声が聞きたいです。
そうメールがあって
彼に電話しようか少し迷った…。

涙が止まりません
そうメールにはあった。

彼が泣くところは今まで一回も実際には見てない。
私が泣くところは、一回だけ泥酔してた時に見せた。
なんで!なんで!
何十回も彼に言って
最後には
その眼鏡ちょうだい!
とか訳分かんない事を言っていた。

電話では私はよく泣いた。ここ半年は半分は泣いていたと思う。
メールを貰ってから
迷ったけど彼に電話をすると…
これ、二人の映画じゃないよね?
そう聞いてきた。

え?うん、違うよ。
そういう私に

でも、重なり合うとこがありすぎて…
何回もチャプターして
見なおしてた…。

涙声だね…確かに。

君の汗のニオイが好き…

私もよく彼にあなたのニオイが好き
そう言っていた
身長差30センチだから
私の顔は彼の胸より少ししたにくる
抱き締めてくれる時
彼の身体とそのニオイで
私はいつも満たされてた。
好きって言って…
よくそう言った。

好きとか…そんなに言ったりした事ないな…。
出会った当初からそう言ってた。

好きって言って!
もう、今言おうとしてたのに、先に言っちゃうんだもん…早いよ聞くの

そんなやりとりも
なんだか重なった。

私は涙声の彼に
でも、私たちは大丈夫!
私、良くなるから
元気になるから…
私たちはもっと幸せになるよ、一緒にいられなくてもお互いの幸せを思いやれるようになろ!


全部、もしかしたら全部
綺麗事なのかもしれない…猿芝居かも…

それでも、猿芝居に付き合ってくれた彼に
やっぱり
ありがとう!って思った。

想い合ってれば
イツカ…
今は、そう思っててもいい
イツカ日常に浸食される。
だけど今は思えばいい。
それ位は自分に許そう。
彼にサヨナライツカを観れたら感想を送ってっと約束して電話を切った…。


気になって
もうそろそろ観てるかな?っと思って
観てる?
そうメールしたけど
三十分経っても返信なし…
寝ちゃったんだな…
仕方ないね、なんかそういう臭い事しない人だし
あまり重要じゃない
そう思ってるんだろうな…
別れの儀式をしたいのは私だけ…その儀式も安っぽいよね…
やっぱり、じゃあね…
そう言って別れなきゃいけなかったんだ
感傷なんてこれからすきなだけ浸れる…
相手を巻き込むべきじゃないよね、猿芝居に。

だから返信がない彼に
寝ちゃってるんだね…
今度会った時に聞かせてよ、感想。またね。

そうメールした。

それから更に三十分以上たってから彼から

寝てないよ
今から観るとこ!
そうメールがきた。

私は、こうなったら
彼の代わりに私がもう一回観ようとDVDを借りて来たところだった。

その事を彼にメールで報告して

一緒にみれたね!
そう送った。

私が観おわってからも
彼からのメールは来なくてやっぱり寝ちゃったんだな…そう思っていた。

私もそろそろ寝よう!
そう思って布団に入った時、時刻は午前二時
彼からのメール

声が聞きたいです。
この前
サヨナライツカを
彼と一緒に観た。

前日サヨナライツカ、一本だけあったよ…

今日観るつもりだけど
途中で寝ちゃうかも…
その可能性大だけど
そうなったらごめんね。


観た感想をメールして
そういう私に彼は予防線を張るように言った。

夏休み前、学校では三者面談が始まって
疲れているみたい。

私だって分かってるよ
疲れてる事ぐらい
どんなに病んでても…

それに観てくれなくても
いいって思ってた
彼がわざわざDVDを借りに行ってくれた…
それだけで満足だった。

予想通りその日は寝てしまった彼
次の日はさよならをしようと決めてた。

その事を彼に話し
元気になったらまた会える不倫関係は終了して
なんでも話せる友人へ…
そうなる為に今は離れる。また、いつか連絡するから…。

サヨナライツカ、今日観るよ…

別に観なくてもいいよ…
返しちゃえば…
一泊二日でしょ…


別に観てくれなくても良かった。
重なり合うとこもあって
感傷にも浸るけど
バカらしいな…
そうも思う。

ま、どっち本当の気持ち。
そんな事を話しながら
最後の電話を切った。

もし最後まで寝ないで観れたら感想メールを送ってくれる約束をして…