと二台ピアノ本番は別。あー!早く終わってくれ〜〜