混成チーム、AKB張りのジャンケン大会を実施。

ポジションもジャンケンで負けた人からディフェンスをやることに決まっていた。

更に1番負け続けた者が審判、そしてラインズマンを前半は担当することになった。

牧野 「そんな決め方でいいのか、阿部?」

阿部 「まぁ今日は楽しんでいきましょう」


結果、混成チームスタメンが決まった。

GK 古橋
DF 山根、野村、岩沢、田中
MF 牧野、菊地、土田、柿本
FW 谷田、上田

ベンチスタート
審判 蒲谷
ラインズマン 和久、大橋
応援 阿部、三才


和久 「・・・」

大橋 「・・・」

蒲谷 「お、俺が審判か・・・」


作戦ボードに名前を書いた阿部が苦笑いをする。


牧野 「なかなか意外性のあるスタメンになったもんだな」

阿部 「ですね」

牧野も苦笑いの表情を浮かべる。


谷田 「FWなんて小学生以来だよ、緊張するなぁ」

山根 「スタメンだけでも良かったと思おう」

野村 「DFで本職は俺だけか。。。」


ポジション毎に話し合いをした結果、DFラインはCBに野村と田中、左SBに岩沢、右SBが山根に決まった。

MFは牧野が決めることになり、BOXの形でボランチが柿本と牧野、オフェンスシブに菊地と土田に決定。

FWは谷田が右、上田が左になる。


阿部 「三才さん、どう思います?」

三才 「まぁこればっかりはやってみないとわからないな。田中と岩沢、牧野と上田あたりが少し面白い」



いよいよ大宮高校VS混成チームの試合が始まる。
混成チーム、みな大宮高校の試合感を戻してあげたいという気持ちの中で、それでもスタメンへのこだわりは捨てられない。

すると、ここまで黙って話しを聞いていた牧野が声を出した。

牧野 「おぅ、阿部。お前ならどうする?」

田中 (いきなり牧野さん話しをふったぞ)

谷田 (マッキーそういうとこあるよな)


いきなり話題を振られ、少し肩をすくませた阿部だったが、にこりとしながら言葉を返す。


阿部 「牧野さん、控えの選手が審判やるってことでいいですよね?」

牧野 「そうだな。大宮に控えがいないからな」


阿部 「これだけのメンバーが集まっているので、ジャンケンで決めませんかね?」

牧野が笑う。

牧野 「俺は構わんぞ」

阿部が菊地の顔をチラリと見ると、菊地の顔色が変わったのがわかるが、大橋の表情は変わらない。

阿部 (なるほど・・大橋の負けん気も本物だな)


岩沢 「俺もジャンケンでオッケーすよ」

岩沢 (ジャンケンなら和久もしょうたも文句ないだろ)

上田 「僕もジャンケンがいいな」

三才が上田の発言に心の中で驚く。

三才 (かっちゃんが意見言うなんて珍しいな。。だけどかっちゃんが納得すれば)

野村 「んじゃ俺もジャンケンでいいよ」

牧野 (ほぅ、上田にはあの野村も従うのか、面白いな・・・)


土田 「僕ももちろんOK」

土田が笑顔で賛同する。


牧野 「大橋、それでいいか?」

牧野の言葉に大橋がしぶしぶうなずいた。


牧野がニヤリと笑う。


牧野 「よし、決まりだな」



えーじが混成チームのベンチをみて声をあげた。

えーじ 「佐渡谷さん、あれ・・・」

佐渡谷 「なんだなんだ?」

岡本 「ジャンケン、みたいですね・・」

曽根田 「スタメンは余裕のジャンケンかよ・・絶対負けねえぞ!」

その様子を剛も見つめる。

剛 (牧野さんを含めてのジャンケンか。。みんな気持ちが強いな、見習わないと)


こうして、混成チームのスタメン争いジャンケン大会が行われたのである。


埼玉県の強豪校6チームからなる混成チーム。

埼玉選抜チームといっても過言ではないチームであったが、とにかく個性の強いメンバーの集まりである。

監督がいない状況の中、スタメン決めが難航をしていた。


和久 「やっぱそのスタメンは納得ができない」

所沢南のボランチ、和久だった。

隣りでは同じ高校の柿本がうなずく。

岩沢 (やっぱり。。。しかも、しょうたまで。あの顔は簡単には引き下がらないな。困ったぞ)

和久はもともと好戦的な性格であったが、実はベビーフェイスの柿本の方が我が強いことを岩沢は知っていた。


大橋 「納得できないってのがよくわからない」

浦和大和の大橋である。

2年生ながら県選抜の彼もまた負けん気が強い。

大橋 「こんだけのメンバーが集まってるんだ。だったら選手権の上位から決めるのが1番公平でしょ」


和久 「公平?これのどこが公平なんだよ」


大橋 「そんなこともわからないんですか?」


和久 「てめ、浦和大和のやつは礼儀を知らないって聞くけどほんとみたいだな」

和久が大橋に一歩詰め寄る。


すると浦和大和の1年生、菊地が大橋のそばに立つ。

菊地 「俺たちの、、浦和大和の礼儀がなってないってなんですか?いくら先輩でも言っていいことと悪いことがあるでしょ」


山根 「いや、わかるぜ和久さん。俺も納得できないし。陽二がスタメンなら俺もスタメンだろ」

与野西高校2年生の山根。

彼は蒲谷と阿部がスタメンの中、自分だけが与野西でスタメンでないことが気に食わなかった。

蒲谷 (はぁ。全く山根は困ったもんだ。。。が、やはりFWはそれ位の気持ちがないと出来ない部分もあるからな)

野村 「別に大橋のスタメン、全然悪くねーよ。俺はこのスタメンを支持するぜ。選抜でもやってるしな」


熊高の野村が大橋の意見を支持する。

三才 (選抜でもよく組むDFラインだ、野村は文句ないだろうな)


与野西高校で新キャプテンとなった2年生の阿部は、改めてホワイトボードのスタメンを確認した。

GK 古橋(岩槻)
DF 野村(熊高)蒲谷(与野西)谷田 (浦和) 三才(熊高)
MF 上田 (熊高)牧野(浦和) 阿部(与野西)大橋(浦和)
FW 田中(浦和) 菊地(浦和)

ベンチスタート
山根(与野西)岩沢、和久、柿本(所沢南)、土田(埼玉栄光)

阿部 (田中と菊地のFWか、、、確かに違う組合せのほうが面白そうだな。特に岩沢さん)

熊高高校を引退した三才もメンバー表をみていた。

三才 (同じ高校のメンバーを同時に出すって考えは悪くないけどな。個人的には和久ってやつとやってみたいが)


個性と個性のぶつかり合い。

その姿をベランダで脇が嬉しそうに見守っていた。