『すべてのひとに石がひつよう』
バード・ベイラー、ピーター・パーナル絵、
北山耕平訳
『すべてのひとに石がひつよう』
個人的お気に入り度:★★★
- すべての人にとって石が必要だと説き、
- 「ともだちの石」 を見つけることをすすめ、
- ともだちの石を見つけるための10のルール
- を書いた散文詩に、絵をつけた絵本。
10のルールはまとめると、下のような内容。
- 1.山に行く
- 2.静かな状態でさがす
- 3.体をかがめて地面に近づけてさがす
- 4.大きすぎる石はだめ
- 5.小さすぎる石もだめ
- 6.完璧な大きさの石をえらぶ
- 7.完璧な色の石をさがす
- 8.形が好きなものをえらぶ
- 9.いつでも石のにおいをかぐ
- 10.石を選ぶときには誰にも相談しない
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石には子どもの頃興味があって、
とくに河原や海辺の丸くてすべすべした石が好きだったのだが、
遠足に行くと2、3持って帰ったりした。
あまり信心深くない母が、
呪いというか、強い力を持っている石もあるから、
不用意に持って帰らないほうがいいと言うのをきいて
なんだかこわくなり、拾うのをやめてしまった。
(↑これも、大磯で見つけ、持って帰る代わりに記念に撮ったもの)
これを読んで、久しぶりに
ともだちの石を探しに行きたくなった。
誰にも相談せず、何の邪魔も入らない場所で、
静かに自分だけの石を探すという行為は、
日々自分をコントロールしようと働きかける周囲の圧力
にさらされる自分をいやし、
自分を見つける手助けにもなるのではないか。
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訳者あとがきには、訳者自身の
「ともだちの石」とのおつき合いが記されていて、興味深い。
その石たちはときどき故郷に帰りたがるので、
そこが日本からどんなに離れていようと、
ときどき里帰りさせてあげなければいけないのだそうだ。
・・やっぱり、不用意な気持ちでは石は拾えないなあ。
画家は『アニーとおばあちゃん』 と同じ人。
余白が印象的。
- バード ベイラー, Byrd Baylor, Peter Parnall, 北山 耕平, ピーター パーナル
- すべてのひとに石がひつよう