お月様と息子。 | 子どもらとはちゃの親子ブログ。

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旦那と、娘(8歳)、息子(5歳)の4人家族。
北の大地で仲良くわちゃわちゃと暮らしています。
育児のこと、仕事のこと、そして夫婦のこと…
真面目に、適当に、楽しく書き綴るブログです。
深く考えているような、そうでもないような。

「おかーしゃん きてー!」と道の向こう側から呼ぶ息子。

「あれ みて」と指さすのは、夕焼けに染まる空でした。

おひさま?ゆうやけ?何が言いたいんだろう?と

目を凝らしてみると、かすかに光る薄い三日月。

 

「お月様だね、良く見つけたね」と褒めると、

「うん!おかーしゃん みえた?」と嬉しそうな息子。

 

息子が、去年、まだしゃべらなかった頃、

お月様を見つけて教えてくれたのが嬉しくて、

その時にいっぱい褒めたら、

帰り道でお月様を探しては、教えてくれるようになりました。

 

息子は、なぜあたしが、

嬉しかったのかなんて覚えていないと思います。

 

当時、言葉がほとんど出なかった息子の

意思を読み取るのは、とても難しいものでした。

コミュニケーションをとるのも、あたしの質問に

息子が首を振って答えるだけ。

いつも息子の表情や指先を追っては、

「こういうことかな?」とあたしが代弁する毎日です。

だから、息子が何か自分から伝えようとしたときには、

全力で答えようとしましたし、それをいっぱい褒めました。

 

そうして試行錯誤の上、一つ会話が成立すると、

息子はその会話を復習するかのように何度も繰り返します。

あたしも何度も同じ会話を、同じ答えを繰り返し続けました。

それが良かったのかどうか、専門的なことはわからないけど、

きっと息子の中には「楽しい記憶」として残っているんだと思います。

 

息子 「つき いるね」

あたし「そうだね。おつきさま、いるね」

息子 「くんくん(自分のこと) みつけたよ」

あたし「そうだね。たっくんは、お月様を見つけるのが上手だね」

 

たったこれだけの会話。

毎日、保育園から二人手をつないで

お月様を探しながら歩いた帰り道。

ふとしたときに、1年前の息子の姿を思い出しては、

あたしは、すごく懐かしい、優しい気持ちになるのです。

 

「おつきさま たっくんの つめ みたい」

嬉しそうに教えてくれた3歳の息子は、

また、友達の輪の中へ元気よく走っていきました。