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【伝統的営業利益再分析の問題点】
伝統的な分析では、多くの回避不可能な条件変化に伴う計画改正の必要性を無視している。その結果、変化した環境条件の下で本来選択されるべきであった行動を実際には取らなかったために発生する「機会損失」や、予測データがどれほど正確であったかを測定できない。
【事後最適分析】
事後最適分析の特徴は、事実の確定した後(事後)に、その企業が本来とるべきであった行動(事後最適モデル)を決定することにより、事前のデータの予測や決定モデルの特定化に関するエラー(予測差異)と管理可能な行動実施上のエラー(機会原価差異)とを検出することである。
【シャドウ・プライス】
シャドウプライスとは、最適解において制約条件の上限いっぱいに利用された資源を1単位ふやせば増加する限界利益をいい、資源の持つ限界生産力を意味する。
【リデュースト・コスト】
所与の条件下では生産しないほうが望ましい製品について1単位生産した場合に失われる原価利益を意味する。
【売上差益の意味】
売上差益は、実質的には限界利益の概念と等しく、その金額は操業度に応じて変動する。よって事業部長の操業度決定の直接的な指標となる利益概念と解釈される。
【管理可能利益の意味】
管理可能利益は、事業部管理者の毎期の意思決定によってその発生額が影響される固定費を売上差益から控除した額である。よって、事業部長の直接的な責任を示す利益概念である。
【事業部利益の意味】
事業部利益は、事業部に直接帰属するが、当該年度の事業部長によって切り下げることのできない固定費を管理可能利益から控除した額である。したがって、事業部外の費用が合理的には府できない場合における事業部自体の収益性の評価に意味があるが、事業部長の直接的な責任の範囲を示さない利益概念と解釈される。
【純利益の意味】
純利益は、事業部外の費用(本部費や共通費の配賦額)を事業部利益から控除した額である。
よって、事業部外の費用が合理的に配賦できる場合における事業部自体の収益性の評価には意味がある利益概念であると解釈される。
【事業部外の費用を配賦する理由】
事業部外の費用は、事業部長の本部資産や共通用益の利用度に応じて配布することが望ましいが、合理的な配布基準を得ることは困難なことが多い。しかし、事業部外の費用は、事業部の業績評価を独立の会社に近づけたり、また事業部長が全社的な観点から意思決定することを動機づけることが意図されているため、各事業部へ配賦される。つまり、責任会計の観点から、事業部外の費用は、長期的な観点から利益目標の一部として各事業部に配賦されるのである。
【事業部長の業績測定と事業部自体の業績測定】
事業部長の業績測定とは、事業部長の業績をその権限および責任に関連して評価することをいう。
この目的を達成するために、特に事業部長にとっての管理可能性の概念が重視される。したがって、管理可能利益に基づく予算実績比較等が必要となる。
一方、事業部自体の業績測定とは、事業部の拡大・縮小・譲渡・廃止等の意思決定を行うために、各事業部に投下された資本の収益性を比較することをいう。この目的を達成するためには、特に事業部にとっての追跡可能性の概念が重視される。したがって、事業部投下資本純利益率等による。
【ROIの定義・長所・短所】
資本利益率とは、資本に対する利益に割合を示すものであり、売上高利益率と資本回転率の積として算定される。資本利益率を業績測定尺度として用いた場合、業績が比率で表示され、規模の異なる事業間の比較ができる、業績の良否を売上収益性と資本効率性に分解して把握できるという長所があるが、その一方、業績測定の際の関心が理恵額の増大よりも利益率の増大へ向いてしまう、事業部の利害と全社的な利害が対立し、目的適合性が失われる、という短所がある。
【RIの定義・長所・短所】
残余利益とは、利益から投資額に応じて算定された資本コストを控除した金額を示すものである。残余利益を業績測定尺度として用いた場合、業績測定の際の関心が利益率の増大よりも利益額の増大へ向く、事業部の利害と全社的な利害が対立せず目的適合性が保たれるという長所があるが、その一方が利益額で表示され、規模の異なる事業部間の比較ができない、業績の良否を売上収益性と資本効率性に分解できず、それぞれの有用な情報を入手できない、という短所がある。
【責任会計の意義】
責任会計とは、会計システムを管理上の責任に結びつけ、職制上の責任の業者の業績を明確に測定・評価するための会計である。
【原価中心点(コスト・センター)の意義・具体例】
原価中心点とは、自己の管理下にある区分で発生した原価についてのみ責任を負う組織単位である。具体的には、製造部門等が挙げられる。
【利益中心点(プロフィット・センター)の意義・具体例】
利益中心点とは、原価責任だけでなくアウトプットの収益の責任をも評価対象に含め、両者の差額としての利益によって責任が測定・評価される組織単位である。具体的には、営業所等が挙げられる。
【投資中心点(インベストメント・センター)の意義・具体例】
投資中心点とは、事業区分の投資利益率(ROI)に管理者が責任を持つ組織単位であり、使用資本の効率的利用をも業績評価の対象となる。具体的には、投資決定権を持つ場合の事業部等が挙げられる。
【責任会計の観点から、会計単位に集計すべき原価及び収益】
責任会計の観点からは、会計単位には、当該管理者にとって管理可能な原価及び収益を集計すべきである。すなわち、ある特定階層の経営管理者にとって管理可能であること、一定期間において管理可能であること及び当該管理者の判断が原価や収益の発生に重大な影響力を及ぼすことという3要件を充たした原価及び収益を集計し、それをもとに業績を測定すべきである。