葉ぼたんのブログ

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江戸川乱歩原作「黄金仮面」。子供の頃、江戸川乱歩が大好きで、よく読んでました。ストーリーは、よく覚えてなかったけれど、アルセーヌルパンが出てきたのは覚えています。

そんな懐かしの黄金仮面が上演されると聞いて観に行きました。上演時間は、2時間35分。途中休憩なし。えっ?!トイレ休憩ないの?とちょっと不安になりながら、銀河劇場に行きました。


鷲尾侯爵の別邸に、F国からの客人が訪れている。鷲尾侯爵の持つ国宝美術品を見せてもらうためだ。その接待の最中、鷲尾侯爵の一人娘が殺害される。最近鷲尾侯爵邸では、黄金仮面らしき怪しい人影が目撃され、警備に警察が入っていたにも関わらず事件が起きたのだった。混乱する現場で、国宝美術品すべてが偽物にすりかわっていたことに気付く。その偽物の品々には、A.Lとサインがあった。

現場にいた怪しい老人を職務質問したが、なんと彼は名探偵明智小五郎だった。明智は、令嬢殺害の犯人は女中だと見破る。

この鷲尾侯爵家の殺人事件が、舞台作品となった。大鳥家の令嬢不二子は、その美貌ゆえ女優として活躍しており、主役を演じることになっていた。

上演中、警察が入り込み、「隣の展示会より宝石が盗まれた。ここに黄金仮面が逃げ込んだとの情報がある。」と告げる。ちょうど舞台には黄金仮面が出演していた。この黄金仮面は、役者か、それとも本物なのか。

混乱のなか、黄金仮面は、不二子を連れて逃げ出す。不二子は黄金仮面の恋人だった。しかし、車のなか、仮面を取った黄金仮面は、明智探偵だった。はっとする不二子。しかし、本物の黄金仮面は、運転手に変装して車を運転していた。銃を突きつけられ、車から放り出される明智探偵。

その後、明智探偵は、執拗に命を狙われる。しかし、屈辱を果たすべく、明智小五郎は、黄金仮面を追っていく。

さて、黄金仮面を捕らえることができるのか。


ミュージカル仕立てになっているので、歌が多かったです。そしてキャストが少ないのに何役もこなしていました。

福島海斗くんが出ていたのですが、彼は記者の役、執事の役、女中の役、そして鷲尾侯爵令嬢の役までこなしていました。舞台上でエプロンやストールを付けるので、「あっ、次は役が変わるんだ」とよくわかりました。面白い演出だと思いました。また、吉澤翼くんも出ていました。久々に見ましたが、頑張っているのだなあと思いました。

主役の明智小五郎役は、小越勇輝さんでした。彼も老人役や黄金仮面役、運転手役など様々演じていて、変装が上手い明智探偵になっていました。滑舌もよく、聞き取りやすかったです。

佐藤永典くんが、小林少年役でした。セーターと短パンを身につけ、少年になってました。前半は、狂言回しとして、舞台上で長い説明台詞をずっと言っていました。あれはなかなか大変な役だと思いました。(調べてわかったのですが、この作品は2011年にpnishプロデュース公演として上演されていたのだそうです。pnishに関係が深いさとちゃんが出てくれるのは嬉しいですね。)


黄金仮面役に岡幸二さん。歌はダントツに上手いです。ルパンだから、外国人の役ですが、お体が大きい方なので、適役だと思いました。


物語で印象的だったのは、ルパンは人殺しはしない主義なのに「モロッコ人を3人殺している」と言い、日本人の明智を殺そうとしたところです。明智は、「白人至上主義」という意味の言葉を使いましたが、江戸川乱歩さんは、ちゃんと気が付いていたのだなと思いました。いや、昔の人だからこそよく知っていて、そのような設定にしたのかもしれないです。

ルパンと不二子との恋はどの程度本気だったのでしょうか。後にルパン三世が日本にいたことを繋げて想像すると、楽しくなりました。


見ている方はあっという間の155分でした。キャストやスタッフは労力を使う公演だと思いました。

10月20日まで、銀河劇場にて上演中。