民間救急とは~救急車との違い~
「民間救急」(正式には民間患者等搬送事業)は、
民間企業が運営する医療・福祉の設備を備えた
民間の救急車で患者さんを移送するサービスです。
国土交通省の免許と消防庁からの認可を受けた民間事業所が運営しており、
消防救急とは違い緊急搬送には対応していませんが、
依頼者の要望に応じたさまざまなシーンでの利用が可能です。
たとえば下記のような状況の時が挙げられます。
・病院を受診する際の通院移送
・他の病院への移転
・退院時の患者さんの自宅への移送
・引っ越しの際の身体を動かせない患者さんの移送
・旅行などの通院目的以外での患者さんの移送
・県外や国外への移送
・予約や待機が可能
など、119番の救急車では頼めない条件の移送に有料で対応しています。
諸外国に目を向けると、救急車を呼ぶ際に料金が発生する国が多くあります。
オーストラリアでは1万円ほど、フランスでは2万円以上、
アメリカでは約3~5万円ほど請求されます。
日本のように“無料”で救急車を利用できる国は世界的にみても非常に珍しいです。
そんな日本でも有料の「民間救急」というサービスが広まりつつあります。
実態については医療用のコラムにてご紹介していますので
以下のURLよりご参照ください。
https://www.c-notes.jp/articles/133
何故このような記事を書くか。
それは日本の医療が、する側だけでなく受ける側も意識を高めなければ
医療従事者や救急隊員の疲弊につながるだけだと思うことが、
実際の医療の現場では日常茶飯事で起きていることだからです。
以前勤務していた病院は、二次救急の受け入れ病院でした。
病棟は二病棟。それぞれの病棟で夜勤は二交代の二人体制で行っていました。
外来専門の看護師は、指定された救急当番日以外は夕方から翌朝まで不在になります。
とはいえ、3つの地区の救急車を受け入れていたために、
連日夜間に救急車が病気の方を搬送してきます。
救急車が到着すると、病棟で勤務している看護師が病棟ごとに交代で対応します。
つまり救急車が到着し、救急患者様の診療から検査・治療にあたっている間、
病棟での約40名の患者様は一人の看護師が看ることになります。
心身ともに緊張し、疲労感が増す状況であることは想像できると思います。
それは救急患者様に対応する看護師も同様です。
どのような患者様が搬送されてくるか、実際に目で確認するまでは
緊張の糸が張りつめています。
救急車で搬送されてくる患者様の中には本当に重症の患者様もいらっしゃいます。
ですが、病院到着後にまるで救急車から駆け下りるかの勢いで診察室に向かわれる方。
軽症でタクシー代わりに救急車で来院される方。
そのような方が多数いらっしゃることも事実でした。
これは勤務していた病院だけの問題ではありません。
日本全国の病院で当たり前のように起きている日常だと思います。
救急車から元気に降りてこられる方が「有料化」した救急車を利用するか。
有料化すれば解決する話ではないですし、
本当に救急車を必要とする重症の方が、経済的な理由から
利用を拒絶し手遅れになる弊害もあるかもしれません。
救急車の有料化や民間救急への過剰な期待はしていませんが、
患者様の意識の中にも改善する余地が過分にあるとも思います。
「救急車を利用する」
「病院では薬をもらう」
それが当たり前の医療だと認識している人がいたら、
それは違うのではないかと思う
未熟な一医療従事者です。

