HACCPの実践術

HACCPの実践術

HACCPやISO22000の食品安全チームリーダー、チームリーダー補佐など、システムの構築に関わっている方へ。

HACCP・ISOの具体的な導入方法、規格の解釈、マネジメントの方法など、実践に役立つ情報を提供

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株式会社キュー・アンド・シーの阿部です。

最近、アメブロの更新が滞っていました。
(言い訳はしませんシラー

さて、気を取り直してアメブロも頑張って更新していきます!


今日の話題は加熱温度の設定についてです。



製品を加熱する


加熱温度は 75℃1分です。
すべて75℃1分です。
安全でしょ!


こんなHACCPを構築していたら、危険です。HACCPの意味はないかもしれません。

75℃1分で実際管理しているのか、中心温度が75℃1分になるように設定しているのか 確認したいことはたくさんあるけれど・・・・・。 まず、殺菌しようとしているハザードは何なのかを確認しなければなりません。

ハザード毎に適切な加熱温度は違います。 ターゲットはなんと言う微生物なのかがわからないと加熱温度も決められません。 それなのに、加熱と言えば75℃1分。 これではHACCPが役に立たないものになります。


使う原料、最終製品の特徴、食べる人(用途) それによって考えなければならないハザードは変わります。

同じカレーでも、給食のカレーとレトルトカレーでは加熱温度が違います。


それはハザードが違うからです。 もちろん75℃1分が適切な場合もあります。



なぜ75℃1分なのか、 その理由、あなたはわかりますか?





P.S. ここで時間を取って考えると使える知識に変わります。
更に、文章にするとより考えがまとまります。使える知識にしたい方はぜひコメント下さい。
もちろん返信しますよ!
こんにちは、キュー・アンド・シーの阿部です。



今日は、コミュニケーションについてお話します。





あなたは、現場を良くしようと人一倍思っていて、現場から持ちかけられた相談にはしっかりアドバイスをしようと考えていませんか?
口うるさいと言われても、現場のためだから・・・・・。と。









でも「アドバイスしても、その通りにはしてくれない。相談されたから答えているのに・・」そんな経験ありませんか?





あなたは訊かれたらアドバイスしなければ・・・・、と思っている。





それは間違っています。 




アドバイスが欲しい人はそんなにいません。

特に女性が話をする理由は、意見が欲しいからではないのです。 








自分の話を聞いて欲しい。自分の悩みを分かって欲しい









大変なんですね、分かりました。あなたはこう考えているのですね。と言って欲しい。

ただ、それだけなんです。 




だから、あなたがいくら的確なアドバイスをしても受け入れられないのです。

 アドバイスされると「あっ、この人私のこと分かってくれないな」と思われてしまうのです。 




Aさん:ここの掃除って時間かかるのよー。

あなたでもこうした方が早く終わりますよ。

Aさん:(別に意見を聞いているわけじゃないんだけど・・・)
でも、大変でしょ。

あなたでも、キレイにしなくちゃいけないから、仕方がないでしょ。

Aさん:(だから、それは分かってるって)







 これだとバドミントンのようです。来た羽根は直ぐに打ち返す。それも相手が届きにくい所に。

そうではなくて、キャッチボールにしましょう。一度受け止める。 






Aさん:ここの掃除って時間がかかるのよー

あなたそうですか。大変ですね。他はどうですか?

Aさん:そうなの、大変なの!他には~



 「そうですか。大変ですね」と一度受け止める。

相手の話を受けて、「でも」と逆接の接続詞で返すのは止めましょう。 






5Sが現場に定着しない。マニュアルの落とし込みをしても実行されない。

そんな時は、アドバイスをしないで、相手の話を聞いてみましょう。





 一度周りの人で実験してみてください。相手の話を「でも」で受けるとどうなるか。

「そうなの」と受けるとどうなるか。子供でも同僚でも家族でも。





 (子供の場合、その違いは顕著です。「でも」を続けると、泣き出すか機嫌が悪くなります。) 




アドバイスを聴いてもらえるようにするためには、聞き役に徹する。



そうすると、向こうから教えてと言ってくる。



ひたすら聞き役に徹する。

それも、ただ相づちを打つだけではダメです。



それだと「あっ、この人真剣に聴いていないな~」と思わせちゃいます。











 でも、そこまで待つのってむずかしいですよね。
(株)キュー・アンド・シーの阿部です。



現場の社員は、叱っても上手くかわす。逃げる能力だけはある。

マニュアルを作って現場に落とし込んでも、継続ができない。

設備を充実させても使いこなせない。すぐ元に戻る。

注意したその日は、キレイな床、でも翌日は原料クズだらけになる。



やる気があるのか?常識がないのでは?











先日そんなお話を聞きました。



また、こんな話もありました。



品管(品質管理の部署)が決めてくれ、と丸投げするが、品管が決めたルールには従わない。





HACCPを導入する、5Sをやる。ISO22000を取得する。何だかんだと言っても結局は「人」の問題だ。という結論になります。



そこで今日は一つ「やる気のない社員にやる気を出させる処方箋」を書きます。

でも抗生物質は出ません。漢方薬しか出せません。






  1. やる気のない人間はいない

  2. コミュニケーションの量を増やし、やる気が低い原因を探る

  3. 責めても人は変わらない








1.やる気のない人間はいない

まず、「やる気のない人間はいない」という前提に立つことが必要です。

「やる気がない」のではなくて「やる気が低くなっている」。やる気が高い状態もあるけれど今は低い状態になっている。



やる気は外側から与えるものではなく、内側から「引き出す」ものです。



だから、初めから「やる気がない」人間だと思えば、引き出すこともできません。



2.コミュニケーションの量を増やし、やる気が低い原因を探る

やる気が低い人に対して、「もっとやる気を出せ!!!」と言っても出てきません。やる気が低い原因を取り除くことが大切です。

あなたには、原因を取り除くことはできないかもしれません。でも、話を聞いてあげることはできます。人は無視されるのが嫌いです。相手をして欲しいを思っています。まずは話しを聞きましょう。



3.責めても人は変わらない

個人的な例ですが、私の3歳の息子が寝る時間になっても部屋いっぱい足の踏み場もないほどおもちゃを散らかしていました。「片づけて」と何度言っても片づけません。



そのうち私の堪忍袋の緒が切れて「どうして片づけないの!!!!」と子供を責めます。すると子供は泣き出しました。責めれば責めるほど、泣き続け、片づける気配もありません。そこで「どうして片づけないの?」と質問すると「一人で寂しかったから」と言いました。本当かどうかは分かりません。でも、ちょっと抱っこして「わかったよ」と一緒に片づけると、どんどん子供だけで片づけます。結局、責めただけ時間のムダでした。



叱れば叱るほど、言うことを聞かなくなるのです。



大人も同じです。責められると萎縮してできることもできなくなります。



コミュニケーションはキャッチボールです。相手にボールを投げつけるのではなく受け取れるように投げる必要があります。



まとめ:

1)やる気のない人間はいないと考えよう

2)コミュニケーションを積極的に取ってやる気の低い原因を探ろう

3)責めるだけ時間のムダ



参考:入門ビジネスコーチング 本間正人著


入門ビジネス・コーチング―「一方通行」指導から「双方向」コミュニケーションヘ/本間 正人

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(株)キュー・アンド・シーの阿部です。



前回はOPRPのモニタリングまでお話ししました。

モニタリングは行為そのものを見るのがモニタリングでした。













修正と是正処置





次ぎは、修正処置です。

修正の定義は何だったか覚えていますか?



それは・・・・・。



不適合の状態を除去することが、修正でした!



前回の例(手洗いをOPRPにする)だと、モニタリングは



1.手洗いしている様子をビデオで撮影する

2.第三者が見ている



それぞれについて修正処置を考えてみます。

是正処置は共通です。

全員に手洗いさせるためにはどうしたら良いかですから共通なのです。



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1.ビデオで撮影する

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ビデオで撮影したものを見直していると

手洗いをしないで工場に入出している人が何人かいました。



(このビデオを見直すという行為がモニタリングで

ビデオを録るのはモニターだという考え方もあります。

ここではビデオ撮影+後で見直す両方でモニタリングとしています)



この場合の修正は、なんでしょうか?不適合の状態を除去する・・・・・。

不適合の状態とは、この例では手洗いをしていない人がいるということです。



すると、



手洗いしていない人を取り除く?

手洗いしていない行為を取り除く?



この二つが修正です。具体的には

「手洗いしていなかったね、手洗いしてください」

手洗いをしていなかった人に伝えることです。



え?これが修正と思われたかもしれませんが、これも修正です。



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2.第三者が見ている

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あなたが手洗い場の横に立ってじーっと見ているにも関わらず

手洗いをしないで工場へ入っていこうとする人がいました。



あなたは、「手洗いしていないでしょ?洗ってください」と声を掛け

手洗いをさせました。



はい。



これが修正処置です。「戻って手洗いをさせる」が修正処置です。

手洗いをしていない状況を取り除く=手洗いをさせる

です。



是正処置



是正処置は「二度と同じことが起きないようにする」ことです。



これはいろいろな方法があるでしょう。



1.手洗いをしないとドアを開かなくする

2.手洗い教育をする

3.二人セットで手洗い作業させる







正解はありません。

但し、1回だけ「皆さん手洗いは大事ですから、必ずしてください」

と言っただけでは、再発します。



是正処置が有効だったのかを見直すことも必要です。



以上がOPRPの作り方でした。



質問がある方はどんどんコメントをお寄せください。

お待ちしています!







皆さんこんにちは、キュー・アンド・シーの阿部です。

今日は、OPRPの作り方をご説明します。


HACCPプランとはどこが違うの?どんな文書を作れば良いの?これはOPRPと言えるのか?

OPRPはISO22000に特有のものなので、ISO22000を構築される方が悩む部分です。
規格要求事項にはどんなOPRPを作れば良いのか、書いてはいません。

詳しくご説明します。

OPRPに含まなければならない事項は

OPRPで管理するハザードそのハザードの管理手段モニタリング手順修正及び是正処置責任及び権限モニタリングの記録

HACCPプランとの大きな違いは何でしょうか?

HACCPプランに含まなければならない事項は

CCPで管理するハザード管理手段許容限界モニタリング手順修正・是正処置責任及び権限モニタリングの記録

「許容限界」がOPRPにはありません。

許容限界がなくてどうやってモニタリングするのか?
どうなったら修正・是正処置をすれば良いのか?

許容限界がないことで、「モニタリング」が解らなくなってしまうのです。

OPRPの定義は・・・

OPRPの定義は何でしたか?以前の記事に書いてあります。読んで下さいね。

OPRPは管理すべきPRPでした。そうです。PRPなのです。

PRPと言えば、手洗いとか整理整頓とか、清潔な作業着を着るとか。。。。。

具体的には・・・

OPRPの管理手段が手洗いだとします。すると何をモニタリングしますか?
OPRPのモニタリングは、OPRPが実施されていることを実証する「コト」を見ることです。

わかりませんか?

手洗いが実施されていることを実証する方法は何ですか?


裁判での証拠

裁判での証拠には何があるでしょう?

・物的証拠
・証言

あなたが手洗いしたことを実証する物的証拠は?証言は?



少しヒントを出します。

手洗い状況をビデオ撮影する手洗いしている所を第三者に見てもらう手洗い洗剤の減り具合を記録する手洗い後の手指の拭き取りをする



さてどれでしょうか?

最初の二つが正解です。


「手洗い洗剤の減り具合=手洗いしている」とはなりませんよね?使用量が一定とは限らないし、洗剤を付けただけで洗い流す人もいるかもしれません。


手洗い後の手指拭き取り検査は、その時の手の菌数を示しているに過ぎません。手洗いの結果を見ているのであって、手洗いそのものを見ているのではありません。

モニタリングだけで長くなったので、OPRPの修正・是正処置については次回お話します。


いかがでしたか?OPRPのモニタリング、解りましたか?
解らないコトがあればコメントに書いてください。
お答えします!

文章にすることで、より理解が深まりますよ!